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ヘタリア学園

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第四百七十話  ペストの怖さ

第四百七十話  ペストの怖さ
 欧州を何度も席巻してその度に恐怖のどん底に陥れてきたペスト。けれど日本はそんなペストのことを全く知らないのです。
「そのペストというのはそんなに怖かったのですか」
「思い出したくもないな」
「俺も」
 ドイツもイタリアもペストと聞いただけで顔を真っ青にさせています。
「あれはな。身体のあちこちに斑点ができてな」
「動くのも辛くなるまでに痛くなるんだよ」
 こう日本に話します。
「そしてだ。最後は身体が真っ黒になってだ」
「もう終わりなんだよ。それで」
「とにかく恐ろしい病気なのですね」
「日本は知らないのか」
「私の家では流行ったことがないので」
 だから知らないのです。
「どういったものか。しかし当時の欧州の事情を見てみますと」
「どうなんだ?」
「道の端に排泄物やゴミを捨てていたのですよね」
「そうだよ」
「それはそんなことをしたら」
「その時は知らなかったんだ」
 だからこそなのでした。当時の欧州といえばそれこそ壮絶な状況だったのです。日本から見れば卒倒するまでに。
「全くな」
「それでだったんですか」
「流石に今はないよ」
 当然です。
「流石にね」
 だから今はペストも流行らないのです。世の中には日本も知らなかった病気が一杯あるのでした。


第四百七十話   完


                           2008・11・22
 
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