| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのケーキ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八幕その六

「私達は参加することになって」
「それでか」
「ここにいるの」
 こうラゲドーにお話しました。
「そういうことなの」
「ふむ、わかった」
 ラゲドーは闊達な笑顔で応えました。
「よいパーティーになることを願わさせてもらう」
「そうしてくれるのね」
「心から」
 こう王女に答えるのでした。
「そうさせてもらおう」
「では受けさせてもらうわね」
「そうしてくれるか」
「私達もね」
「ではな。それではわしはこれからもな」
「旅を続けるのね」
「気の赴くままな、食べものはな」
「旅の途中で幾らでも手に入るから」
「それでじゃ」
 その為にというのです。
「好きなものを食べておる」
「そのことも何よりね」
「うむ、お弁当の木に果物の木に」
「お菓子の木にね」
「色々あるからのう」
 だからだというのです。
「そうしたものも楽しみながらな」
「旅を続けていくのね」
「そうしていく」
 是非にというのでした。
「これからもな」
「それじゃあね」
「うむ、縁があったらまた会おう」
 最後にこう言ってでした、そのうえで。
 ラゲドーは王女達と別れてそのうえでご自身の旅を再開しました、そのラゲドーを見送ってそうしてでした。
 門番さんは唸ったお顔で言いました。
「いや、まさか」
「驚いたでしょ」
「ええ、本当に」
 こう王女に返します。
「まさかあのラゲドー王が」
「ああしてっていうのね」
「穏やかになっているとは」
「悪いところがないでしょ」
「はい、全く」
 まさにというのです。
「オズの国の人です」
「その通りね」
「あそこまで変わるなんて」
「ラゲドー王、もう王様ではないけれど」
「邪悪さが消えて」
 オズの国を散々脅かしてきたそれがというのです。
「本当に」
「陽気で闊達でね」
「いい人でしたね」
「そうなったことはね」
 本当にというのです。
「あの人も色々あったから」
「そうでしたね、悪い心が消える様なことが」
「獣達と攻めてきた時にね」 
 まさにその時にというのです。
「最後にそれが消えて」
「オズの国の住人になったんですね」
「そう、それでね」
「今はああしてですね」
「オズの国の住人ですか」
「そうなったのよ」
 本当にというのです。
「これからはね」
「そうですか」
「そう、そして」
 それにというのでした。
「ああして時々ね」
「旅をですか」
「していてね」
「我々と会うこともありますか」
「そうよ、それと」
 さらにと言う王女でした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧