オズのケーキ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十二幕その三
「どれも美味しいわよ」
「そうよね」
「どのお菓子も」
「本当にね」
「美味しいよ」
「本当にね」
「全て和菓子だよ」
ここでカエルマンは種明かしをしました。
「ケーキ嬢が作ったね」
「そうだったんだ」
「じゃあ本当にね」
「ケーキ嬢の作った和菓子は美味しいんだ」
「奇麗な和菓子も」
「羊羹やお団子以外のお菓子も」
「というかだよ」
ここでラベンダー熊が言ってきました。
「目で見てもだよ」
「それでもだね」
「楽しめたよ」
こうカエルマンにお話します。
「本当に」
「そうだよね」
「私達はぬいぐるみだから食べないけれど」
それでもというのです。
「見てね」
「そしてだね」
「凄くね」
まさにというのです。
「そこから充分過ぎる程栄養が得られたよ」
「そうなのだね」
「そう、そして」
「そして?」
「君達はだね」
「そう、実際に食べてね」
そうもしてというのです。
「美味しかったよ」
「そうだったね」
「ケーキ嬢は苦手と思っているけれど」
勿論オズマも和菓子を食べました、そうしてそのうえでケーキ本人に言うのでした。
「実は違うわ」
「そうよね」
ドロシーがオズマの言葉に頷きます。
「そのことは」
「本当にそうよね」
「多分ね」
ドロシーはこうも言いました。
「ケーキ嬢が苦手というのはね」
「主観よね」
「主観でしかなくて」
それでというのです。
「私達から見ると」
「違うのよね」
「充分過ぎる程美味しいから」
「主観と客観の違いね」
「本当にそうよね」
「というか」
さらにとお話した先生でした。
「何というか」
「そこはね」
「そのことは」
「そう、本当にね」
「自分は苦手と思っていても他の人から見れば違う」
カエルマンはケーキが作った和菓子を食べつつ笑顔でお話します。
「本当にケーキ嬢はね」
「和菓子もですか」
「そう、奇麗な和菓子もね」
こちらもというのです。
「得意なのだよ」
「そうですか」
「少なくとも自信を持っていいよ」
カエルマンはケーキ本人にはっきりと言いました。
「本当にね」
「それでは」
「そしてね」
「そして?」
「もっと食べていいかな」
カエルマンは笑ってこうも言いました。
「この和菓子を」
「はい、沢山ありますので」
それでというのです。
「ですから」
「それではね」
「これからもですね」
「和菓子をどんどん頂くよ」
「和菓子もでなくて」
「おっと、そうだった」
言われてです、カエルマンは自分の言葉を笑顔で訂正しました。
ページ上へ戻る