ヘタリア学園
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五百五十七話 わかっていましたから
第五百五十七話 わかっていましたから
道草をすればどうなるか。ましてやイタリアならどうなるか。それは言うまでもないことでイタリアは遅刻してしまいました。それでオーストリアさんに平謝りです。
「御免なさい、オーストリアさん」
泣きながら謝罪します。
「ちょっと遅くなっちゃいました」
けれど何故かオーストリアさんはイタリアに背を向けています。そしてこんなことを言うのでした。
「その様子ですと会えたようですね」
「はい?」
「いえ、気のせいですよ」
こう言うのでした。イタリアには全く訳がわかりません。きょとんとしているとここでまた言ってきたのでした。
「独り言です」
「そうなんですか」
「それよりもです」
オーストリアさんはイタリアにさらに言ってきました。
「今日は部屋にいなさい」
「はい?」
「そんな顔で家事をされても困ります。
こう言ってイタリアを部屋に下がらせてしまいました。そのうえで何をするかというと。
何と自分が家事をするのです。これにはハンガリーもびっくりして言葉もありませんでした。
「あの、オーストリアさん・・・・・・」
「御気になさらずに」
「はあ、そうですか」
食器を洗うオーストリアさん。何か意外にもさまになっていてこれもまたびっくりです。何はともあれイタリアにとってはいい一日になったようです。
第五百五十七話 完
2009・1・5
ページ上へ戻る