鬼の手をもつ男(GS美神の二次)
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2話 鬼の手をコントロール出来るようになろう!じゃないと死ぬよ!!
前回、鬼の封印に成功した俺だったが、なんと!鬼が封じられたのは
巻物ではなく俺の左手だったのだ!!
マジでどーすんの!!?
2話 鬼の手をコントロール出来るようになろう!じゃないと死ぬよ!!
「ふざけんな!!糞巻物が!!俺の左手どーしてくれんだよ!!返せ!今すぐ
俺の左手を返せーー!!」
『バカモン!左手がなんじゃ、封印が解けて鬼に殺されるより、はるかにマシじゃ
ろうが!!』
「もー許さん!!今すぐ、燃やして灰にするぞコンチキショーーー!!」
巻物を握り締めて全速力で自宅の台所に直行する。
丸焼きじゃーーー!!
『バカモノ!ワシを燃やせばお主も不味い事になるんじゃぞ!!』
「へ?」
今まさに台所のガスコンロに火をつけようとした瞬間ジジイの言葉に体が
固まる。
「何?それ?」
『……詳しい話をしてやる』
命乞いではないかと思ったがジジイの真剣な態度が気になったので
とりあえず焼くのは我慢して居間に行きソファーに座った後、前にある大き目の
テーブルに巻物を置いて話を聞く事にした。
「で、どうしてお前を燃やすと俺に何が起こるんだ?命乞いだったらソッコーで燃やしてやるからな」
『ふん、わしの話を聞いた後で、燃やす気がまだ残っていたらそうすればいいじゃろ』
「……そんなにやばいのか?」
『かなりやばい。お主このままだと……
鬼になるぞ』
「は?」
聞き間違いだろうか?今このじじいは俺が鬼になるといったか?
俺が唖然としていると、じじいが俺に再び告げる。
『……今はまだ、わしの力のお陰でその状態を保っているが、わしが処分されれば
お主は……半日もかからずに全身を鬼に支配され、鬼となる』
「……まじ……かよ……」
全身から力が抜けた様な気がした。
なんで俺がこんな目に……ご先祖様の残した骨董品を売ろうとしたのがいけなかったのか?
誰か……助けてくれよ……。
『だが、安心しろ。お主が霊能力の修行をし、鬼を逆に支配出来るようになれば
お主はわしが居なくても鬼を封じ続ける事ができる』
修行し、鬼を支配することが出来れば助かる。
でも出来るのか?だって竜神の王のちからで生まれた巻物で封印されていた鬼なんだろ?
俺みたいなスポーツが得意なだけの貧弱坊やに出来るのか?
『不安そうじゃのう?』
「……当たり前だ」
修行したとして何年?何十年の時間が掛かるんだ?
俺、大丈夫なのか?
『だから安心せいと言っているじゃろうが、わしがすぐに霊能力の上がる修行場に連れて……』
「本当か!?お爺様!!!」
俺は喜びのあまり、じいさん(巻物)に抱きついた。
ヤッホーーー!助かる!助かるんだーーーー!!
あーーーー安心したら、風呂に入りたくなった!
やな汗かきまくったし、正直気持ち悪い。
よし!ついでにじいさんの背中でも流してやろう!
『バカ!わしは紙で出来ているんじゃぞ!!濡れたらさらに破れて力が落ちるじゃろうが!!
風呂場に持っていくな!!それとわしの話は最後まで……』
「あ、そうだったな。じゃあ、俺一人で風呂に行ってくるよ!」
さ~て!冬休みも始まったばかりだし、まだ時間的余裕もある。
明日はじいさんの言っていた、修行場にさっそく行くか!
『……早く霊能力が上がるが相当キツイ修行が待っていると言いたかったんじゃが…
まあ、よいか…』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
俺の左手が鬼の手になった翌日。
ガタンゴトン、ガタンゴトンと揺れる電車の中で俺は
聞き忘れていたおる事を聞く事にした。
「ところでじいさん。この左手の鬼は何なんだ?そして、なんでまた家の蔵なんかに
……」←左手に黒い手袋を着用している。
『……う~ん。本当は言ってはいかんのだが、お主は完全に関係者になってしまったし…
話しても、問題はあるまい』
「あれ?そんなにヤバイ話なの?つーか、そんな事を電車で話していいの?」
『何、この車両には誰ものっとらんし平気じゃ、平気。
さて……アレは700年前の話じゃ……』
この世には…天界・魔界・人間界が存在する。
天界に神が居るように、魔界には魔王が居る。
彼等の存在する数は変わることはない。だが、ある日魔界の地獄と
呼ばれる場所から一匹の鬼が生まれた。
鬼の力は超上級の魔王クラス。
鬼には理性はなく、あるのは破壊衝動のみ、鬼は誕生してすぐに魔界を破壊して回り始めた。
鬼が破壊に夢中になっている時、神々と魔族は結託し、鬼を倒すために立ち向かったが
結果は敗北。
鬼の力を大幅に削る事に成功しただけだった…
勝利を収めた鬼は魔界の次元を突き破り人間界へ向かった。
そして人間界に降り立った鬼は地上を地獄に変えるために活動を開始した。
人間の霊能力者はこの事態を聞いて、戦いを挑むも歯がたたない。
鬼が傷ついていても力の差は歴然。
沢山の霊能力者たちが葬れる中一人、霊能力を無限に高める男が居た。
彼は柳城路 四郎。
四郎は仲間を守るため、家族を守るため……その思いを胸に鬼と戦った。
しかし、全力で戦っても鬼を倒しきる事は出来ない。
そんな時、竜神の王。竜王が彼が持っていた、巻物に力を授けたことで鬼を封印する事に成功した。
『と、まあ。こんな感じじゃな』
「バケモンじゃねーか。つーか俺ってそんな怪物を体の一部に封印してよく無事だよな」
『本来はわしの中に封じるはずだったのじゃが、わしが破けた事で封印される場所が狂って
しまいお主の左手になってしまった……だが…本当に場所だけでよかったわい。
あんな悪夢はもう見たくないわ』
「で?なんでそんな物騒なバケモノを封じた巻物が我が家の蔵にあるんだよ」
『それは、柳城路の人間が100年に一度、封印が緩くなる時に
封印を掛けなおす儀式をするためじゃよ。お主が来なかったら確実にわしは破れて
鬼は外に解き放たれていたわい。知らんかったのか?』
「ああ、母さんや父さんから一度も聞かされなかったからな」
『そうか……』
☆☆☆
「はぁ、はぁ」
『何じゃ情けない。たかが山を登ったくらいで……』
「距離がありすぎるんじゃーーー!!あと、歩きもしてない奴が偉そうな事を抜かすなーー!」
『まま、よいではないか。目的地には辿り着けたんじゃから……』
ふよふよういているじいさんが目の前の門を指差す。
少し離れているこの位置からでも見える
扉の左右には鬼の顔。そして顔の少し離れた場所に首なしのふんどしマッチョの銅像が…。
趣味のわるい飾りだなーー。
そんな事を思いながら門のうえにある看板の『妙神山修行場』(みょうじんざんしゅぎょうば)
という文字が目に入る。
そして…見ないようにしていた『この門をくぐる者。一切の望みを捨てよ 管理人』
という張り紙。
何故、管理人?
折角の緊張感が台無しだ。
『そうじゃ。お主、演技は得意か?』
「へ?」
『無理ならええわい。おぬしはわしに合わせてくれればよい』
「何でそんなことが必要なんだよ」
『いいから!わしに合わせろ!でないと修行ができないぞ!!』
「わ、分かった」
『では門の近くで待っていろ。わしが小竜姫ちゃんを呼んでくるから』
小竜姫ちゃん?誰だそれ?じいさんの知り合いか?
嬉しそうな顔をしながらすーーっと飛んでいくじいさんの背中を見ながら
そんな感想を抱き、じいさんの指示通りに趣味の悪い門の近くに立って待つことに…
十分後
そろそろ、来てもいいのではなかろうか?
そう思った瞬間、悪趣味な扉が開かれ赤い髪と刀?が目に付く美少女とじいさんが居た。
あれがじいさんの言っていた小竜姫ちゃんか?
たしかにあれだけの美少女ならじいさんが嬉しそうな顔をするのは分かる。
『こやつが、わしが話した柳城路の血縁者じゃ』
「そうですか……あなたが…」
あれ?この子なんで温かい目で見てくるの?
俺、何かした?
それとも俺の顔がブサイクすぎて不憫に思っているのでしょうか?
「あの…名を聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」
「横島 京介です」
「そうですか……横島さん。神々を代表してお礼を申し上げます。封印の解けた鬼を
命がけで封印していただき、本当にありがとうございました。」
「?」
おや?封印の解けた鬼を命がけで封印したとか聞こえたような……。
幻聴か?
「巻物『無限時空』から聞いた話では貴方は鬼と戦った影響で失われた霊能力を
取り戻すために来て頂いたようなので、お礼と言っては何ですが私がみっちり鍛えて
貴方を最強のGSにすることをお約束しましょう!」
「え~~~~~!!!?」
『ほっほっほ!こやつも喜んで居るの~』
喜んでねーーーーー!!!!
そんな心の叫びも無視されて俺は腕を美少女、小竜姫にガッチリ捕らえられ、修行場に
連行された。
「ではさっそく修行を開始しましょう!!」
なんでそんないい笑顔なの!?後、眼福です!←モテない
『死ぬかもしれないが頑張るんじゃぞ~~~!』
「死ぬ!?」
この後の事は…地獄だったと言っておこう。
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