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オズのケーキ

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第十一幕その十

「ケーキ嬢も奇麗な和菓子はね」
「苦手とですか」
「思われていますか」
「そうなのですね」
「けれど食べるとですか」
「そうすればですか」
「美味しいですか」
「そう、だからね」
 カエルマンはさらにお話しました。
「期待していいよ」
「わかりました」
「それではです」
「ケーキさんの和菓子も楽しみにしています」
「一体どんな美味しさか」
「今から楽しみです」
「是非共ね、私は嘘は言わないからね」
 カエルマンは胸を張ってこうも言いました。
「期待していてね」
「是非共。それにですよね」
 ナターシャは目をきらきらさせてカエルマンにお話しました。
「ケーキも」
「スポンジのケーキだね」
「焼いたクッキーも出るそうですが」
 それだけでなくというのです。
「スポンジのケーキも沢山出るんですよね」
「はい」 
 女王が笑顔で答えました。
「ケーキはフェアリーの大好物の一つなので」
「だからですね」
「ケーキもです」
「出ますね」
「はい、ですから」 
 それでというのです。
「楽しみにしておいて下さい」
「それでは」
「私も楽しみにしていますし」
 女王自身もというのです。
「ですから」
「スポンジのケーキも」
「そうしておいて下さい」
「それでは」
「しかしあれじゃのう」
 リンキティンク王はオズの国の国歌からフェアリーの国の国歌になりその国歌が終わり今度はオーケストラの別の曲が奏でられる中で言いました。
「ロシアという国はケーキが二つあるのじゃのう」
「昔は一つでした」
「焼くケーキか」
「それだけでした」
「そうであったか」
「クッキーみたいな感じのケーキだけでした」
 そうだったというのです。
「本当に」
「そしてそこにじゃな」
「スポンジのケーキも入って」
 そしてというのです。
「二種類のケーキがです」
「今はあるのじゃな」
「はい、そうです」
「成程のう」
「ただ、来日して」
 ナターシャはリンキティンク王にそれからのこともお話しました。
「それからはケーキは」
「スポンジのケーキだけか」
「そうなりました、オズの国でも大抵そうですね」
「スポンジのケーキじゃな」
「他の国ではケーキは全部そうですね」
 スポンジのケーキだというのです。
「そうなっていますね」
「わしもずっとケーキはな」
「スポンジのケーキですね」
「それだと思っておった」
 そうだったというのです。
「ロシア系の民がわしの国に入って来るまでな」
「そうでしたか」
「うむ、しかしじゃ」
「しかし?」
「食べてみるとそちらのケーキもな」
 ロシアのケーキもというのです。 
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