オズのケーキ
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第八幕その十
「天才とは何か」
「まず努力する人ね」
「そこからよね」
「幾ら才能があっても何もしないと」
「それでどうかなるか」
「そんな筈ないわね」
こう六人でお話するのでした。
「その何かを知って」
「勉強するなりやってみる」
「音楽も演奏して」
「それをずっとするとね」
「それも努力になるし」
「いいよね」
こうしたお話をしてでした、ケーキを見るのでした。
ケーキは今は休んでいます、ですが笑顔で皆にお話しました。
「仕込みは終わったし後はね」
「後はっていいますと」
「今日は杏仁豆腐の用意をするわ」
「今日まだするんですか」
「そうよ、そうしてね」
そのうえでというのです、ケーキはナターシャに答えました。
「他にもすることがあるわ」
「何でいいますか」
「何か?」
「ケーキさんはやっぱり努力家ですね」
ナターシャはそのケーキを見て言いました。
「本当に」
「そうかしら」
「はい、その努力あってですね」
「私はお菓子作りが上手だっていうのね」
「天才かと」
「つまり天才は」
「はい、努力して」
そしてというのです。
「そうなるものですね」
「何度も言うけれど私はね」
自分ではこう言うケーキでした。
「天才じゃないわよ」
「そう言われるんですね」
「私はね」
「天才は九十九パーセントの努力と」
それにというのです。
「一パーセントの閃きですね」
「その一パーセントの閃きは」
「九十九パーセントの努力があっても」
ナターシャはそのお話を頷きました。
「それでもです」
「一パーセントの閃きがないと」
「そう言われますけれど」
「そもそも九十九パーセントの努力ね」
「それがないと本当に」
「何もならないのね」
「まずは」
こうケーキにお話するのでした。
「一パーセントの閃きよりも」
「努力ね」
「もう閃きは」
それはといいますと。
「正直何時来るかわからないものですね」
「そういえばそうよね」
「ふとした時に来たりね」
「努力の中で閃いたり」
「寝ている時の夢とか」
恵梨香達四人も言います。
「そんな時に来るもので」
「本当に何時来るかわからないね」
「神様が授けてくれるもので」
「最初からあったりもするし」
「閃きは神様のもので」
まさにそれでというのです。
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