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ドリトル先生の野球

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第八幕その四

「頑張ってるね」
「そうだね」
「もう何周走ってるのかな」
「かなり走ってるみたいだけれど」
「もう二十キロ近く走ってます」
 丁度近くにいた陸上部の人が先生にお話してきました。
「彼は」
「二十キロ近くもなんだ」
「彼は毎日二十キロ走って素振り千回しています」
「その二つが日課なんだ」
「勿論準備体操やストレッチも欠かしていませんが」
 こうしたこともというのです。
「さもないと怪我しますから」
「身体はほぐさないとね」
「はい、ですが」
「メインはだね」
「二十キロのランニングと」
 それにというのです。
「千回の素振りです」
「それだけでもかなりだね」
「そこにキャッチャーとしての練習もしてますから」
「それでだね」
「今度ドラフトにも指名される程になっていますね」
「そうですね」
「そう思います」
 こう先生にお話してその人も準備体操の後で走りだしました、先生達はその彼を今も見ていますがここでチープサイドの家族が言いました。
「凄いね、二十キロ走るなんて」
「それも毎日だなんてね」
「それだけでも凄いよ」
「普通の人には絶対に無理だな」
「そこにさらに素振り千回とか」
 老馬もこう言います。
「びっくりだよ」
「そしてそこから他の練習もする」
 ガブガブは唸る様に言いました。
「物凄く努力してるわね」
「それだけでも頭が下がるよ」
 ホワイティの今の言葉は素直な感嘆でした。
「本当にね」
「普通の人には絶対に無理だよ」
「そこまでの努力なんて」
 オシツオサレツも二つの頭で感嘆の言葉を出します。
「だから凄くなれるにしても」
「普通一日でも難しいよ」
「毎日出来るからこそ今がある?」 
 こう言ったのはダブダブでした。
「そこまで努力する人だから」
「やっぱり先生の言う通りなのね」 
 ポリネシアは先生を見ています。
「まずは努力」
「その努力が素晴らしい結果を産む、だね」
 ジップも先生を見ています。
「スポーツでも運動でもね」
「そう考えたら」
 どうかとです、トートーは言いました。
「あの人も毎日頑張ってそれが実っているんだね」
「いや、ここに来てよかったよ」
 しみじみとした口調で、です。チーチーは述べました。
「本当にね」
「僕もそう思うよ、僕も努力しないとね」
 先生ご自身もというのです。
「学問について」
「先生は学者さんだからね」
「お医者さん、医学博士でね」
「そして色々な博士号を持っているし」
「いつも論文書いてるから」
「これからもだね」
「学問に励んでいきましょうね」 
 動物の皆は先生に言いました。
「これからも」
「そしてそのうえでね」
「もっともっといい学者さんになろうね」
「先生は人の進歩には際限がないって言うし」
「それならね」
「うん、今も論文を書いているし」
 実際に今も学者さんとして励んでいるのです。 
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