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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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100年の因縁

ハンターベース

「・・・・・・・」

アルバイターたちがダイナモを撃退後、エックスはボロボロの状態でチェバルに乗って戻ってきた。戻ってくるなり、作業員たちの手当てが行われている現場を見て動揺するもののエックスは黙って指令室へと行く。

「エックス!?やっと戻って・・・・・ってどうしたのそんなにボロボロになって!?」

エイリアは、エックスの状態を見るなり驚く。フォースアーマーのおかげで本体へのダメージは最小限に抑えられているものの、本体へも届いている背中の傷はひどいものだった。

「・・・・・・・グリズリーと戦ってきたよ・・・・・」

「もしかして、イレギュラー化してたの?」

エイリアの問いに対してエックスは首を横に振る。

「いや・・・・彼はまだ正常だった・・・・助けられる可能性もあった・・・・・・それなのに・・・・・」

エックスは拳を握り締めながら歯を噛みしめる。

「え、エックス・・・・・・・アーマーは私が直しておくから貴方は傷の手当てをして休んで。背中の傷も痛むでしょ?仕方なくやったことなんだから・・・・・・・・」

「仕方なく!?仕方なくてイレギュラー化もしていないレプリロイドを破壊しても仕方なくって言えるのか!!」

「!?」

エックスの表情を見てエイリアは思わず後ずさる。

「っ!?・・・・・す、すまない・・・・・」

そう言うとエックスは破損したフォースアーマーをその場に置いて部屋から出て行く。

「エックス・・・・・」

エイリアは、心配しながらエックスの後姿を見る。

誰が言おうと今回の事件は間接的にとはいえ、エックス自身が引き起こしてしまったのには変わりない。そして、イレギュラー化していないレプリロイドを破壊したのだ。それだけに彼は精神的に自分を追い詰めている。

「・・・・・・・なんか昔の自分を見ているみたい・・・・・」

エイリアはそう言うとフォースアーマーのプログラム修正に入る。
































レーザー工学研究所

「いやじゃ!いやじゃ!いやじゃ~!!」

レーザー工学の権威 シャイニング・ホタルニクス博士の研究所。シグマウィルスの影響で研究所の防衛システムが誤作動を起こして彼の部屋へ向かうのを困難にしていたがビートブード達はどうにかホタルニクス博士の研究室へと辿り着くことができた。ホーネックによる彼との長い交渉の末、ワクチンとの交換という事でレーザー装置を譲り受けたのだが身の安全のためハンターベースへの同行を呼びかけたのだがどういうわけか彼は拒否していた。

「博士、お願いしますよ。いくらワクチンを打ったとはいえ、ここは危険すぎます。」

「だからと言うて自分の研究所をみすみす捨てる研究者がおるか!ここは儂の研究物が多くあるのじゃぞ!?それを全部捨てて行けというのか!?この人でなし!!」

まるで子供のように駄々こねるホタルニクスに対してホーネックたちは、呆れた表情をする。

「そんなこと言ってもこの研究所は既にウィルスに侵されてしまっています。博士ほどのお方を失うわけにはいかないんですよ!」

「それでもいやじゃ~!!儂はここで心中する!!地球がどのみち滅びるならどこにいても同じじゃ!!」

「ええい!時間ないのに何やってんだ!このじいさんは!!」

ビートブードは頭を押さえながらいら立つ。ちなみにマンドリラーは一足先にレーザー装置をハンターベースへと運んでこの場にはいない。一応マンドリラーのバカ力で壊れないよう特殊なケースにしまったため大丈夫だが。

「儂の研究資料と共に死ねるなら本望じゃ!お主らハンターにはそれを奪う権限があるのか!!」

「もう、無理やり引っ張っててでも連れて行くしかないですね!!」

「放せ~!!儂は行きとうない~!!」

「作戦が成功すれば帰ってこれるんですから!!」

「おわ~ん!!こんなか弱い年寄りを二人がかりでいじめておるぞ~!!」

「あぁ・・・・・・いい加減に言うこと聞いてくださいよ!!」

ビートブードとホーネックはロープで縛りあげてホタルニクスをハンターベースへと護送(注意:連行ではありません)した。





























電子エネルギー研究所ルート

「アイリス、大丈夫か?」

「えぇ、マニュアルの訓練は何回も受けているから大丈夫よ。」

その頃、ゼロとアイリスは、アディオンとハーネットに乗り、電子回路剥き出しの危険地帯を通り抜けていた。この電子エネルギー研究所は、本来このような状態になっていないのだがシグマウィルスの影響で暴走した作業用のメカニロイドがこのような状態にしてしまったらしい。

「ゼロ、この先に崖が!」

「跳ぶぞ!!」

ゼロはエンジンを吹かせながら崖を飛び越える。アイリスも続き、危うく落ちかけるが何とか立て直して研究所の近くにまで向かった。

「この辺なら、もう止めても問題なさそうだな。」

ゼロはそう言いながらアイリスと共にライドチェイサーから降りて研究所内へと入る。

「待って、ゼロ。この壁に何か反応があるわ。」

アイリスは、発信機で目の前の壁に何か反応があることに気づく。

「この壁にか?・・・・・・途中で回収したエネルギーパックをバスターに装填すれば破壊できそうだが俺のは今使えないからな・・・・・アイリス、できるか。」

「任せて。」

アイリスはエネルギーパックをバスターに装填して壁に発射する。バスターへの負担を考え、エネルギーパックを装填し直しながら壁に向けて撃って行く。丁度エネルギーパックを全部使いきると同時に壁は吹き飛んで中の空洞が見えた。二人で中に入ってみるとそこには馴染みのカプセルがあった。近づくとカプセルが開きライトが姿を現す。

「あなたはDr.ライト・・・・・・何故ここに?」

『ゼロ・・・・君だったか。』

「ゼロ、この人は?」

「あぁ、紹介する。彼はDr.ライト、エックスの生みの親だ。」

「エックスの!?」

ゼロの説明を聞いてアイリスは目を丸くする。

『君はアイリスだったかな?君にも世話になっているようだね。いつも感謝しているよ。』

「い、いえ・・・・・私は何も・・・・・・」

「それはそうとあなたがここにいるということはまたエックスに強化アーマーを?」

『うむ、だがこの環境では無理なのは君も理解しているだろう。だから、君にこのプログラムデータを渡しておきたい。このプログラムには「ファルコンアーマー」のヘッドパーツのデータを入れてある。このパーツを装着すれば、敵から入手した特殊武器を使用する際に生じるエネルギー消費を通常、チャージ共に大幅に抑える事が出来る。』

「・・・・つまり、エックスの戦闘における戦略性の視野を広げることができるという事ですね?」

『その通りじゃ。これは、前回のフォースアーマーの反省を生かして再設計した機能じゃ。』

「成程・・・・・・分かりました。アーマーパーツのデータを受け取ります。・・・・・その前にDr.ライト。あなたに聞きたいことがある。」

ゼロは真面目な顔でライトを見る。

『聞きたいこと・・・・・わしの知っている範囲でなら構わないが。』

「あなたは知っているかわからないが俺たちは数か月前、チャモチャ星という星に行った。そこで俺の兄を名乗るロボットに会った・・・・・メタルマンというレプリロイドだ。」

『!?』

ゼロの言葉を聞いてライトは驚愕の表情を浮かべる。

「・・・・その様子だと知っているようだな。チャモチャ星の事件は俺たちで何とか解決し、事なきを得たがあの後の調査で兄は発見されなかった。他のロボットたちもだ。」

『・・・・・・』

「Dr.ライト、教えてくれ。俺を作った奴はあなたに匹敵する人物のはずだ。俺の兄弟たちや、アイリスの精巧なコピー、Wというマークが入ったチップで操られたマイマイン・・・・・あなたは何か知っているのではないか!?答えてくれ!!」

ゼロの言葉にライトは顔を歪める。

『・・・・・・やはり、わし同様にこの時代まで干渉していたのか・・・・』

「やはり、知っているのか?」

『・・・・・ゼロ。わしは・・・・君にエックスの仲間として・・・・・親友としてこのままでいてほしいと願っておった。じゃが、ここまで奴が動いたとなると・・・・・・・もう、隠してはおられんじゃろう。』

ライトは、深刻な表情でゼロを見る。その顔を見てゼロは事の重大さを理解する。

「・・・・・構わない。俺はどんなことでも受け入れる。」

『・・・・・・分かった。では、君に真実を話そう。しかし、エックスと戦う運命になるかもしれんことを覚悟してほしい。』

「・・・・・・あぁ。」

『・・・・・・・・・あれはそう・・・・・100前のあの日から始まった・・・・・・・』




























200X年

あの頃・・・・まだわしが人間として生き、世界がロボットと人間が手を取り合って生きて行こうと歩み始めた時代。わしの製作した「カットマン」「ガッツマン」「エレキマン」「ファイヤーマン」「アイスマン」「ボンバーマン」の六体のロボットたちが突如暴れ出した。

当時の軍隊でも歯が立たず、人々は恐怖に陥れられていた。政府は製作者であるわしに解決を求めたが六体はどういうわけか何者かに改造されて抑えようがなかった・・・・・。

そんなときじゃった。

わしが彼らよりも先に製作した家庭用ロボット・・・・・ロックが動いたのは。


「ライト博士、僕がみんなを止めに行きます!!」

「ま、待つんじゃロック!?家庭用のお前が今の彼らを止めることはできん!!」

「それでも僕は行きます!!」

「いかん!お前もテレビで見たじゃろ!結果が見えているというのにお前を行かせられん!!」


その通りじゃった。

家庭用に設計したロックに戦闘などできるはずなどない。

戦ったことすらない彼を行かせるなどわしにはできなかった。

だが・・・・・

「今の僕に止められないというなら・・・・・・僕を戦闘用ロボットに改造してください!!」

「なっ!?」

信じられないことだった。

ロックは争いを好まず、だれよりも優しい子じゃった。それが兄弟たちを止めるためとはいえ、自ら戦闘用になることを選んだんじゃ。

「ロック・・・・お前は自分が何を言っているのかわかっているのか?」

「わかってます!警察も軍隊も歯が立たない・・・・僕とロールちゃん以外のロボットはみんなおかしくなってしまいました・・・・・・・なら、僕がやるしかないじゃないですか!!」

「ロック・・・・・・・」

「それにカットマンたちは僕とロールちゃんと同じく博士が作ったロボット・・・・・・兄弟のようなものです。兄弟だからこそ、僕が止めなくちゃいけないんです!」

「だが・・・・・」

「それでもだめなら、改造してくれなくても僕は行きます!」

「・・・・・・・・」


わしは・・・・・結局ロックの強い正義感に押されて、彼を戦闘用へと改造した。

それがエックスの前身ともなる『ロックマン』の誕生じゃった。

ロックは、カットマンたちと戦い・・・・そして、黒幕を見つけた。

アルバート・W・ワイリー・・・・・・Dr.ワイリー。

わしと同じ科学者でかつての友でもあった。


ワイリーは、ロックマンの手によって世界征服の野望を打ち砕かれた。

だが、ワイリーはその後も何度も戦いを挑んできた。


メタルマンたち率いるワイリーセカンドナンバーズ。サードナンバーズ・・・・・フィフスナンバーズ、セブンナンバーズと次々とロボットを生み出していった。

その中でワイリーは、自分の技術をすべて注ぎ込むべく作り出したのがゼロ・・・・・・君だったんだよ。

ロックマン打倒に執着したワイリーは君にあるプログラムを挿入した。

『ロボット破壊プログラム』

それは、ロックマン含めるすべてのライトナンバーズを破壊するために組み込まれた特殊なプログラムで同時にロボットの思考プログラムを狂わせるウィルスとしての恐ろしい副作用を持ち合わせていた。

このウィルスに耐性を持っていたのはどういうわけかロックマンだけじゃった。

そして・・・・・ロックマンはワイリーの野望を阻止するため、城へ乗り込み、まだ未完成であった君と戦い重傷を負った。その後は、どうにか無事に修理できたのは幸いだが。



その事件を境にワイリーは人前に姿を見せなくなった。

理由はその頃から世間のロボットへの危険性の批判が強まりつつあったことからじゃ。元々ロボットに感情を持たせるのに反対だった人間たちによって活動はしていたがワイリーの度重なる世界征服計画において思考を持つロボットは危険な存在だとデモを起こすほどの規模に大きくなっていた。

わしも残念ながら世間の勢い押され、己の無力さを呪いながらロックマン含めるすべてライトナンバーズの機能を停止・封印することにし、世間から離れ密かにエックスの製作にかかった。

わしが表社会から姿を消したと同時に思考プログラムを搭載されたロボットたちは次々と姿を消し、最終的にはメカニロイドタイプのものしか残らんようになった。








































『・・・・・わしはエックスを完成させ、カプセルに封印させたのちに自分の人格全てをこのカプセルに挿入し生涯を終えた。それと並行して、ワイリーも君を完成させた後、眠りにつかせた。これが100年以上前から続くわしら二人の因縁ともいえるものだ・・・・・・・』

「・・・・・・」

「・・・・ゼロ・・・・」

ライトの話を聞いてゼロは黙る。

『ゼロ・・・・・・わし等が憎いかね?君とエックスに自分たちの問題を押し付け、いつ起こるかわからぬ宿命を背負わせてしまったわしたちを・・・・・』

ライトはゼロを見ながら言う。

「・・・・・・確かにあなたたちの勝手が今の事態を引き起こすきっかけなったことは罪深い。」

『・・・・・』

「だが、あなたがエックスを作らなければレプリロイドは愚か、この世界すら存在しなかった。それに・・・・俺もアイツに会わなければ今の自分はいなかったと思っている。」

『ゼロ・・・・・・』

「それに俺の兄弟たちも攻撃本能は高かったが・・・・あなたのいう『心』があった。その兄弟たちの技術の結晶が俺の中にある。だから、俺にも『心』が持てたと思っているんだ。」

『・・・・・・・』

「俺は、爺の思い通りになるつもりはない。最後まであがいてみせる。・・・・・そして、それでもどうにもならなかったときは・・・・・」

「ゼロ・・・・」

ゼロの言葉を聞いてアイリスは心配する。

「もし、エックスが道を踏み間違えようとすれば俺が正すし、俺が本来の存在に目覚めようとすればあいつらが止めてくれる。それに今の俺は一人じゃない。アイリスもホーネックやエイリアたち仲間もいる。」

『・・・・・・うむ。君の言葉を聞いてわしも安心したよ。君ならば最後までその呪縛に抗う事ができるじゃろう。』

そう言うとライトは姿を消す。

『ゼロ、このカプセルに入りなさい。』

「俺が?」

『わしはワイリーが組み込んだ「ロボット破壊プログラム」について詳しくない。それにドラえもんたちの協力で作られた「パートナー回路」だけでは不安になるじゃろう。できるかわからんがわしも君の呪縛を解くよう尽くして行こう。』

「Dr.ライト・・・・・・」

『エックスは今精神的に自分を責め続けておる。マーティも自分なりに向き合おうとしているが君の助けも必要じゃ。』

「・・・・・分かった。」

ゼロはカプセルに入ると赤外線が彼の体をスキャニングし始める。そして、数分もすると彼のデータを一通りとることに成功した。

『わしはできるだけ早く君の体の解析を進め、プログラムの無力化を試みる。どこまでできるかわからんが・・・・・・』

「気持ちだけでも十分だ。俺たちも時間がないからここで失礼する。」

ゼロは、そう言うとアイリスを連れてその場から離れて行く。

『・・・・・・ワイリー、どうやらお前の最高傑作である息子は・・・・お前の想像以上のロボットに成長しておる・・・・・それでもお前は破壊を望ませるのか?あのゼロに。』


























電子要塞内

「これで大丈夫です。」

「あ、ありがとう・・・・・・」

ゼロとアイリスは、施設に取り残された職員たちを救助しながら奥へと進んでいた。彼らの話によるとこの施設の責任者であるボルト・クラーケンは、施設の最深部に取り残されているのだという。

「クラーケン主任はこの先の制御室にいます。お願いです、彼を・・・・・」

「できるだけのことはする。少なくともお前たちのようにイレギュラー化しないうちにな。」

そう言いながら二人は最深部へと向かう。

「ここが制御室だ。」

ゼロはセイバーでドアを切断して中へと侵入する。


しかし、そこで倒れているものを見て二人は動揺する。














「く、クラーケン!?」

そこには取り残されていたイカ型レプリロイド ボルト・クラーケンが倒れていた。

「・・・そ・・・・その声は・・・・・・ぜ、ゼロ・・・・?」

クラーケンは何とか起き上がろうとするがよく見ると体の至る所にセイバーで斬られたような傷がいくつもあった。

「だ、大丈夫ですか!?すぐに手当てを・・・・・」

「近づかないで!!」

「!?」

手当をしようと近づくアイリスにクラーケンは怒鳴りながら止める。

「近づいちゃダメ・・・・・今の私はウイルスに侵されている・・・・・」

「シグマウィルスか?」

「いいえ・・・・・これは・・・・・」


「動けないようにしたつもりだったがまだ動けたか、クラーケン?」

「「「!?」」」

三人は天井を見上げるそこには全身をマントで隠した何者かが忍者のように天井で立っていた。

「誰だ!?」

「誰だ・・・・・?別に名乗る必要もない。もう、俺はこの世界にはいない存在なのだからな。」

「どういうこと?」

「俺たちは、ここにある施設の研究データが欲しくて来ただけに過ぎない。用が終わればそいつも解放してやる。」

「お前もシグマも手駒か!?」

ゼロはマントの男に警戒しながら聞く。

「手駒・・・・・・手駒だったな・・・・・今でも覚えている。だが、今はシグマの手先ではない。」

「正体を現せ!!」

ゼロはセイバーを持ち、壁蹴りで上りながらマントの男に斬りかかろうとする。

「フン。」

「なっ!?」

しかし、マントの男はセイバーに触れた瞬間、分解して姿を消してしまった。

「奴はどこに・・・・・・」

ゼロが動揺している隙にマントの男はゼロの背後に姿をあらわす。

「ゼロ!後ろよ!?」

「何!?」

「遅い!!」

マントの男はその布の下から何かを飛ばし、ゼロの体に打ち込む。

「うっ!?」

ゼロはそのまま膝をつく。

「か、体が・・・・・・・」

「お前の体に一時的に駆動系を麻痺させるウィルスを撃ち込んだ。それでしばらくは動けまい。」

マントの男はそう言うと今度はアイリスの方へと歩み寄る。

「はっ!」

「お前にも邪魔されないように撃ち込ませてもらう。なに、命までは取るつもりはない。それがイレギュラーに落ちぶれた俺の最低限のマナーだ。」

男はアイリスの元へと歩こうとする。

「ま、待て・・・・・」

「ん!?」

男はゼロの方へと向き直る。ゼロは自由の利かない身体で男のマントに掴みかかっていたのだ。

「バカな・・・・俺のウィルスを受けながらも動くだと?」

「その化けの皮を剥がしてやる!」

ゼロは男のマントを思いっきり引っ張って破る。

「!?」

「あ、あなたは!?」

マントを破れられた瞬間、ゼロとクラーケンは目を見開く。そのマントの下にあった顔に見覚えがあるからだ。

「余計なことをしてくれたな。」

マントを破られたレプリロイドは不機嫌そうな顔で二人を見る。その頭部はムカデのような尾が付いていた。

「お前は死んだはずじゃ・・・・・・・・」

「死んだ?あぁ、死んだとも。エックスたちにイレギュラーとしてな。」

ゼロも話を聞いていた。

このレプリロイドは、既にこの世に存在しない。

かつてエックスによってカウンターハンター事件でイレギュラーとして処分されたことが記録に残っているからだ。

しかし、その報告には奇妙なことの記載があった。




『イレギュラー 元第0特殊部隊所属 特A級ハンター マグネ・ヒャクレッガー 残骸 行方不明』























「お前がどうして生きている!?ヒャクレッガー!!」

そこには死んだはずの元特A級ハンター マグネ・ヒャクレッガーが立っていた。



 
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