夢幻水滸伝
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第百六十三話 近付く最後の決戦その七
「やっぱりな」
「死ぬな」
「誰かてな」
「それで僕等もやな」
「やっぱりそうなるわ」
死ぬというのだ。
「それは避けられんみたいやな」
「そういうことやな」
「ただ、この世界でどれだけ歳月がかかっても」
それでとだ、芥川はお茶を飲みつつこうも言った。
「結局一睡のことや」
「起きた世界やとな」
「所詮世の中は一睡の夢」
この言葉も出した。
「言ったのは上杉謙信さんやったか」
「あの人が言うた言葉か」
「漢詩か和歌かで詠んだんや」
「あの人詩人でもあったんやな」
「当時武士も和歌はよお詠んだしな」
「そういえばそやったな」
中里も言われて頷いた。
「そのことは」
「戦前の軍人さん達かてそやったろ」
「和歌詠んでたな」
「詩人は出来不出来はともかくなろうと思ったらな」
「なれるもんか」
「詠おうと思ったら」
その時はというのだ。
「すぐになれるわ」
「それが詩人ってもんか」
「僕はそう思うで、それで話を戻すけどな」
「この世界でもやな」
「人、僕等も死んで」
そしてというのだ。
「この世界での歳月はな」
「どれだけでもやな」
「起きた世界では一晩や」
「それだけのことやな」
「寝てこの世界に来ると」
その時はというのだ。
「時として何年も経つみたいやな」
「いつもきりのいいところで起きてるけどな」
「それぞれのな」
「それでな」
中里はまた抹茶を飲んだ、その味を楽しむと共に茶で眠気が覚めることを感じながらそのうえでさらに話した。
「統一した後は政でな」
「二十年以上かけてか」
「じっくり治める、その間枢軸はな」
この勢力のことも話した。
「動かん、っていうかな」
「あっちも政で忙しいな」
「そや、あっちはもう統一してるが」
それでもというのだ。
「領土がこっち程やないがやっぱり広い」
「かつてのソビエトの殆どとインドにやな」
「それもイギリス統治時代のインドでな」
その領土でというのだ。
「そこにアフガンとかも入る」
「めっちゃ広大やな」
「けど星のモンは少ない」
自分達に比べてというのだ。
「全員天の星でもな」
「十一人だけやな」
「それで神星が三人」
「合わせて十四人か」
「こっちの十分の一以下や」
星の者の数はというのだ。
「それであの広大な領土を治める」
「十数億の人口とな」
「これはかなり苦しい状況や」
人材面でというのだ。
「こっちは地の星七十二人に人の星七十二人にな」
「天の星が三十人や」
「それで神星が僕等の十人」
「合わせて百八十四人やな」
「これだけおるんや」
それならというのだ。
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