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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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ダイタル・マッコイーン

ハンターベース

「エックス?応答して、エックス?」

強化アーマーのプログラムを受け取った後、エックスからの通信が途絶えてエイリアは心配して何度も連絡を入れるが返事は返ってこなかった。

「大丈夫かしら?ただ、ウィルスの影響で通信が繋がらなくなっただけならいいんだけど・・・・・・・」

エイリアはそう言いながらエックスから届いた強化アーマーのプログラムの解析を行う。現在、ケインは大半のミニドラたちを連れて復興作業中のチャモチャ星に行き、ドップラーはイレギュラー化し機能を停止したレプリロイドたちへのワクチンプログラムの処置で手が離せない。よって、プログラムの解析ができるのは彼女しかいないのだ。

スペースコロニー ユーラシアの方は依然として変わらぬ速度で地球に接近している。ゼロとアイリス、マーティたちもパーツの回収へと行き、ダグラスも新入りのアルバイターたちと共にエニグマの整備を行っている。シグナスも各地の避難状況、被害も含めて情報を集めている。エックスだけの心配をしていられない。

「ん?」

作業を進めている最中にエイリアは、誰かから着信が入っていることに気がつく。

「エックスかしら?」

エイリアは通信を入れてみるが相手はエックスではなく身元不明のメッセージだった。

「どうした?」

「謎のメッセージが送信されてきたわ。」

「モニターに映せ。」

シグナスの指示でエイリアはモニターに映す。そこには一人のレプリロイドが映っていた。

「誰だコイツは?見たことのないタイプだぞ?」

シグナスは警戒しながら見ているとレプリロイドは人を小馬鹿にしたようなふざけた口調で話し出す。

『イレギュラーハンターの皆さん、ご苦労様です・・・・。特に皆さんに恨みはないんだけど・・・・・これも仕事なんでね。近いうちにハンターベースを攻撃させてもらいますわ。』

「なんだとっ!?」

レプリロイドの言葉に対して普段滅多なことでは動じないシグナスが思わず叫んだ。こんな緊急事態に限って身元不明のレプリロイドが襲撃予告をしてきたのだ。攻撃されるこちら側にしてみたらたまったものではない。そんなシグナスの言葉などお構いなしにレプリロイドは飄々と話を続ける。

『あっ、そうそう・・・・エックスさんとゼロさんいますか?相手になってくださいよ、暇なもんでね・・・・。』

「こんな人類とレプリロイドの存亡の危機だというのに・・・・・」

エイリアも困惑の表情で言う。

『まっ、力抜いて戦いましょうや。スポーツな感じでね・・・・ククッ。ちなみに俺は、ダイナモっていいます。では、また後で・・・・・』

そこでメッセージは終わっていた。シグナスは拳を強く握りしめながら今にも爆発しそうな怒りをこらえる。

「こんな時にふざけた奴だ。くそっ!!」

「・・・・・あんな輩でも戦わなくてはいけないのかしら?」

二人は、頭を抱える。

「・・・・・・エイリア、市街地の避難誘導に出たイーグリードたちは後どのくらいで戻る?」

「少なくとも3時間はかかるわ。」

「・・・・・・・仕方ない。レプリフォース側に負担をかけてしまうが第7空挺部隊を呼び戻そう。奴が言うことが本当だったらたまったものではない。」

そう言うとシグナスは一旦部屋から出て行く。レプリフォース側に連絡しに行ったのだろう。

「・・・・エックスとも通信が繋がらないというときに・・・・・・」

エイリアはため息をつきながら第7空挺部隊へと通信を入れる。





























ハンターベース 近海

「・・・・・・・・この辺だと思うけど・・・・・・」

マーティはハンターベース近海の海の中を進んでいた。しかし、彼女自身が泳いでいるのではなく、ラッシュが変形した「ラッシュマリン」での移動だ。

「・・・・・もう・・・・」

「ドラララ、ドラララ!!」

マーティは呆れながら後ろではしゃいでいるミニドラを見る。海に潜ろうとした際に付いて来ていたのだ。大半のミニドラは、ケインと一緒にチャモチャ星に行ったのだがこの赤いミニドラのみは一緒に行きたがらなかったため、ハンターベースに残ることになった。水中を泳いでいる魚を見ながらミニドラは水中探検のつもりで楽しんでいるのだ。

「ドラララ~!!」

「・・・・・・こんな一大事の時に・・・・・!?」

『ワンワンッ!!』

しばらく海中を進んで行くと何やらすさまじいエンジン音が周囲に響き渡る。上を見上げてみると何やら巨大なクジラ型の潜水艦がラッシュマリンに向かって急接近してきた。

「何よあれっ~!?」

『ワオッ!?』

「ドラララ・・・・・・・(注:ちょっと変わったクジラ程度にしか思っていません。)」

元レスキュー部隊出身であるマーティは、その姿を見てふと思い出した。


デスエベンジ

ジンベエザメ型潜水艦巨大メカニロイドで彼女が知る限りではすでに数十年以上前に現役を終え、今ではこの周囲にある海洋博物館の展示品として置かれていたはずだ。それがシグマウィルスの影響で数十年ぶりに動き出したのだ。デスエベンジは、頭部の砲門を開いてラッシュマリンに向けて攻撃を開始する。

「ラッシュ、急いで進んで!」

『ワンッ!』

マーティに言われてラッシュマリンは攻撃を避けながらスピードを上げる。途中で複雑な地形の岩礁に差し掛かり、一時は撒けると思ったがデスエベンジは、ビームで攻撃しながら無理矢理追ってくる。

「このままじゃ振り撒けない・・・・・・」

マーティは、ミニドラを中に残して下半身を人魚形態に戻してラッシュマリンから出る。マーティは、デスエベンジに向かってバスターショットで攻撃する。

「バスターじゃ砲門は簡単に壊せないか・・・・・なら・・・・」

マーティは、シールドブーメランを回転させて砲門に投擲する。砲門は発射前にシールドがぶつかったことにより、エネルギーが内部爆破して砲門を吹き飛ばす。

更にシールドを回収すると同時に槍を別の砲門に突き刺せて破壊し、デスエベンジの背後へと回り込む。

「こういうタイプのメカニロイドはスクリューが剥き出しなのが致命的なのよね!」

バスターショットにアイスチップを挿入してチャージショットを発射する。するとスクリューのプロペラの間に巨大な氷塊が生成され、周囲の海水を吸って肥大化していく。推進力を失ったデスエベンジはそのまま深海の方へと姿を消して行く。

「ふう・・・・・・・・あっ、ラッシュとミニドラが・・・・・・」

マーティは先に行かせていたラッシュの後を追う。

『・・・・・マーティ・・・・・』

「ん?」

不意に聞き覚えのある声が聞こえてマーティは近くに沈んでいる古い木造船を見る。

「あの中から?」






















沈没船


この近海の潮の流れは、変わりやすく数世紀以上前に嵐などで沈没した船はいくつか存在する。

目的地に続くこともあってマーティは、沈没船の中へと入る。中は空洞になっているらしく、空気があった。

「こんな古い船が・・・・・よく今の時代に残っているわね・・・・・」

マーティは、歩きながら船の中を調べ始める。どうやら貨物船だったらしく、海水でふやけてボロボロになってしまった書物などがあったが、一部の部屋には積み荷の一つと思われる金塊や宝石が保管されている部屋があった。

「綺麗・・・・・って、こういう船って確か呪われているんじゃなかったっけ!?前、エックスと一緒に見た何とかシップとかいう映画で主人公残してメンバー全滅して・・・・・・・・」

記念に一つ持ち帰ろうと思ったが時間がないことと何より『呪い』というワードを思い出したため、マーティは次の部屋に回ろうとする。

『マーティ・・・・』

「!?」

部屋から出ようとドアノブに手をかけたとき、後ろから聞こえた声にマーティは背筋をゾッとさせる。

「きゃあ~!!許して!!何も取らないから!!呪わないで~!!」

『マ、マーティ。落ち着くんじゃ。』

「えっ?」

ガチガチに震えながら目を開けるとそこにはカプセルから姿を現したライトが立っていた。

「おじいさん!?」

『こういうところのものを取るのは確かにあまりいいことではないがわしの声を聴いてそこまで驚くことも無かろう・・・・・・』

「は、はっははは・・・・・・てっきり幽霊かと思った・・・・・・」

『?』

「あっ、それはそうとどうしてこんなところにいるのよ?もしかして、エックスの強化アーマーを?」

『いや、君もわかっているじゃろうがこのシグマウィルスの汚染された環境の中でアーマーパーツを渡すのは極めてリスクが高い。そのため、安全性を高めることも含めて今回はプログラムデータにしてある。基地に戻り次第、解析して完成させるのじゃ。このカプセルには「ファルコンアーマー」のボディーパーツのデータが入っておる。このボディパーツには、ギガクラッシュやノヴァストライクと同様に敵から受けるダメージを軽減・吸収し蓄積させる事で広範囲に渡り無数の貫通弾を発生させるギガアタックを放つことができる。すでにプログラムの一部をエックスの渡してある。』

「・・・・・ねえ、おじいさん。」

『ん?』

「・・・エックスはどんな様子だった?」

『・・・・・・・・自分のことを責めておったよ。それ故に精神が極めて不安定になっておる。』

マーティの質問に対し、ライトは複雑な表情で答える。

「アタシ、エックスの様子を見てすごく不安なの。今まであんな顔みせたことなかったのに・・・・・・・・」

『・・・・・マーティ。君の気持ちも理解しておるよ。エックスはこれまで多くの敵と戦って・・・そして、倒してきた。しかし、終わることのない戦いを目の前にして君同様に不安になっておるんじゃ。・・・・だからこそ、君が支えになってほしい。』

「おじいさん・・・・・・」

『わしは、君のようにすぐ傍にいてやることはできん。触ることも。自分で作り出した息子でありながら・・・・・・』

ライトは、悲しい表情で言う。そんなライトの顔を見てマーティは、苦しさに胸を押さえる。

「・・・・・プログラムは受け取るわ。ちゃんとエックスに渡しておくから。」

『うむ。後、これをラッシュに挿入しておいておくれ。』

ライトはカプセルにアーマーのデータプログラムと共に過去に見た強化チップに酷似したものを出す。

「これは?」

『おそらくこの戦いは今までにないほど厳しいものになるじゃろう。だから、君にかつて渡したアーマーの強化タイプも設計しておいた。エックスのファルコンアーマーのデータも使っておるから前回よりは使いやすくなっているはずじゃ。』

「・・・ありがとう。」

そう言うとマーティはデータプログラムとチップを受け取りその場を去る。

『・・・・・・マーティ、頼む。エックスのことを支えてやっておくれ。義娘よ・・・・・・・・』



























マーティが外に出ると先ほど深海へと沈んで行ったデスエベンジが再び浮上してきた。どうやら水圧で氷塊を破壊して推進力が戻ったらしい。

「コイツ!」

マーティは、槍で上にあるコアを破壊しようとするがバリアで防がれる。もう一度スクリューを攻撃しようにも狭い岩場のせいで回り込めないため、今度はシールドブーメランにエレキチップを挿入して投擲する。シールドブーメランは、バリアで弾かれたものの予想以上の攻撃に一時的にバリアが解除される。

「フルチャージアイスショット!!」

むき出しになったコアにチャージショットを発射して破壊するとマーティは上の方へと浮上していく。

「ここまで来てもラッシュたちがいないなんて・・・・・もしかして先に着いちゃったのかしら?そうだとしたら危ないわ。」

しばらく上って行くと扉があった。

「・・・・あのおっさん隊長、イレギュラー化していなかったらいいけど・・・・・・」

マーティは、恐る恐る扉の中へと入って行く。

そこには・・・・・

























「ドララ、ドララララ!」

「・・・・・全く、いい加減頭の上から降りんか。」

「ドラララ!ドラリャ~!!」

この辺一帯の海を警備する海上警備部隊の隊長であると同時に海洋博物館館長であるマッコウクジラ型レプリロイド タイダル・マッコイーンがしゃがみながらミニドラに遊ばれていた。彼の足元にはラッシュが元の形態に戻ってお座りしている。

「ドララ!ドラララ!!」

「このチビスケめ・・・・・・・しょうがない奴だ。」


マッコイーンは、呆れた顔をしながらも嫌がることもせずミニドラを遊ばせている。その姿を見てマーティは唖然とした。

「ミニドラ!!」

「ドラ?」

マーティのことに気がついてミニドラはマッコイーンの頭から降りて彼女に飛びつく。

「ほう・・・・・これはこれは、懐かしきじゃじゃ馬人魚娘のマーティではないか。いや、今はマーティ副隊長とでもいうべきかな?」

マッコイーンは、懐かしむような顔でマーティを見る。

「お久しぶり、おっさんクジラ警備隊長。アンタに会うなんて、レスキュー部隊から転職して以来だわ。」

「相変わらずの様子だな。もしや、そのチビスケはお前のペットか?」

「違うわよ。まあ、弟みたいなもんだけど。」

「ドラララ!」

マーティは、ミニドラを足元に下ろす。

「・・・・・・ところでかのじゃじゃ馬娘がこの海に何の用かな?」

「・・・・・単刀直入に言うわ。ハンターベースから1番近いこの海を・・・使わせて欲しいの。大量の水素を作るために。」

「大量の水素・・・・核融合でも起こして、エニグマを使う気だな?」

マーティの頼みに対してマッコイーンは真剣な顔で答える。

「アンタが反対するのはわかっているわ。確かにエニグマの核融合でこの周囲の海に悪影響を与えてしまう危険性があるわ。でも、今は地球が滅びるかもしれない事態なの。協力して。」

「マーティ、ワシは海の男だ。・・・・この海に愛着もある。故に簡単にこの海を手放すわけにはいかない・・・・愚かなことだと分かっている。ただ、もし今の君が戦士だというならば一対一で真剣勝負をしてほしい。」

「・・・・・・言うと思っていたわ。・・・・けど、それでいいの?」

「・・・・・・」

「アタシは、この海を見捨てろとか、守ることを諦めてとか文句は言わないし、侮辱するつもりもない。あのバカ教官のように信念と誇りを持っているってことはわかっているから。けれど、海はここだけじゃない。この地球の全域に広がって・・・・・そして、繋がっているの。地球が滅亡すればこの海だって滅びてしまうわ。」

「・・・・・・・・・」

マーティの言葉に対してマッコイーンは、険しい表情をしていた。

この海を守りたい・・・・・・それは彼の信念であり、今まで生きてきた人生そのものとも言える。しかし、地球が滅亡するかもしれないという危機・・・・・そして、僅かな可能性。それらの要素が絡み合い、迷いを生じさせているのだ。

「確かにアンタを倒してエニグマで地球を救えたならそれでいいわ。でも、そのあと誰がこの海を守るのよ?」

「!」

「今までこの海を守ってきたマッコイーンはアンタしかいないのよ。守ると言っておきながら自分だけ死ぬって言うのはおかしいんじゃない?」

「そ・・・・それは・・・・・・・・」

「ドラララ!」

大事な話をしているにもかかわらずミニドラは近くを泳いでいる小魚を捕まえようと遊んでいる。その光景を見てマッコイーンはふと感じた。

この海に生きているものは、自分と共にここで生き、そして、守って来たものだ。

確かにエニグマによる悪影響は心配だ。

しかし、地球がこのまま滅べばすべてを失う。ここにいる小さい命も。

「ドララ、ドラララ!」

魚を追いかけて行く撃つにミニドラはまたマッコイーンの頭の上に乗る。その光景は、何か感じたのかマッコイーンはゆっくりと動き出す。

「・・・・・・君の言うとおりだ。ワシは危うく自分のやってきたことをすべて無駄にするところだった。」

「じゃ、じゃあ・・・・・・」

「このチビスケに免じて、この海を使わせることを認めよう。だが、ワシも既にウィルスに侵されている。後どのくらい持つか・・・・・」

「そんなことだと思っていたわ。」

マーティは、ラッシュの背中からカプセルを出す。

「使わせてもらうんだからそれなりのことはするわ。はい、『アンチ・シグマウィルス・ワクチンプログラム』。」

マーティは、マッコイーンのプログラムにワクチンをインストールし始める。すると、彼の体を侵しつつあったシグマウィルスは次々と消されて行く。

「これで、イレギュラー化する心配はないわ。」

「マーティ・・・・・ふん、じゃじゃ馬娘も成長したもんだな。これなら式も見に行けばよかったわ。」

「ほんとよ、態々招待状書いて送ったのに。」

「おっさんクジラと書かれていれば行く気もなくなるわ。」

「だって、名前長いんだもん。」

先ほどの緊迫した状況だとは思えないほど二人は笑っていた。インストールが終わるとマッコイーンは何かの助けになると思い、自分のDNA端末のコピーを彼女に渡す。

「やるだけのことをやれ。もし失敗したとしてもワシは君たちを恨みはせん。」

「よく言うわよ、さっきまで意地張っていたくせに。」

呆れたように言いながらもマーティは、マッコイーンに笑いながら言い返す。

「では達者でな、成功を祈っているぞ。」

「ありがとう。」

「ドララ!」

「おう、チビスケも元気でな。」

手を振るミニドラに対してマッコイーンは手を振る。マーティは、エイリアと連絡を取ろうとする。

「エイリア、聞こえる?マッコイーンから許可が出たわ。」






しかし、ハンターベースでは大変なことが起ころうとしていた。 
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