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夢幻水滸伝

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第百六十四話 土佐沖にてその二

「あの三人はいつも力を合わせてる」
「一人よりも二人、二人よりも三人でね」
「その三人が力を合わせて戦うとな」
「もうとんでもない力よ」
「それな」
 まさにとだ、シャーデーも言ってきた。
「あの三人がな」
「圧倒的よ、だからね」
「あの三人をやね」
「どうするかよ」
 このことがというのだ。
「大事なことは」
「そやね」
「けれどあの三人でもね」
 その絶大な、三人で力を合わせている彼等にしてもというのだ。
「無敵ではないわよ」
「この世で無敵のものはない」
「そうよ、絶対に無敵のものなんてね」
 それこそというのだ。
「ないわよ」
「そやね」
「これまでの日本の戦を見ると」
 シャーデーは考える顔で言った。
「その強さに加えて」
「ええ、奇襲ね」
「それで戦ってるわ」
「そう、日本軍は数が少ないから」
 だからだとだ、アレンカールも言うのだった。
「それを補う為にね」
「ほんまに常に」
「奇襲を仕掛けてね」
 そうしてというのだ。
「機先を制して」
「そうして勝ってきてるわ」
「そやからね」
「私達にしてみれば」
「あらゆる奇襲を想定して」
 そのうえでというのだ。
「戦うわよ」
「夜襲、伏兵、急襲、気候を使う」
 ざっとだ、ゴーディマーは挙げていった。
「幾らでもあるわ」
「そう、だからね」
「そのあらゆる奇襲にやな」
「あたい達は備えて」
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「日本に向かって」
「そして日本と戦うのよ」
「そうするな」
「正攻法で来ることは有り得ないわ」
 アレンカールは言い切った。
「それはね」
「それは絶対にないわ」
 ゴーディマーはアレンカールの言葉に頷きそれは他の連合の天の星の面々も同じだった。五人共同じ顔だった。
「ほんまにな」
「ええ、あたいもね」
「そう思うな」
「それこそな」 
 まさにというのだ。
「数が少ないのに正面から堂々と戦うとか」
「負けるわ」
「それだけはないわ」
「ええ、だからね」
「今回もな」
「日本は奇襲で来るわ」
 それがどういった形でもというのだ。
「間違いなくね」
「それでやな」
「それに備えて」
 そしてというのだ。
「進んでいってね」
「戦でもやな」
「戦うわよ」
「そういうことやな」
「ええ、ここまで何とか来られたし」
「はるばるな」
「それで負けるのも癪でしょ」
 アレンカールは笑って話した。 
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