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新オズのつぎはぎ娘

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第一幕その十

「その来た人達がお城の傍まで来たわね」
「あの人達は」
 その彼等を見てです、ドロシーは言いました。
「臆病ライオンと腹ペコタイガーね」
「そうだね」
 トトも彼等を見て言います。
「あの二匹が来たね」
「そうね」
「そういえば二匹共冒険に出ていたよ」 
 木挽きの馬がこのことをお話しました。
「アン王女のところまでね」
「あっ、オズマからアン王女への届けものを届けにね」
「それでね」
「都から出ていたわね」
「そうだったよ」
「アン王女の国はウィンキーにあるから」
 この国にです、まさに。
「北のギリキンとの境目の方にね」
「そう、そこにね」
「その帰りにかしら」
「こちらに寄ったのかな」
「そうかも知れないわね」
「さて、僕が迎えに行くよ」
 お城の主としてです、樵が立ちました。
「それで彼等をここに招いてね」
「そうしてなのね」
「彼等から直接お話を聞こう」
 こうドロシーに応えてでした、そうして。
 臆病ライオンと腹ペコタイガーは皆のところに来ました、そしてドロシーがどうしてここに来たかというとドロシーの予想通りでした。
 そのお話を聞いてです、つぎはぎ娘は言いました。
「ドロシーの勘と予想が当たったわね」
「今お話してくれたね」
「ええ、冒険の新たな道連れが来てね」
「そしてだね」
「あんた達がここまで来た経緯もね」
 これのこともというのです。
「当たったわ」
「そうなんだね」
「そう、それでね」
「僕達もだね」
「今回の冒険に参加するわよね」
「オズマの許可が出たらね」
 それでとです、臆病ライオンはつぎはぎ娘に答えました。
「そうさせてもらうよ」
「僕もだよ」
 腹ペコタイガーも言ってきます。
「そうさせてもらうよ」
「ドロシーとは最近一緒に冒険をしていなかったね」
 臆病ライオンはこのことについてお話しました。
「そうだったしね」
「ええ、そうね」
 その通りとです、ドロシーも臆病ライオンに答えます。
「私達は長いお付き合いだけれど」
「ドロシーが最初にオズの国に来てからだからね」
「本当に長いお付き合いなのにね」
「最近ずっと一緒じゃなかったから」
「久し振りだからね」
 臆病ライオンは期待する声で言いました。
「若し一緒に冒険出来るなら嬉しいよ」
「じゃあ貴方達のこともオズマに聞くわね」
「頼むね」
「それじゃあね」
 ドロシーは臆病ライオンに応えてでした。
 またオズマに尋ねました、その時オズマもティータイムでコーヒーを飲んでいましたがコーヒーを飲む手を止めて言いました。
「ええ、じゃあ彼等もね」
「一緒に行っていいのね」
「そうしてね、今回は大所帯での冒険ね」
「そうね、本当にね」
「その大所帯で楽しんできてね」
「そうさせてもらうわ」
「いい?ドロシー」
 電話の向こうからビリーナの声が聞こえてきました。
「今回も楽しんでくるのよ」
「あら、ビリーナもいるの」
「今都に来たのよ」
「私がいた時貴女いなかったしね」
「そう、今来てね」
 そしてというのです。
「あんたに言ってるのよ」
「そうよね」
「じゃあね」
「ええ、冒険の後は」
「楽しいお話を聞かせるのよ」
「そのことを待ってるのね」
「ここでね、主人も子供達も連れてきてるから」
 鶏の彼等をというのです。
「楽しみにしてるわよ」
「そうさせてもらうわ」
「じゃあね」
 またオズマがドロシ―に言ってきます。 
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