八条学園騒動記
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第五百八十五話 徹底してその八
「それはです」
「あってはならないことで」
「それをしたことは」
エウロパの者達がというのだ。
「人類の歴史の汚点です」
「まさにそうですね」
「ですから」
それでというのだ。
「我々はです」
「彼等を反面教師にすることですね」
「絶対の」
「ですか、ご家族にですね」
「そうした戒めも見ています」
ドードー鳥からというのだ。
「私は」
「反面教師をそこに見る」
「エウロパという」
「はい」
そうだというのだ。
「実に、ただ」
「ただといいますと」
「彼と暮らしていても」
それでもというのだ。
「ドードー鳥の卵を使った料理は」
「召し上がられますか」
「無精卵ですが」
それでもというのだ。
「口にしています」
「そうですか」
「そうした時もあります」
この時代はドードー鳥も家畜化されている、それで肉だけでなく羽毛や卵も利用されているのである。
「時には、そしてかつてはお肉も」
「召し上がられましたか」
「美味しかったです」
「ですね、ドードー鳥のお肉は」
その先生も言った。
「脂が乗っていてお肉自体もです」
「美味しいですね」
「あの脂の多さが」
それがというのだ。
「いいですね」
「鳥類の脂ですね」
「それは牛や豚の脂とまた違い」
「独特の味わいがありますね」
「そしてドードー鳥の脂は」
その部分はというのだ。
「食べやすく味わいがあり」
「それで、ですね」
「私もです」
「お好きですか」
「左様です」
まさにというのだ。
「実に」
「そうですか」
「私はドードー鳥は飼えないですね」
「食べられるからですね」
「それでは」
「ははは、それは違うかと」
ロシュフォール先生は笑って応えた。
「家族自体を食べる訳ではないですから」
「だからですか」
「ミニブタを飼っていても」
それでもというのだ。
「猪を食べてもです」
「おかしくはない」
「連合では人間以外何でも食べますし」
かつて中国人が言われていた四本足のものは机や椅子以外、水のものは船以外空のものは飛行機以外という言葉そのままだ。
「それで、です」
「ドードー鳥が好きでもですか」
「ドードー鳥を飼ってもです」
その様にしてもというのだ。
「別にです」
「構わないですか」
「私はどうも気になって」
「家族のことがですか」
「彼と共に暮らす様になっては稀にです」
「稀ですか」
「口にする位になりました」
そうなったというのだ。
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