八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百九十一話 最初の決意その三
「やっぱりね」
「売れるから」
「本当にね」
まさにだ。
「掻き入れ時だね」
「本当にそうだね」
二人で頷き合う、そうして。
カタヤイネン君は僕にまた言って来た。
「それで君は今年はクリスマスにど何処に行くのかな」
「今それをチェックしてね」
「考えているんだ」
「うん、それでもね」
僕としてはだ。
「まだ決まってないよ」
「そうなんだ」
「神戸も色々行く場所あるしね」
「うん、何かとね」
「神戸から一歩出ると」
ほかにも範囲を拡げるとだ。
「もっとあるしね」
「姫路城とか」
「姫路城はちょっと」
「クリスマスにはだね」
「行く場所じゃないんじゃないかな」
「いや、行ってもいいじゃない」
「そうかな」
クリスマスに姫路城というか日本文化は合わないと思う、それで僕はカタヤイネン君にこう返した。
「姫路城とクリスマスは」
「いや、日本文化の場所は何時行ってもね」
「いいんだ」
「日本はその全てが魅力的だからね」
「それは言い過ぎじゃないかな」
「いや、実際にだよ」
カタヤイネン君はさらに言った。
「日本はそこまでの国だよ」
「それで姫路城もなんだ」
「クリスマスに行ってもね」
「いいんだ」
「僕としてはね」
「そうなんだね」
「あのお城は素敵だよ」
姫路城、白鷺城と呼ばれるこのお城はというのだ。
「本当に」
「あのお城は確かにいいね」
「そうだよね」
「うん、ただ本当にクリスマスには」
この時期にはだ。
「合わないと思うよ」
「僕は違うと思うけれどね」
「それは日本のよさがね」
「わかっていないとか?」
「そう思うよ、僕は」
こう僕に言ってきた。
「まあ二学期終わったらお国に帰るけれど」
「フィンランドに」
「祖国でゆっくりするよ」
「そうするんだね」
「サウナに入って」
フィンランドといえばこれだ、あそこで思いきり汗をかいて身体の中の悪いものを出すのだ。だから身体にいいのだ。
「ぞうしてスキーもして」
「スキーも有名だよね」
「それにね」
さらに話してくれた。
「森と湖もね」
「観るんだね」
「そうするよ」
こう僕に話してくれた。
「これがまた凄くいいから」
「フィンランドの森と湖は有名だね」
「雪に覆われていてね」
「この季節はそうだね」
「寒いけれどね」
フィンランドの寒さはロシア以上だ、吐く息が瞬時に凍るというのだからもう普通に暮らすことさえ厳しい。
「それでもね」
「奇麗だね」
「夏も奇麗で」
それでというのだ。
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