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新オズのつぎはぎ娘

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第八幕その十

「皆はその中で楽しんでもらう様にしているの」
「それがオズの国の法律ですね」
「そうなの」
 ドロシーはジョージに微笑んで答えました。
「例えば誰かが傷付く様なことは言わない」
「基本ですね」
「意地悪もしない」
「それも当然ですね」
「そうしたことを決めて」
 そしてというのです。
「皆に楽しんで暮らしてもらうの」
「それがオズの国ですね」
「それで悪いことをする人もいないし」
 ドロシーはジョージにさらにお話します。
「牢屋もね」
「そういえばないですね」
「ええ、オズの国にはね」
「そうなんですね」
「それに悪いことをした人は報いを受けるでしょ」
「はい」
 実際にとです、ジョージは答えました。
「そんな人は絶対にですね」
「報いを受けるわね」
「そうですよね」
「誰もが見てるから」
 悪いことをする人をです。
「だからね」
「その見た人がそうした行いに報いを与えるんですね」
「ラゲド―王も何度もそうなったわね」
「悪いことをするかしようとした度に」
「自分の国にもいられなくなったし」
 王位を追われてです。
「そうなったし」
「悪いことは出来ないですね」
「そうよ、オズの国ではオズマは処罰は考えないの」
「悪いことをすれば」
「その人は報いを受けるから」
「滅多にないことでも」
「そうなるから」
 だからだというのです。
「それはないの」
「そうですか」
「だからいいの、ただね」
「ただ?」
「さっき関羽さんの名前が出たけれど」 
 神宝が出したこの人のことを言うのでした。
「あの人は法律を破らないしあの人が言うと皆守るのよね」
「物凄くしっかりした人ですからね」
「真面目で礼儀正しくて」
「そうして強くて」
「学問もお好きで」
「非のうちどころのない人ですから」
「だからね」
 そうした人だからだというのです。
「あの人がおられると違うわ、ただあれだけ真面目な人は」
「いないわね」
 つぎはぎ娘が応えます。
「そうそう」
「そうよね」
「あの人の真面目さはオズの国一ね」
「ええ、しかも凄く大きくて」
「赤い馬に乗っておられて」
「赤兎馬ね」
 つぎはぎ娘はその馬の名前を言いました。 
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