| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ソードアート・オンライン 剣が有るなら盾も必要じゃない?

作者:月の因幡
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

剣と盾
デスゲーム始動
  俺の妹はこんなに可愛いんです。

 
前書き
作者の妄想が爆発します。 

 
βテストが終了して、現実世界に戻ってきた。

「知ってる、この天井を、俺は知っている。」

ナーヴギア越しに見える自分の部屋の天井ほ見つめながら冗談全快で呟く。

「あの、大丈夫ですか、兄ちゃん。」

恥ずかしい、凄く恥ずかしい所を見られた。
冷静に成れ、冷静に成るんだ。自分に言い聞かせてから視線を少しずらすと、そこに妹が心配そうな視線をこちらに向けているのが目に入った。
主に頭的な意味で。

「とっ、また勝手に部屋に入って。何時もノックしろって言ってるだろ?」

ナーヴギアを頭から外して妹を叱る事にする。べ、別に恥ずかしかったからじゃないんだからね。

「で、でも、ノックはしましたよ。何回叩いても返事がないので……。」

それはそうだ、今の今まで俺は仮想現実の世界にダイブしていたのだから。
ナーヴギアが脳から発せられる電気信号を全部シャットアウトしてしまっているのだから、現実に存在する身体を動かすことは出来ないし、バーチャルリアリティ世界で邪魔な現実世界での音等もシャットアウトしてしまう。
それを許可する設定も有るには有るのだが、許してしまうと面白みが無くなってしまうのも事実な訳で、そんな設定にしている者はまずいないだろう。

心配して様子を見に来てくれたのは解る。実に優しい子だと思うが、兄とは言え年頃の男の部屋に、思春期に差し掛かろうとしている妹が勝手に入り込むのはいただけない。
俺ももう16歳で高校生なのだ、色々と不味いタイミングなんてのも有ったりする訳で、極力部屋の鍵は閉めているのだけれど、今回は別に不味い事をしている訳でもないので鍵は閉めていなかった。
閉めていなかった俺も悪いのかもしれないが、やはり勝手に入り込むのは良くないのだ。家族とは言え最低限のマナーだとは思うのでしっかりと釘をさして置く事にする。

「勝手に女の子が男の部屋に入ってしまうとな、男は須らく其れを食べなきゃならなくなってしまうんだぞ。」

「へ?今までお兄ちゃんが私を食べたことはありませんよ?」

以前にも何度か部屋に勝手に入り込んだ経験談から意見を述べてくる。我が妹ながら純粋な意見で返してくれる。
思春期にさしかかろうとしている女の子なら「そんな事あるわけ無いじゃないですか。」とか「破廉恥です、スケベです、エッチです。」とか返ってきそうなものではあるが。うん、このまま純粋に育ってほしい物だ。
だが、これはこれ其れは其れである。
今までも勝手に部屋に入り込むたびに何かと対策案として色々と吹き込んできた物の、見ての通り其れが成功していないのは明らかだったので、今までと違い実行に移してみることにしよう。うん、そうしよう、物理的に。

「ふむ、ならば今回は頂く事にしよう。そうしよう。」

言うが早いか、早速肩に手を乗せて頭を齧る。

「き、きゃああああああああ。」

予想通りに叫び声を上げる。その場で頭を抱えて叫ぶばかりで逃げる素振りを全く見せない辺り、実際に食されるとは思ってもいなかったのだろう、混乱しているのが良く解る。
これがアニメやゲームの世界なら、目が渦巻きになってぐるぐる回っていることだろう。
これは成功の兆しが見えてきた。もう一押しだ。

次の行動に移るべく、肩に乗せていた手を頬に持っていき鼻頭でも食してやろうか。なんて思ったところで、部屋の扉が「私壊れます。物理的に壊れます。」と言った爆発音にも似た音と共に開かれる。
同時にその先に移る女性の姿を見て、その扉は地獄の門へと名前を変える。

「忍君?何してるのかな?いっぺん死んで見る?」

鬼である。いや、姉である。キラキラとエフェクトの入りそうな笑顔を浮かべている辺り、まだ弁解の余地はあるはずだ。

「まて、これは誤解なんだ。男の部屋に勝手に入り込む事の恐ろしさを「だ・ま・れ」」

無かった。

「ウヴォア。」

最後まで言い切る前に俺の鳩尾に蹴りが入り、自然と口から出た声と共にベッドの上に吹き飛ばされる。もし胃に何かがいれば、それは虹色の何かとして噴出されていた事だろう。マーライオンの仲間入りだ。
そんな俺を呆れた表情で一括した後に、まだ混乱している妹の手を引いて俺の部屋を出て行く。

「まったく、実の妹にキスしようとするとは。信じらんない。」

凄い勘違いが聞こえたが、それを正す余裕など、悶絶する作業に没頭している今の俺には無い。

「で、でも、お兄ちゃんにご飯が出来たっ「いいのよ、あんな馬鹿ほっとけば。」」

部屋を出ることで混乱状態が溶けたのか、部屋の外で妹が言葉を発する。未だに俺の吐き気はハッスル。
部屋から遠ざかっていく足音を聞きながら思う。あんな事をした俺に、未だに食事の事を伝えようとしてくれている妹はとてもいい子に育ってくれていると。
両親が大手の電器メーカに勤めて、更に2人共に役職者である事から余り休みも無く、末っ子の面倒は俺と姉に任せきりになっている。
あの子はワシが育てた。
なので、優しい子に育ってくれている事がとてもうれしいのだ。
良い話に無理矢理持っていこうとしながら、痛む腹を撫でて起き上がる。

「やりすぎたか?」

寧ろやられすぎである。
キスしようとした発言からも解る通りに、そう勘違いされても仕方がない行動を取ってしまったのだ、明らかに過失なので文句は言えない。
だが、これで妹が勝手に我が城に入り込まなくなるのであればそれで目的は達成されるのだ、目標達成である、デモナンデダロウナミダガトマラナイヨ?
大きなため息を吐いて、沈んだ気持ちを切り替えると部屋を出る。

だが、ここで大きな問題が発生する。

「扉が、閉まらない・・・だ・・・・と。」

本末転倒である。 
 

 
後書き
ノリです。作者はその場のノリで生きてるんです。

のほほんパートです。

では、また次回で。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧