八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百八十五話 色鉛筆その十一
「それでもね」
「無頼な暮らしはするものじゃないかも」
「それも極端だと」
坂口安吾の様にだ。
「それこそ」
「後できたりするのね」
「その時はよくてもね」
無頼で何時死んでもいいと思っていてもだ。
「後でどういう考えになるかわからないし」
「人の考えって変わるわね」
「だからね」
それでだ。
「無頼でもね」
「あまり極端だと」
「よくないよ、しかし坂口安吾は」
あらためてこの人について思った。
「批判する人も多いね」
「そうした生き方だったから」
「作風もそうだったから」
堕落論にしてもだ。
「どうしてもね」
「批判する人多いのね」
「太宰以上にね」
太宰も批判する人が多いけれどだ。
「そうした人だね」
「どうしてもなのね」
「うん、ただ終戦直後から」
その太宰や坂口安吾が無頼派と呼ばれた頃からだ。
「アメリカの文化が本格的に入ったね」
「進駐軍が入って」
「それでね」
「クリスマスもよね」
「定着したよ」
「戦前にも入っていたわよね」
「知る人ぞ知るだったよ」
戦前のクリスマスはだ。
「軍隊でも意識されていなかったよ」
「そうだったのね」
「それが終戦からね」
「定着して」
「それでね」
「今じゃこうしたものね」
「日本で完全に定着して」
そうしてだ。
「皆ケーキ食べてローストチキン食べて」
「赤ワイン飲むのね」
「うん、それでデートして」
「それもあるわね」
「そうした日になったよ」
サンタとツリーとイルミネーションの中をだ。
「そうなったよ」
「完全に定着したわね」
「それで日本独自のクリスマスになったね」
もう完全にだ。
「そうなったよ」
「そうよね」
「他の国こんな感じじゃないからね」
「お祭りでもね」
「こんな賑やかな」
女の子と遊ぶ様なだ。
「そんな日になったのはね」
「日本独自ね」
「そもそも常に思うけれど」
クリスマスについてだ。
「イエス=キリストの生誕を祝う日なのに」
「それ殆ど忘れられてるわよね」
「日本だとね」
どうしてもだ。
「いないね」
「そうよね」
「実際に殆どね」
「意識してなくて」
「だってキリスト教徒殆どいないから」
このことが第一にある。
「日本には」
「義和も違うしね。私もね」
「キリスト教徒じゃないね」
「ええ、仏教徒で」
それでというのだ。
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