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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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シャドーデビル

ハンターベース

数時間後、一時の休息を取り体調が戻ったゼロとアイリスは通信室へと入ってきた。

「ゼロ、もう大丈夫なのか?」

「シャトルの衝撃はスターマンがほとんど防いでくれたからな。少し休めば疲労も取れる。」

心配するシグナスたちに対してゼロは安心させるかのように言う。

「ところで新しいウィルスというのは・・・・」

「えぇ。シグマの反乱以前のゼロの姿をしているけどウィルス自体はシグマウィルスよりも強力だわ。今はそこまで拡散していないけど発生源と思われるこのポイント11F5646の調査が必要だわ。」

アイリスの問いにエイリアは的確に答える。しかし、ゼロにはなんとなくわかっていた。

恐らくそこにシグマ・・・・・そして、自分の生みの親であるあの男が待ち構えている。

「・・・・いや、調査じゃない。」

「えっ?」

「何故だ、ゼロ。」

シグナスも含めてエイリアたちはゼロを見る。

「俺にはなんとなくわかる。あそこに強い気配・・・・・シグマの邪悪な気配を感じるんだ。」

「・・・・・ハンターとしての感か?」

「そうとも言えるし、違うともいえる。だが、俺が行かなくちゃいけないことは確かだ。」

「ゼロ・・・・・・」

覚悟を決めた目をするゼロに対してアイリスは心配そうに見る。

「俺は奴を倒しに向かう。今度こそ、息の根を止めるためにな。」

「ゼロ、流石にそれはきついんじゃねえか?最悪な場合お前までイレギュラーになっちまうかもしれねえんだぜ?」

「そうよ、せめてエックスたちが目を覚ました後でも・・・・・・・」

「時間がない。もし、エックスが目を覚ましたとしても決して俺の後を追わないよう言っておいてくれ。これは俺が落とし前を付けなくちゃならないことなんだ。」

ゼロは覚悟を決めた目で全員に言うとその場から去って行く。

「ゼロ、私も・・・・・・」

「アイリスは、ハンターベースを頼む。いくらジャイロマンたちが動けるようになったからと言って敵が襲ってこないとは言い切れないからな。」

「でも・・・・・・」

「俺は絶対に帰ってくる。心配するな。」

「・・・・・・」

ゼロはそう言うと格納庫からアディオンを発進させる。

「エックスたちによろしく言っておいてくれ。シグマは俺が倒すと。」

「・・・・・・」

ゼロは後ろから心配そうに見守るアイリスを背にしてマシンを走らせる。



「・・・・・・すまない、アイリス。これだけは、俺自身で片付けなくちゃいけないんだ。俺自身も含めて。」




























零空間

ゼロは一人、アディオンを荒野へと走らせる。目的地に近づいてくるにしたがって探知機からはウィルス汚染の警報が鳴りだし、同時に自分の身体が力が漲り始める。

「・・・・・さて、シグマを倒すまで“俺”が保っていればいいが・・・・・・」

目的地に着くとそこには巨大な穴が開いていた。

「底が見えないな・・・・・・まさに地獄への入り口とでもいうべきところだな。」

ゼロは一時的に復活したバスターを展開してみる。相変わらず単発なものの威力はチャージショット並みに上昇している。

「・・・・・じゃあ、行くとするか。俺の最後の戦いに・・・・・・・」

ゼロは穴に向かってダイビングしていく。






しばらくすると床に着地し、目の前にはまるでノイズのかかったテレビのような空間が広がっている。

「ここにシグマが・・・・・・」

ゼロは奥へと進むべく下へ下へと降り始める。

「ん!?」

落下中にゼロの真上を巨大なビームが通り過ぎて行った。それだけならまだしも次々とビームが飛んでくる。

「トラップか!」

ゼロはエアダッシュをしながら移動速度を速める。 落下に合わせる様に次々と放たれるビームの嵐は、徐々に照準を正確にしていく。

「くっ!アイリスを連れてこなくて正解だったな・・・・こんなビームまともに受けたらお陀仏だ。ダークホールド!!」

ゼロはネクロバットから習得した技で一時的に時間を停止させる。

効力自体はエックスが使用したタイムストッパーとさほど変わらないがエネルギー消費は事前にダグラスから受け取っていた強化パーツ「エナジーセーバー」を装備して最小限に抑えているため、長く止めることができる。

エネルギーが切れる前にゼロは下へと急いで下って行く。























しばらく奥へ行くとノイズの中に奇妙なものが浮かんだ広間に着いた。僅かながら「W」と読めるのがわかる。ゼロが入った瞬間に入り口が塞がれ、目の前に巨大な目玉を持つ黒い巨人 シャドーデビルが待ち構えていた。

「最初の関門という事か。いいだろう、さっさと片づけてやる。」

「WWWWWW!WWWW!」

シャドーデビルはゼロを確認すると分裂し、襲い掛かってくる。ゼロは飛んでくるブロック状の物体を避けながらシャドーデビルが立っていた方へと移動する。

「お前の戦闘はドラえもんから教えてもらった。胴体に出てくる目が弱点だってな!」

一通りブロック状の物体が飛び終わるとボディを形成したと同時にゼロは胴体に向かって攻撃をする。

「喰らえ!電刃!!」

電気を帯びたセイバーの刃がシャドーデビルに食い込む。しかし、切り裂かれた部位には目がなかった。

「何!?目がない!?・・・・ハッ!」

ゼロが気付いた時には目はシャドーデビルに足元から姿を現し、光弾を近距離から撃つ。避ける暇もなくゼロは数段の光弾を受けて吹き飛ばされる。

「くっ!あのジジイ、改良を加えていたのか!」

「WW!」

起き上がると同時にブロックがゼロに向かって飛んでくる。ダメージの回復の隙も与えずシャドーデビルはゼロを追い込む。

「こんなところで俺は倒れるわけにはいかないんだ!」

「WWWW!」

シャドーデビルは一回ドロドロになると姿を変え、ドクロの形状をしたプレス機のようなものへと変化する。

「WWWWW!」

シャドーデビルは移動しながら下にとげを大量に出してゼロを圧し潰そうとする。ゼロは瞬時に背後の回り込むと頂点に現れた目玉に斬りつける。

「WW!?」

「どうやらその姿の時は出てくる位置が固定されるようだな。」

ゼロはプレス機の形状のうちに何度もコアである目を攻撃する。連続のダメージでシャドーデビルは再び液体状に戻り、元の姿へと戻る。ちょっと泣いているが。

「WWW・・・・・・・WWWW!」

「痛いか?残念だがお前に構ってやれるほど時間がないんだ。嫌ならそこを退け!」

「GAAAAAAAA!!」

「うっ!?」

ゼロは一瞬何が起こったのかわからなかった。

シャドーデビルが咆哮を上げたかと思いきや腕だけを切り離して自分に向かって飛ばしてきたのだ。ゼロが避けようとすると腕はガッチリとゼロの身体を捕らえて壁に激突する。

「くう・・・・・・・・」

「WWWWW!!」

シャドーデビルはノシノシ歩いて来てゼロを掴み上げると壁に殴りつける。

「ガッ!」

「WWWW!」

「ブッ!」

「WW!」

「ガハッ!」

「W!」

ゼロが潰される勢いでシャドーデビルは何度も壁に打ち付ける。いくらウィルスで強化されつつあるとはいえ、今のゼロの再生力はそれほど高くない。よって、シャドーデビルが壁に叩きつけるたびにダメージは一気に加算されて行く。

「W!」

「グッ!」

二十回以上叩きつけられた末、ゼロは天井に投げ飛ばされた。壁にぶつかり床に落ちるとゼロは何とか起き上がるが視界不良に陥った。

「目が・・・・・目がよく見えん・・・・・・・」

霞んだ視界でゼロは次々とシャドーデビルの分裂攻撃を受ける。視界自体はウィルスを吸収することによって回復できるが時間がかかる。

「・・・ダメだ。周囲のウィルスに邪魔されて奴の動きが読めない・・・・・」

「WWWWW!」

勝ち誇ったかのようにシャドーデビルは体でドラミングする。そして、ボディから巨大な黒いブロックを作り出し、ゼロに向かって放り投げる。

「うぅ・・・・・・・、滅閃光!」

ゼロは、見えないなりに範囲攻撃でブロックを破壊する。同時にシャドーデビルは飛び上がり、うまく身動きが取れないゼロにのしかかろうとする。

「奴の動きが感じられない!?目がまだ直っていないって時に。どこに・・・・・・・」

「WW~!!」

シャドーデビルは、プレス機へと姿を変えてゼロに襲い掛かる。

























「ゼロ、危ない!」

「!?」

聞き覚えのある声と同時にゼロは何かに押されてシャドーデビルの攻撃を避けることができた。

「WWW!?」

元の形に戻って自分の下に何もないことを知ってシャドーデビルは驚く。

「ゼロ大丈夫?」

視界が回復したと同時にゼロは声の正体を見る。そこにはハンターベースに残るように言っておいたアイリスがいた。

「アイリス!?なんでこんな・・・・・」

「話は後、今はあれを何とかしないと。」

「GAAAAAAAA!!」

獲物を取られたと思っているのかシャドーデビルは体からパーツを飛ばして二人に攻撃を始める。

「もう、あんなものに当たったんじゃたまったもんじゃない。アイリス、俺と動きを合わせてくれ。」

「わかったわ。」

二人は左右に分かれてシャドーデビルの気を逸らす。

「WWW?」

シャドーデビルは二人に向かって攻撃するものの元々一対一を前提にされて作られているのか同時攻撃には適応していない様だった。

「WWWW!?WWWW!」

「双幻夢!」

「ハイパーチャージブラスター!」

ゼロの発した分身との同時攻撃に戸惑っている内にアイリスのバスターが急所の目玉に命中。シャドーデビルは目を抑えて苦しみだす。

「WWWW!WWWW~!!」

「今だ!!」

ゼロはシャドーデビルの目の前までダッシュし、目に向かって拳を打ち付ける。

「アースクラッシュ!!」

「WWW!?」

腕から発せられた衝撃波により、コアが吹き飛ばされると同時にシャドーデビルの身体は爆散する。周囲に飛び散った破片はドロドロに溶けるかのようにして消えて行った。

「・・・・・・」

ゼロはシャドーデビルが完全に倒れたことを確認するとアイリスの方を見る。

「ゼロ・・・・・」

「アイリス、一体どういうつもりだ?ハンターベースを頼んだと言っておいたはずだぞ。」

「・・・・・・ごめんなさい。でも、貴方のことが心配で・・・・・・・」

「ハンターベースの方にいつ敵が来るかわからないんだ。今からでも遅くはない、簡易転送装置で・・・・・」

「ゼロはシグマ諸共死ぬつもりなんでしょ。」

「!?」

自分を心配して言うゼロに対してアイリスは驚愕の一言を言う。

「何故そんなことを言うんだ?」

「誤魔化さないで。ゼロだって薄々感じていたんでしょ?シグマがイレギュラーになった原因、ライト博士が言っていた貴方の生みの親Dr.ワイリーの執念・・・・・・・自分が存在し続ける限り戦いが終わらないって。」

「・・・・・パートナー回路を通じて分かったのか?」

「ううん、貴方がそういう目をしていたからよ。あの時から一緒にいたんだからそれぐらいわかるわ。」

「・・・・・・・気づかないうちに誤魔化しが通用しないほど強くなったんだな、お前は。」

ゼロは、否定するわけでもなくすんなりと認めた。

「確かにシグマがイレギュラーになった原因もエックスが戦い続けねばならない理由も俺にあるのではないかと考えていたさ。だが、イレギュラーなんてものはVAVAみたいに生まれついての存在だって存在する。だから、俺が消えたところで戦いは終わらない。」

「じゃあ、どうして・・・・・・・」

「シグマがイレギュラー以上の脅威になるかもしれないからだ。現にシグマは何度も蘇って強さを増していっている。俺たちが倒しても何度も蘇り、そのたびに倒される・・・・・・・・血を吐きながら続けるマラソンみたいにな。だが、俺はシグマにもエックスにもこれ以上俺のマラソンを付き合わせたくないんだ。」

「ゼロ・・・・・・」

「言い訳にしか聞こえないかもしれないな。お前も俺のせいで危険な存在になるかもしれない。だから、俺から離れた方がこれから先の未来で幸せに過ごせるんじゃないか・・・・・・」

「違う。」

「ん?」

ゼロの言葉をアイリスが遮った。アイリスはまっすぐな目でゼロを見る。

「私は、貴方と一緒に生きていくと決めたからここまで一緒に戦ってこれたの。貴方に守られてばかりでなくて私も貴方を守りたいって。貴方が死んでシグマとの戦いが終わって平和になったとしても私に残るのは、あなた一人を死なせてしまったという後悔しか残らない。それをずっと引き攣ったまま生き続ける・・・・・・・」

「アイリス・・・・・・」

「・・・・・・私はそんな未来望まない。レプリロイドと人間・・・・・ゼロも幸せに暮らしていける未来であってほしいの。」

「・・・・・」

「だから、一緒に行きましょう。一緒にシグマを倒して・・・・・・決着を付けましょう。ゼロの呪いを解くために。」

アイリスは、抱きしめながらゼロに言う。ゼロは、突き放すことなく受け入れた。

「・・・・・・・・気が早すぎたようだな。俺がお前を先に残して死んだら向こうでカーネルに二度殺されそうだ。すまなかったな。」

「・・・・・ゼロ。」

ゼロとアイリスは、お互いに覚悟を決めると奥へと足を進めていく。


全てを終わらせる。

シグマの度重なる戦いのピリオド。

創造主にかけられた呪縛。

これから仲間たちと共に生きていく未来のために・・・・・・

























???

『・・・・・・・イエローデビルシステムがやられたか。』

別の場所でゼロの姿を見ながら人影は言う。

『ウィルスの汚染度から考えても既にゼロは覚醒してもおかしくないんはずじゃが・・・・・あの小娘のおかげか?それともゼロ自身が創造主であるこのワシすら知らぬ何かを秘めているというのか・・・・・・・』

人影はそう思いながらも次の防衛システムを起動させる。

『だが、まだこれからじゃ。お前は飽くまで奴を倒すための存在・・・・・・どうあがこうと戦う運命にあるのじゃ・・・・・・そう決めたはずなんじゃ・・・・・・なのに何故・・・・』





























ハンターベース 治療室

「う~ん~!!」

「ドラ?」

『ワオォン?』

ベッドから起きて体を動かすマーティを見ながらミニドラとラッシュは不思議そうに見ていた。

「稼働範囲も問題なし。痛みも無し。武器の方もメンテは終わってる・・・・・・」

マーティはバスターショット、パイルバンカー、シールドブーメラン、専用の槍を持つとまだ眠っているエックスを見る。

「・・・・さっさとエイリアたちの方に行って情報を聞かないと。ゼロとアイリスでも苦戦しそうだし。」

アイリスは、そう言うとエックスに口づけをする。

「行ってくるね、エックス。後はアタシたちで何とかするから。」

そう行ってマーティは治療室を後にしようとする。

「・・・・ん?」

その直後自分の手を何かが握っていることに気がついた。ミニドラかと思って下を見てみたがミニドラは既に入口の方で逆立ちして遊んでいた。

「えっ?」

マーティは後ろを振り向いてエックスの方を見る。見てみると今まで閉じていたエックスの目が開き始めていた。

「!?」

「・・・・・・ま、マ・・・・・ティ・・・?」

エックスは目覚めたばかりでありながらも体を起こそうとする。

「状況は・・・・?・・・・シャトルは・・・・・・・・君は大丈夫・・・・・」

「エックス~!!!!!」

「わあっ!?」

マーティは大泣きしながらエックスに飛びつく。

「な、な、なんなんだ!?一体どうしたんだ!?」

「ヨガッダァ!!ボンドウニ、ヨガッダァアアアアア!!!」

エックスを抱きしめながらマーティは涙が止まらずに顔をくしゃくしゃにしながら泣き叫ぶ。

「ドラララ・・・・・・・・」

「ミニドラ、一体何がどうなっているんだ?」

「ド、ド、ド・・・ドラ?」

ミニドラに助けを求めようにもミニドラ自身も説明できないためしばらく泣く嫁に困惑するエックスであった。
 
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