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八条学園騒動記

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第五百八十五話 徹底してその六

「それが折れたなら」
「どうするかですね」
「はい、その時は」
 まさにというのだ。
「折れてです」
「そうしてですね」
「終わりかと」
 そうなってしまうのではないかというのだ。
「最早」
「そうですね、言われてみますと」
「無神論程、信仰を持たないこと程虚無なことはありません」
「そうですか」
「私の考えでは」
「信仰はそれ程大事とですか」
「ドードー鳥を見ても思います」
 こうその先生に話した。
「ですから彼はです」
「ロシュフォール先生にとってですね」
「掛け替えのない」
「家族ですか」
「そうです、しかしその信仰も」
 ロシュフォール先生はこうも話した。
「過つと」
「カルトの様になれば」
「それで、です」
 その時点でというのだ。
「おかしくなります」
「よくある話ですね」
「エウロパの歴史を見ればそうですね」
「エウロパはまた愚の骨頂ですね」
「彼等らしいです」
 ロシュフォール先生も連合市民でありこう言うのだった。
「実に」
「左様ですね」
「はい、キリスト教は本来素晴らしい宗教ですが」
「だからこそ今も巨大な勢力を持っていますね」
「そうなのですが」
 その筈だがというのだ。
「それがです」
「信仰を過ち」
「十字軍、異端審問、大航海時代、帝国主義時代とです」
「愚行蛮行を繰り返してきましたね」
「彼等は愚かです」
 ロシュフォール先生はまた言った。
「だからです」
「ああしたことを繰り返しましたね」
「数百年もの間」
「あれは信仰の過ちですね」
「我々の反面教師かと」
「そうですね」
 先生も頷いた。
「まさに」
「ああなってはです」 
 それこそというのだ。
「人はです」
「どうにもならないですね」
「はい」
 まさにというのだ。
「流した血壊したものは戻りません」
「だからこそですね」
「彼等の愚行はです」
「反面教師ですね」
「宗教から見ても」
 キリスト教への誤った解釈そして悪用だったというのだ。
「我々はああなってはいけません」
「宗教、信仰を歪めては」
「ましてやそれを口実に侵略を行い」
 そしてというのだ。
「破壊に殺戮、収奪なぞ」
「あってはならない」
「信仰は自分の倫理とし」
「そうしてですね」
「他者を認める」
「そうしたものでないと駄目ですね」
「他宗教を攻撃するならば」
 ロシュフォール先生は話した。 
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