夢幻水滸伝
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第百四十三話 近代兵器に対してその十四
「素晴らしい戦力となってくれます」
「確かにな、その攻撃はだ」
ミサイルと鋏それにビームのそれはというのだ。
「かなりのものだ」
「はい、この巨体ですし」
「動くだけでもな」
「八本の足を使えば」
蟹のそれをというのだ。
「相当な破壊力があります」
「全くだな、だが」
「それでもですか」
「私は倒す」
「ウルリクルミとですね」
「貴殿もな」
ボーム、彼自身もというのだ。
「倒す」
「やはりそうなりますね」
「そうだな、では闘いを続けるか」
「はい、ですがわたくし自身は」
ボームはここで自分のことも話した。
「ご存知とは思いますが」
「科学者という職業からな」
「戦闘は得意ではないです」
そうだというのだ。
「どうしても」
「そうだな」
「若しこのアルキメデスの鏡と」
左手に持つそれを手にして言うのだった。
「そしてです」
「ウルリクルミもだな」
「特にこれがないと」
今は巨大な蟹の姿であるそのロボットもいうのだ。
「確かな戦力にはならないです」
「そう言うか」
「貴方と闘うことも」
このこともというのだ。
「出来る筈がありません」
「そう言うか」
「はい、しかし」
「それでもか」
「私にはこのウルリクルミがいてくれるので」
今話しているこの神具がというのだ。
「闘えます」
「私ともだな」
「そうなります、この神具は自分の意志と知能を持っています」
このこともあるというのだ。
「私の意志も読み取ってくれますし」
「それも強さの秘訣だな」
「そうです、この神具に勝つことは難しいとです」
「今私に言うな」
「左様です、では闘いましょう」
「うむ、相手にとって不足はない」
日毬は倶利伽羅丸だけでなく波泳ぎ兼光も出した、そして。
もう一本、和泉守も出した。こちらの神具である刀はだった。
念力で動かす、そうして言うのだった。
「三本の刀で闘う」
「三本の刀を同時に使われるとは」
「星の者の中でも私にしか出来ないな」
「そうですね、しかし」
「何だ」
「一つの手に二つの刀は持たれないのですね」
「それは出来るが」
左手の兼光でウルリクルミが放ったミサイル達を何でもないといった様に切り払いつつだった、日毬は言った。
「まともに使えない」
「だからですか」
「それはしない」
絶対にという言葉だった。
「私はな」
「そうなのですね」
「そしてだ」
日毬はさらに言った。
「私は神具だけではない」
「そうですね、先程の気の刃も」
ウルリクルミは防いでくれた、だがそれでもというのだ。
「並の剣術では出せないです」
「そう言ってくれるか」
「事実を、その剣術もあるからですね」
「私は簡単には負けない」
こう言うのだった。
「そのことは言っておく」
「承知しております、では」
「参る」
日毬はこの言葉と共に突っ込んだ、そうして本格的な闘いに入った。
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