雲は遠くて
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
166章 信也の 歌『 幸せの 小道 』が 大ヒット する
166章 信也の 歌『 幸せの 小道 』が 大ヒット する
2020年9月13日、日曜日。一日中、雲りや時々の雨という空模様で、
気温は 29度ほどと 蒸し暑い。
午後2時。川口信也は、よく行く 高田充希の 店 ≪ カフェ・ゆず ≫で、
雑誌の 取材を 受けている。
インタヴュー するのは、信也と 馴染みの 女性 記者、
雑誌・週刊 芸能ファンの 杉田 美有だ。
≪ カフェ・ゆず ≫ は、下北沢駅 の 西口から 歩いて 2分ほど。
充希 は、2017年の夏に 自分の 親の 土地にある 家を 改装して、
≪ カフェ・ゆず ≫ を オープン した。
店は、一軒家 ダイニング。クルマ 6台 の 駐車場。
フローリングの 床ゆかの 店内。キャパシティー 40人。
16席 の カウンター、4人用の 四角い テーブル 6つ。
ミニ ライブ の ステージ 、黒塗りの YAMAHAの アップライト ピアノ 。
高田充希は、1993年3月14日生まれ、27歳。身長158cm。
川口信也は、1990年2月23日生まれ。30歳。身長175cm。
杉田 美有は、1996年11月5日生まれ。23歳。身長163cm。
取材は、テーブルで、美有と 信也の ふたりきりだ。
「 信也さんの 歌『 幸せの 小道 』の 大ヒット おめでとうございます!
えーと、この 歌は、クラッシュ ビート の 5枚目 の アルバム
『人生に 恋ほど すてきな「 花 」は ない 』からの シングル カット ですけど、
歌詞の 内容が 文学的で すばらしい!と 各界から 特に
多くの 小説家さんや 詩人さんからも 絶賛されています。
そんな この 歌の 詞 について お聞きしてもいいですか?」
涼し気な きらめく 瞳の 笑顔で 美有 は そう 言った。
「 この歌は、タイトルだけ、3年前くらいに出来て、詞の内容は、
その イメージが ずーと 長い間 膨らまなかったんです。
でも、あることが、きっかけで、どーっと 書きあがりました 」
信也は そう言うと 声を 出して笑った。
「 そーなんですね。それで、時間をかけたぶん、きっと、
すばらしい 詞 になったのですね!」
「 というか、詞は ほとんど ほったらかしですよ。
あることが、きっかけで、言葉が次々と舞い降りてきたのです。あっははは 」
「 その きっかけって 何かしら? 気になるんですけど、
教えていただけますか? 」
「 その へんは プライベートな デリケートな部分なので・・・、
でも ひとことで言えば、『 恋 』とでもいいますかね。あっはは 」
「 そうなんですか!『 恋 』ですかぁ。今回の アルバムの コンセプト も
恋という感じですものね!」
「まあ、恋じゃなければ、愛かなぁ。生きていて、この どちらも 大切ですよね。
パワーの源は、それぞれなんでしょうけどね。お金が パワーのもと の人も いるし。
抽象的な 言葉で、漠然としてますけど。でも、具体的な 事例も 無限ですよね 」
「 でも、しんちゃんの おっしゃっていることは、わたし、よくわかりますよ。
しんちゃんの そんな考え方に 共鳴する人が たくさんいるから、
しんちゃんを モデルにした マンガや 映画も 作られるんです!きっと!」
「 そう言っていただけると、ぼくも うれしいです」
信也を モデルにした 主人公の 人気 マンガの 実写版『クラッシュビート』は、
英米の人気の映画シリーズの『ハリー・ポッター』のような、
長 期間の シリーズで、現在 2作まで公開されて 大ヒットしている。
物語は、明るい 未来を 描えがくことも 困難な 現代社会が 舞台という設定。
そんな 絶望的な 状況の中で、『 芸術や 愛とか 心とかを もっと 大切にしよう 』と
パワフルに 日々を 楽しむ 人たちの、恋愛や 成長や 活躍の 物語。
「 ぼくが バイブル のように、大切に思う 言葉を、2つ お話ししますね 」
「 それは、すてきです! ぜひ お聞きしたいです!」
「 1つは、澁澤 龍彦(しぶさわ たつひこ)さんの
『 快楽 主義の哲学 』の 本の ラスト の 言葉なんだけど。
『 快楽は 発見である 』という言葉です。
『 コロンブスの卵と同じのように、
快楽というものは 自分で 発見しなければ、
意味がないものだと思うのです 』
と 澁澤さんは 言っていますよね。
ぼくたちは、子どものころは 親の 愛情とかにも 守られていて、
自由に 遊ぶ 時間も いっぱい あるから、快楽を 発見することも
快楽を 求めることも 快楽的に 遊ぶことも たくさん できたですよね。
それが、大人になるに したがって実現不可能になるのですよね、
きっと。快楽も、野放しでは、悪いこともしやすいわけですけど。
他者を傷つけたり、自分の健康を害したりとね。
でも、人生は 快楽や 遊ぶことを 目的にして 存在する のだと、ぼくは思います。
だから ぼくは、そんな 子ども のころの ユートピアを、
大人の 社会にも 日々に 実現したいのです。
子どもたちと 大人を 比べたら 絶対に 子どものほうが
正しい 生き方を してると ぼくは 感じますよ。
もう 1つの 言葉ですけど。寺山 修司さんの書いた『 青 女 論 』の 言葉ですね。
『文明社会における不道徳というのは、たった1つ、
《 他人を 不幸にする 》ということだけです。
お互いが 楽しむ 権利を 禁じることは、
どんな神様にだってできることではないことに、確信をもって、
隠したてたり、罪悪感を持ったりするのは 止めたほうがいいと思います。』
ということを、第二章の『 性 』で 書いてます。
寺山さんも 自由や 民主 主義を愛した人だったと、つくづく思う この 言葉です 」
「 しんちゃんは、よく お勉強していますよね、わたし 感心 しちゃいます! 」
「 気の向くままの 雑学や 雑読ですよ。それこそ、快楽的にやってるだけです。
あっ そうだ、お時間があれば、この 取材 終わったら、この店で飲みましょうか?
美有さんとは まだ お酒 で 楽しんだことないですからね、ぜひ どうでしょうか!」
「 ホントですか!うれしいです、ぜひ、そうしましょう!」
素直な 美しい 笑顔と きれいな 声で 美有 は 歓んだ。
幸せの 小道 作詞 作曲 川口 信也
(1)
風 そよぐ 小道 二人 歩いた
桜も 蕾の 春の 木の 芽どき
自然の 仲間は 教えて くれる
幸せに 生きる ための ヒント
自然の 仲間と 愛と 真実
いつも 大切 自由に 楽しく 生きよう
「 青春とは 心の 若さである 」
と言う 詩人 ウルマン
きっと そうだね 青春とは
愛と 希望の 心の 季節
(2)
愛は 美しく 美しさは 愛
でも 愚かな 過ち をする 人間
真実は 美しく 美しさは 真実
無心に 生きている 生き物 たち
自然の 仲間と 愛と 真実
いつも 大切 幸せの 道 歩こう
☆参考文献☆
<1> 青女論 寺山修司 角川 文庫
<2> 快楽 主義の 哲学 澁澤 龍彦(しぶさわ たつひこ)文春 文庫
<3> 幸せの 小道( 完全 版 ) youtube 乙黒 一平(おとぐろ いっぺい)
https://youtu.be/U_2iRoxwvJQ
≪ つづく ≫ --- 166章 おわり ---
ページ上へ戻る