夢幻水滸伝
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第百四十八話 蝦夷へその五
「碧ちゃんの相手をすると言ったが」
「そのことか」
「あの娘婿探してるさかいな」
「自分声かけられたな」
「何度かな」
「僕もや」
中里もどうかという顔で述べた。
「ほんまに何度かな」
「そやろ、多分一騎打ちの時もな」
「誘いかけられるか」
「それがどうもな」
「あの娘肉食系やからな」
「貞操観念はめっちゃ強いけどな」
「ついでに言うと経験ないんやろ」
つまり処女だとだ、中里は碧のことをさらに話した。
「そやろ」
「そやけどめっちゃ男好きやからな」
「それでやな」
「また婿になれとか言われるな」
「そのことか」
「そんな話は大学卒業してな」
そしてとだ、中里は述べた。
「就職してからにしたいが」
「高校生でそれはやな」
「正直考えられんからな」
「婚約って言われてもな」
「それでもな」
どうにもという感情が言葉にも出ていた。
「難儀やわ」
「何であそこまで婿探しに必死か」
「それだけやないやろ」
「ああ、夜がどうとかってな」
「めっちゃ赤裸々に言ってくるしな」
「それも困るな」
「上とか下とか後ろとか立ってとかな」
そうした話をすることも話すのだった。
「前は駅弁とかも言うてたな」
「あとお口とか後ろは後ろでもな」
「その話は止めとこな」
綾乃がここで二人を話をやんわりと中断させにかかった。
「幾ら何でも」
「そやな、こうしたことはこうしたところ言うもんやないわ」
「ほんまやな」
中里も芥川も綾乃のその言葉に頷いた。
「もう止めるか」
「この話はな」
「そういうことでな、けどな」
綾乃はあらためて問うた。
「一騎打ちはそうしていくんやね」
「そや、綾乃ちゃんが玲ちゃんでな」
「中里君が小泉君で」
「僕が碧ちゃんの相手をしてな」
そうしてというのだ。
「それぞれ勝ってな」
「そのうえでやね」
「軍勢同士の戦に参加するんや」
「神星の子三人全員が」
「さもないと二十倍の兵力差の敵には勝てん」
芥川は言い切った。
「そやからや」
「そうしてやね」
「勝つんや」
そうするというのだ。
「そうするで」
「出来るだけ一騎打ちは速く終わらせてやね」
「軍勢同士の戦に向かう、けどな」
ここでだ、中里はこうも言った。
「残念やけどな」
「そう簡単にはやね」
「そや、三人共強い」
小泉、玲、碧の三人はというのだ。
「一騎打ちやと僕達にも後れを取らん」
「そうした子達やから」
「簡単には勝たせてはくれんや」
「そやろな、小泉は一人で一軍を吹き飛ばしたことがある」
中里は自分が闘う様にと言われた小泉の話をした。
「北極の他の四人も強いが」
「小泉は北極の星のモンでも別格や」
「相当な強さやな」
「そやからな」
「僕が闘ってやな」
「勝ってもらうが」
それでもというのだ。
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