八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百八十一話 三人になってその四
「キリストもね」
「意識しない日ね」
「デートして」
これが一番大きいだろうか。
「ローストチキンとケーキ食べて」
「ワインを飲んで」
「ツリーを見る日だよ」
「あと子供にプレゼントする日ね」
「うん、サンタさんになって」
そしてサンタクロースの日でもある。
「そうした日で」
「本当に教会に行く日じゃないわね」
「聖なる夜を過ごすとか」
その教会でだ。
「そんな日じゃないよ」
「それは紛れもない事実ね」
「挙句お寺でもお祝いするから」
流石におおっぴらでないけれどだ。
「神社でもね」
「あと天理教の教会でもよね」
「うん、実はね」
これがだ。
「八条分教会でもね」
「楽しんでるのね」
「家族でね」
おおっぴらではないことは事実でもだ。
「ツリ―飾って」
「鶏肉とケーキ食べて」
「ワイン飲んでね」
「それでプレゼントね」
「そうしたことしてるよ」
「宗教が違ってもよね」
「そうしてるんだよ」
「そこは寛容でいいわね」
「寛容っていうか」
このことはだ。
「やっぱり日本ならではだよ」
「そうなるのね」
「うん、しかしね」
「しかし?」
「それでいいんじゃないかな」
僕は詩織さんに答えた、そうしつつ二人で向かい合って席に座った。そのうえでそのご飯とルーを最初から混ぜてあるカレーライスを食べはじめた。
まずはカレーの真ん中にある生卵にソースをかける、それから。
スプーンで卵とカレーを混ぜ合わせる、勿論その中にソースも入っている。それから食べる手順だ。
そのカレーを口に入れると美味しい、カレーとご飯そして卵とソースの味もあって本当にいい味だ。そのカレーを食べながら一緒に食べている詩織さんに話した。
「クリスマスは」
「そうなの」
「楽しめばね、お祭りの日はね」
クリスマスでなくてもだ。
「それでもね」
「いいのね」
「うん、神様のことを意識しなくても」
ただ遊びたくて遊ぶだけでもだ。
「それでもね」
「神様は何て思うかしら」
「それを見て喜ばない神様もね」
「器が小さいとか」
「ぞうじゃないかな、そんな器の小さい神様もね」
僕が思うにだ。
「どうかってなるよ」
「そうなるのね」
「まあこう言ったら何だけれど」
僕は宗教的に危ない話と思って小声で言った。
「お祭り楽しむだけで楽しんだことで怒るとか」
「そうした神様は器が小さいっていうのね」
「怒るところじゃないよ、むしろね」
ここはだ。
「その楽しむ姿を見て自分も楽しむ」
「それ位でないとなのね」
「駄目だよ、ギリシアの神様だったら」
「自分も出て来て楽しみそうね」
「そこで女の子に手を出しそうだけれどね」
女神だと美青年や美少年にだ、ギリシア神話は神様も人間もどうも理性がなくて感情のままに動いている気がする。
「ゼウスとか」
「それありそうね」
「けれどそんな風でないとね」
「神様は駄目なのね」
「お祭り見て怒るのは」
自分を忘れているとか言ってだ。
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