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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第3部~希望と絶望の宝石~
  第10話『見え始める危険』

「私は、聡明で賢い人の味方で、直情的な愚か者の敵。佐倉杏子、あなたはどっち?」
「さあ、みせるんだ。君が魔法を操れる、その証を。」
「自分の気持ちに嘘をついていませんか?私、明日の放課後、上条さんに告白します。」
「本当だ。その気になれば、痛みなんて感じないんだ。」
自室に入ったさやかは机に伏して泣きじゃくる。
「うぅ…馬鹿だ…あたしって、ホント馬鹿…」

─魔法の指輪、ウィザードリング。今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、絶望を希望に変える─

〝ようやく繋がった!フェイト、大丈夫!?〟
通信遮断の結界が破壊されたことで、フェイトはアルフから連絡を受ける。
「アルフ、私は大丈夫。それより、リンディ長官はいる?」
〝今代わるね。〟
〝フェイト、無事でよかったわ。状況はどうかしら?〟
「はい、今までキュゥべえにに通信遮断の結界を張られていて連絡が出来ませんでしたが、ある程度の調査が済みました。まず、この世界に魔女を、まどかの世界にファントムを送り込んだのはキュゥべえで、ファントムの誕生の際に発生する絶望のエネルギーを集めることが目的でした。」
〝なるほどね。つまり、今は雅国家象徴に対してキュゥべえは通信遮断の結界を使用しているわけね。〟
「ですが、雅も結界破壊の魔法を持っているはずです。」
〝それがね、どうも雅国家象徴に対して使われているものはただの結界ではないみたいなのよ。〟
「どういうことですか。」
〝フェイトの時にはこちらからの通信は行えたのだけど、雅国家象徴の方にはこちらからの通信も行えないわ。恐らく高ランクのAMFか次元遮断システム、あるいはその両方が使われている可能性があるわ。〟
「わかりました。それから、キュゥべえは集めたエネルギーをこの世界で利用しようとしていますが、この世界にそれほどの膨大なエネルギーがあるのか調べてもらえますか?」
〝わかったわ。他に何かあるかしら?〟
「キュゥべえが言っていたワルプルギスの夜について何か分かりますか。」
〝雅国家象徴が向かった世界に存在している史上最強の魔女のことね。数多の少女の無念によって構築されている存在で、人類が作り出したあらゆる質量兵器が通用しないという記述があるわ。〟
「ありがとうございます。こちらの世界に魔女が現れている以上、この世界にワルプルギスの夜が現れる可能性を考えておきます。」
〝そう、ありがとね。〟
「それで、雅の方からはどこまで報告がありました?」
〝それがね、向こうの世界ではキュゥべえは殆ど動きをみせていないみたいで、情報が殆ど無いのが現状よ。〟
「わかりました。こちらでは引き続き捜査を続行します。」
フェイトは通信を終了する。
「あれがフェイトちゃんの上司?」
「上司、というより母さんと言った方が近いかもしれません。今から10年くらい前に、ある事件で母を失った私のことを、養子としてしばらく引き取ってくれていたんです。」
フェイトは晴人に説明する。
「それで、最初に映っていた子供は?」
「アルフは、ずっと昔からの私の使い魔で、今はあんな可愛い姿ですけど、昔は今の私より大きかったんです。今はもう、魔力の消費量を減らすためにあの姿をとっていますけど、またいつか昔みたいにおっきなアルフと一緒に事件を解決したいと思っています。」
「なかなか、使い魔想いな主なんだな。」
スザクはアルフの存在に興味を示していた。すると、
「ようやく見つけたぜ、ファントムの裏切り者!」
「なんでも、願いの魔女を倒そうとしているんだってな!」
「指輪の魔法使いと協力している以上、お前達には死んでもらう!」
「俺達も新しい力を試したいんだ。」
「お前達にはその実験台になってもらう。」
ブギーマン、トレント、ウィルオウィスプ、ベルゼビュート、フランケンモンスターの五体のファントムが現れる。
「なるほどね。仮面ライダー、それから魔導師、こいつらはどうやらキュゥべえに利用されていることにすら気付けず、ファントムとしての誇りを失っている。こいつらが残っていたら魔女を倒しても意味がない。やるぞ。」
スザクとサナはファントムの姿に戻る。
「行くぞ仁藤、フェイトちゃん。変身!」
晴人達も変身し、加勢する。
「お前達、何が魔法使いに味方する裏切り者だ!キュゥべえに唆されて異質な力を取り込んだお前達こそ、ファントムの風上にも置けない!」
朱雀は大剣を振り回してウィルオウィスプを攻撃するが、
「やるじゃないか!ここはこいつの出番だ!」
ウィルオウィスプは魔石を投げると、グールではなく眼魔コマンドが現れる。
「なんだこつら!グールではない!」
朱雀は困惑する。
「ウィルオウィスプの奴、先走りやがって!」
「こうなりゃあ、俺達も行くぞ!」
ブギーマンは初級インベスを、トレントはプレーンロイミュードを、ベルゼビュートはバグスターウイルスを、フランケンモンスターはアーマータイプファウストガーディアンを魔石から召喚する。
「くっ、ファントムと魔女以外の敵と戦うのはどれくらいぶりだ仁藤!?」
「さあな!何年も前のことだから忘れちまったよ!」
「俺はドクターパックマンの事件が最後だから5年前か。」
「おいおい、こんなこと言ったら俺なんてあのデカい花の化け物の時が最後だぜ!」
ブギーマンと戦っているウィザードはトレントと戦っているビーストとお互いの思い出を振り返っている。
「ガーディアン、確かビルドの世界の機械兵士。なら!プラズマランサー!」
フェイトは雅がかつて纏めていた情報を頼りに、直射魔法を放ってガーディアンを撃破してゆく。
「やっぱり。行くよ、バルディッシュ。サンダーレイジ!」
フェイトは広範囲にわたってサンダーレイジを発動し、ガーディアンを一掃する。
「俺の新たな力を封じてくるとは!」
フランケンモンスターは力に身を任せて突撃するが、その戦法はフェイト相手に通じる筈も無く、フランケンモンスターはフェイトのブリッツラッシュに翻弄される。
「ぐぅっ!どこに行った!」
フランケンモンスターはフェイトの描く軌跡を頼りに予測到達地点を割だそうとするが、自身の動きの遅さが仇となり、
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。フォトンランサー・ファランクスシフト!撃ち砕け、ファイアー!」
フェイトの必殺の射撃魔法がフランケンモンスターに全弾命中し、フランケンモンスターは爆散する。
「ちっ、次から次と厄介な奴らだな!」
朱雀は火炎弾の弾幕を展開して眼魔コマンドを撃破してゆくが、ウィルオウィスプは倒される度に補充を続け、朱雀の魔力を奪ってゆく。
「どうだ朱雀!今までよくもこき使ってくれたな!これからは俺達の時代だ!」
ウィルオウィスプは光弾を放ち朱雀を攻撃する。
「さっきから言わせておけば、随分な物言いだな。この程度、ウォーミングアップにしかなっていないっての!僕がどうしてお前達に指示を出せるくらい強いのか、その目で見ておくんだな!」
朱雀はそう言うと大量の火の玉を出現させて自分にぶつける。
「なんだ!最後は潔く自滅ってか!」
ウィルオウィスプはケラケラと笑う。
「流石は強い奴の腰巾着。状況が解っていないみたいだな。」
しかしウィルオウィスプの目の前には全ての傷を癒し、万全の状態の朱雀がいた。
「おい!どういうことだ!」
ウィルオウィスプは慌てる。
「悪いな。僕は炎を浴びれば全ての傷と消費した魔力を回復出来るんだ。当然、僕自身の炎でも!」
朱雀は体に炎を纏う。
「おい!なんだよそれ!冗談だと言ってくれ!」
ウィルオウィスプは更に眼魔コマンドを召喚する。
「手遅れだ。僕を愚弄した罪、その命で償え!」
朱雀は炎を纏ったままウィルオウィスプに突撃する。
「お前達、俺を守れ!」
ウィルオウィスプは眼魔コマンドを盾にするが、
「その程度、全て燃やし尽くしてやる!」
朱雀は眼魔コマンドを蹴散らしても尚その炎は消えること無く、ウィルオウィスプを消し炭に変える。
「ふん。愚か者が。」
朱雀はゴルゴンの加勢に向かう。
「ちっ、こいつら、俺の動きを遅くしてきやがる!」
一方ビーストはプレーンロイミュードの発する重加速に苦戦していた。
「仁藤さん、私に任せてください!ソニックフォーム!」
フェイトはソニックフォームにバリアジャケットを換装し、重加速を超える速度で動く。
「撃ち抜け、轟雷!」
[plasma smasher!]
フェイトはプラズマスマッシャーを放ちプレーンロイミュードを一掃。効果の発動者が消失したことで重加速は解除され、ビーストはトレントに跳びかかる。
「さっきはよくもやってくれたな!」
ビーストはビーストハイパーにパワーアップし、ミラージュマグナムをゼロ距離で打ち続ける。
「さあ、メインディッシュだ!」
“シックス!ハーイパー!セイバーストライク!”
ビーストハイパーはハイパーウィザードリングをダイスサーベルにセットしファルコン、バッファロー、カメレオン、ドルフィンを6体ずつ召喚し、トレントに総攻撃を仕掛け、トレントは為す術も無く撃破され、ビーストキマイラの食料となる。
「ハッハッハ!我が剣技の前ではお前の蛇などただのトカゲとかわらぬ!さあやれ、バグスターウイルス達よ!」
武士のような衣装を纏ったバグスターウイルス達はゴルゴンを攻撃しようとするが、
「ウイルスなら、熱に弱いよな!」
加勢に来た朱雀はバグスターウイルス達を焼き払い一掃する。
「自慢の剣技とやらも、これで終わりだな!」
朱雀は大剣を使ってベルゼビュートの剣を粉砕する。
「我が命をよくも!」
ベルゼビュートは空へ逃げようとするが、
「さっきはよくも私の蛇をトカゲ呼ばわりしてくれたわね。さっさとくたばれ!」
ゴルゴンは頭部に集まる無数の蛇でベルゼビュートを睨むとベルゼビュートは石化し、飛行が行えずに落下し、その衝撃で砕け散る。
「散々邪魔されたが、これでフィナーレだ!」
“ファイナルタ~イム!ドラゴンフォーメーション!”
ウィザードは全てドラゴン形態を召喚し、連携攻撃で初級インベスを殲滅するとグラビティによってブギーマンの動きを封じ、サンダーを発動して電撃でダメージを与え、ランドドラゴンのドラゴクローとウォータードラゴンのドラゴテールがブギーマンに襲いかかり、フレイムドラゴンのドラゴスカルから放たれるドラゴンフレイムによってブギーマンを完全に撃破する。
「あいつら、よりにもよって魔女から力をもらうなんて。」
「一刻も早く願いの魔女を見つけ、撃破しましょう。」
スザクの言葉にフェイトは応える。
「それさえ倒せば、私達の共闘も終わりだしね。」
サナも疲れた声で言う。事件は、大きく動き初めていた。
to be continued.

次回、仮面ライダーディロード
「魔法少女になっていないくせに。」
「このままだと貴女は破滅するわ。」
「こうしていりゃあ、その変な術も使えないんだろう。」
「やっぱり、あいつの言うとおりだった。」
「実に興味深いデータがとれる。」
次回『君はまだ信じられるのか?』 
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