夢幻水滸伝
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第百四十八話 蝦夷へその七
「将兵が最強やと思うが」
「それでもやな」
「如何せん数が少ない」
「六十万しかおらんからな」
「常にこのことからはじまってるが」
「今回もやな」
「そや、この数の少なさをや」
日本の常の問題になっているこのことをというのだ。
「どうするか」
「それが最大の課題やな」
「それでや」
「今回も奇襲を仕掛けるんやな」
「そや」
まさにというのだ。
「最初はそうしてな」
「そのうえでやな」
「機先を制する」
「まずはそこからやな」
「これが相手より数が多かったらええ」
「奇襲を仕掛けんでもやな」
「充分機先を制することが出来る」
戦で先に仕掛けそこから主導権を握ることが出来るというのだ。
「それが出来る、けどな」
「それがやな」
「数が少ないとな」
「そうもいかんな」
「それでや」
「今回もやな」
「奇襲は仕掛ける」
芥川は言い切った。
「そうするで」
「もうそれはお約束やな」
「日本にとってそうなってるな」
「ほんまにな、しかしな」
中里は芥川の話をここまで聞いて彼に問うた。
「これまで奇襲は色々やってきたな」
「これまでの戦でな」
「台風使ったり海から後ろに回り込んだり敵が総攻撃に入るその瞬間に逆に攻撃浴びせたり」
「そうしてきたな」
「今度はどうするんや」
「これまでとはちゃう奇襲でいくわ」
芥川は腕を組んで笑って述べた。
「まさにな」
「というと」
「一番ありきたりな奇襲や」
「ありきたりか」
「それはな」
ここでだった、芥川は。
日本の星の者達に自分が今考えている奇襲のことを話した、中里はその話を聞き終えてから言った。
「確かにな」
「ありきたりやな」
「奇襲の中ではな」
「そやな、けどな」
「ありきたりなだけにやな」
「それで仕掛けて来るってな」
「相手が考えるかやな」
「これまで僕等は手の込んだことをしてきた」
そうした奇襲を仕掛けてきたというのだ。
「そうしてきたな」
「けどやな」
「今回はあえてな」
「そうしたやな」
「ありきたりな奇襲を仕掛けてな」
そうしてというのだ。
「相手の意表を衝くつもりや」
「成程な」
「そうして機先を制するで」
「そうするな」
「この策は実はこれまで温めてたけどな」
それでもとだ、芥川は話した。
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