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新オズのつぎはぎ娘

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第五幕その五

「シカゴにいるから」
「シカゴは湖と川の港町だから」
 ドロシーがそのシカゴのお話をしました。
「こうした大平原とはね」
「あまり縁がなくて」
「それでよね」
「見たことはありますが」 
 それでもというのです。
「詳しく、長い間いたことはないです」
「私はカンサスでしょ」
「ずっと大平原の中で住んでおられましたね」
「ええ、おじさんとおばさんとトトとね」
 そのトトを見ます、見ればトトも小さくなってそうしてドロシーの足元を皆と一緒にとことこ歩いています。
「暮らしていたわ」
「そうでしたね」
「だからこうした場所のこともね」
「ご存知ですね」
「プレーリードッグもね」
「見てきたんですね」
「そうだったの、ただね」
 さらにお話するのでした。
「巣に入ったことはね」
「はじめてでしたか」
「オズの国に来てもね」
「そうだったんですね」
「何時かはと思っていたけれど」
 それでもというのです。
「中に入ってね」
「それで、ですね」
「今中をこうして案内してもらって観て」
 そうしていてというのです。
「凄く楽しいわ」
「そうなんですね」
「本当にね、これはね」
「凄くいいですね」
「ええ、ではね」 
 それならとです、また言ってでした。
 ドロシーも巣の中を巡りました。その途中沢山のプレーリードッグ達とも会いました。そして中にはです。
 兎達も多くいました、その兎達を見てです。 
 つぎはぎ娘はボブにどうしてかと尋ねました。
「どうして兎もいるの?」
「あっ、この巣は兎さん達の巣ともつながっていてね」
「それでなの」
「実質一緒に暮らしているんだ」
「そうなのね」
「兎さん達も僕達と同じだけいるよ」 
 ボブは兎達の数のお話もしました。
「彼等もね」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
 そうしてというのです。
「皆で仲良くね」
「暮らしているのね」
「そうなんだ」
「そうなのね」
「種類は違うけれど」
 生きもののそれはというのです。
「それでもね」
「仲良くなのね」
「そうしているよ」
「オズの国ってことね」
「そう、同じお部屋で寝ることもあるし」
 ボブはさらにお話しました。
「一緒にお外で食べることもね」
「あるのね」
「そうなんだ」
「本当に仲いいのね」
「うん、同じ草食動物で穴の中で暮らしていて」
「同じ場所に住んでいるから」
「だからね」
 それでというのです。
「僕達は仲がいいんだ」
「そうなのね」
「そうだよ、だから彼等とも仲良くしてね」
「あたしは誰とでも仲良くするわよ」
 つぎはぎ娘はボブに答えました。 
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