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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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γ

メカポリス 

「・・・・・了解。直ちに撤退します。」

スナイパージョー及びライドアーマー部隊が次々とやられていく中、エアーマンは通信を聞き、ニードルマン、クラッシュマンに連絡する。

「クラッシュ、ニードル、撤収だ。」

「もうそんな時間になったか。」

クラッシュマンはクラッシュボムの射出をやめて離脱を始める。

「もう少し、痛めつけてやりたいところだったが・・・まあいい。収容所もタップたちがやられたようだしな。」

三人は前線のスナイパージョーたちを囮にしてその場から離脱して行った。

「あの三人が引き上げて行ったぞ・・・・・・・・」

イーグリードは負傷した片翼を押さえながら言う。近くでは左足をニードルキャノンで貫かれて壁に寄りかかりながら立つペガシオンがいる。

「王宮のゼロたちがやってくれたのか?」

「俺にもわからん。」

『イーグリード、敵の一部が撤収を開始し始めたわ。よくわからないけど・・・今のうちに船に戻って治療を受けてちょうだい。』

「あぁ、わかったよティル。我々も一旦、負傷兵を回収して離脱だ。」

「追い打ちを受けるのは勘弁してほしいからね。動けるものは動けないものに手を貸せ!攻撃がまた強まる前にこのエリアから離脱するぞ!」


























ナポギストラー王宮 執務室

「ミスター!ミスター、聞いておるのか!?ええい、くそ!」

地下室に連絡を入れても連絡がこないため、ナポギストラーは思わずいら立つ。

「すでにあれは完成しておるのか!?あれを使えばあんな輩一瞬で・・・・・・!誰だ!?」

ドアが開く音が聞こえ、彼はドアの方を見る。そこにはドラえもん、ゼロ、アイリスの三人が来ていた。

「地球のロボット ドラえもん!」

「イレギュラーハンター ゼロ!」

「同じくアイリス!」

三人はバスターを構えながらナポギストラーに接近する。

「お前たちだな、サピオ一味をかどわかしたのは。衛兵!ナンバーズ!!」

ナポギストラーは、兵隊たちとメタルマンたちを呼び出そうとしたが誰も来なかった。

「みんな、出払っちゃったわ。ナポちゃん。」

「ナポちゃん!?」

ニッコリしながら言うアイリスの呼び方にナポギストラーは、一瞬きょとんとした顔をするがすぐに我に返って怒鳴り返す。

「皇帝陛下と呼べ!」

「皇帝陛下、邪魔者抜きで話し合いましょう。」

三人は、バスターを戻してナポギストラーと対峙する。































メカポリス郊外の丘 ベースキャンプ

「うっ!」

人間収容所から一足早く引き揚げてきたエックスは、右腕の接合を行っていたが案の定痛みに耐えかね悲鳴を上げていた。その後ろではマーティが動かないようにしっかり押さえている。

「全く、痛いなら切断しなければよかったじゃろうが。」

「仕方なかったんですよ。あの時はそうでもしなかったら・・・・・痛!」

ケインの呆れた表情をしながらエックスの腕を接合させる。幸い装甲材自体は関節を斬られていたため、破損しておらず、配線を取り換えれば応急処置は一通り終わった。

「やっぱり腕を斬られると痛いもんですね。」

エックスは、腕が付けられるのを見ながら言う。確かに何度も体がボロボロになったことがあるが切断されたのは初めてだった。

「これで取り敢えず大丈夫じゃ。チャージショットも問題なく撃てる。じゃが、決して無茶をするんじゃないぞ。無理し続ければまた取れてしまうかもしれんからな。」

「分かってますよ。」

エックスは、右腕をゆっくり動かしながらマーティと一緒に連絡を取り続けているエイリアの方へと行く。

「エイリア、収容所の人たちの避難率は?」

「今やっと80%終わったところよ。でも、敵がこのまま見逃してくれるといいけど・・・・・・・街の方も急に撤退し始めたそうだし。」

「ゼロとアイリスからは何の返事もないわけ?」

「今のところ三人からの連絡はないわ。」

「ドラえもんがいるから心配はないと思うけど・・・・・・エイリア、俺たちも一回メカポリスに向かう。アディオンの手配をダグラスに頼んでおいてくれ。」

「わかったわ。私の方も引き続き三人と連絡をやってみるわ。」

そう言うとエックスとマーティはその場から離れて行く。























ナポギストラー王宮

ナポギストラーとドラえもんが話し合いをしている頃、王宮の各所で倒れたワイリーナンバーズは密かにメットールに運び出されていた。

『メトッ!』

『メトメト。』

『メトメット!』

メットールたちは倒れたメタルマンたちを透明な筒状のカプセルにまで連れて行き、そこから瞬時にどこかへと転送されて行った。

























ナポギストラー王宮 執務室

一方、話し合いは決裂しようとしていた。

「じゃあ、本当に人間と仲直りするつもりはないんですね?」

「くどい!人間などこの世から消滅させてやる!!」

今まで寛容的に話してきたドラえもんたちだったがナポギストラーは自分の考えを変える様子はなかった。ゼロも腕を組みながら黙っていたがその様子は数か月前に見たシグマと似て異なるものに感じた。

「それなら仕方ない!」

「なっ、なんだっ!?」

急にポケットに手を突っ込んだドラえもんを見てナポギストラーは思わず後ずさる。

ドラえもんは、ポケットの中からパチンコを取り出した。

「・・・・は?」

何をするかと思った矢先にちんけな小道具を出したのを見てナポギストラーは呆気にとられる。

「ハッハッハッハッハッハッハ!そんなガラクタで私を倒せると思っているのか!?ハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」

ナポギストラーは口を開きながら大笑いするがゼロとアイリスはこれがナポギストラーを油断させる作戦だと理解していた。

パチンコにひっかけているのはプログラムディスクを持った小さいミニドラがいる。

「えい!」

ドラえもんは大きく開いたナポギストラーの口に向かってミニドラを発射する。ミニドラは空気の抵抗によるずれを修正しながらナポギストラーの口にめがけて突撃する。

「フハッハッハッハッハッ・・・・・んん!?」

口に何か入ったと違和感を感じたナポギストラーは笑うのをやめる。


(うまくいったか・・・・・・?)

三人は緊張しながら見る。

「は、はっ・・・・・はっくしょん!!」

違和感が原因なのかナポギストラーはくしゃみをする。同時に彼の口の中にディスクを持っていたミニドラが吹き飛ばされてアイリスの手の上に乗っかった。

「ドララ!」

「うまくいったみたいよ。」

「後は効き目が出るまで待つだけだね。」

ドラえもんがそう言うとゼロは、バスターを展開して、窓に撃つ。

「撤退だ。外に出て転送装置で引きげるぞ。」

三人は割れた窓から外へと脱出する。

「やい、待て!」

何もせずに引き上げて行くドラえもんたちを見てナポギストラーは、思わず追いかけようとするが窓に出るやすぐに転送装置で離脱して行ってしまった。

「ぬうう・・・・・・この私をコケにしおって・・・・・・・」

ナポギストラーは、自分の頭脳回路に接続されているイメコンを起動させる。

(全軍に次ぐ!そんなわけのわからん連中に構うな!!全軍、総力を挙げて収容所を爆撃し、人間共をすぐに処分しろ!!私も前線で指揮をする!跡形もなく破壊するのだぁ!!)

そう指令を出すとナポギストラーは駆け足で執務室から出て行った。


























メカポリス 市街地

「おかしい、敵の動きが変わったぞ?」

アディオンとラッシュで移動してきたエックスとマーティは街の一角に隠れてロボットの兵隊たちの様子を窺う。どういうわけか戦車隊、スナイパージョー、メットールも同じ方向へと向かっているのだ。

「どこへ行くつもりなのかしら?」

そこへエイリアからの通信が入る。

「こちらエックス。」

『エックス、ナポギストラーの軍隊が人間収容所に対して砲撃と爆撃を開始したわ!』

「・・・・・・まさか、ゼロたちに何かあったんじゃ・・・・・ないわよね?」

「エイリア、避難の方は?」

『ほぼ完了しているわ。それとゼロたちの方からも連絡が来てプログラムは無事ナポギストラーに挿入できたそうよ。今、転送してこっちに戻って来たわ。』

「そうか。俺たちも少し離れて様子を見てから引き上げるよ。」

『了解。』

エイリアの返事を聞くとエックスは通信を切る。

「ここから離れて敵の様子を見よう。」

「OK。」

二人はその場から引き返す。


























ナポギストラー軍隊

「申し上げます!飛行部隊からの報告によると人間の姿はどこにもありません!」

「何一人もいない!?トントントン・・・・・・・」

「「「「はい、トントントン。」」」」

兵隊ロボットからの報告でナポギストラーは思わず苛立ちを感じたがその直後に勝手に自分の体が不可解な動作をした。同時に部下たちも同じことをした。

「何をバカなことをやっている!えっと、い~と巻き巻き、い~と巻き巻き・・・・・・・・」

同時にナポギストラーにインストールされたウィルスプログラムが作動、電子頭脳を狂わせた。ウィルスで頭脳を破壊された彼は、ひたすらとある行動をし始める。

「糸~巻き巻き、い~と巻き巻き、ひい~て、引いてトントントン。」

「「「「「糸~巻き巻き、い~と巻き巻き、ひい~て、引いてトントントン。」」」」」


「「「「「「糸~巻き巻き、い~と巻き巻き、ひい~て、引いてトントントン。」」」」」」


ウィルスはイメコンを通じて次々感染し、終いにはメットールやスナイパージョーにまで感染する始末だった。


「うまく行ったみたいだな。」

「うん。」

デスログマーの中からジャイアンたちはその様子を眺めながらその場を離脱していく。



「い・・・・・・と・・・・まきまき・・・・・い・・・・と・・・・・・・・」

その後、ナポギストラーは機能が停止するまで「いとまきのうた」を歌い続けた。



























メカポリス郊外の丘 ベースキャンプ

数十分後。

エックスたちは、仲間と救出されたチャモチャ星の住民たちと一緒に戦いが終わり、破壊されたメカポリスの街を眺めていた。

「・・・・わし等はすべてを失ってしまった。お終いじゃ・・・・・」

国民と共に救出されたアンラック王は、膝をついて言う。元々ロボットなしでは成し得なかった世界だ。彼のような考えになってしまう市民も多いことだろう。そんな重い空気の中、ガリオン侯爵は一人口を開いた。

「お終いじゃありません、始まりですよ。」

「ん?」

「我々人類は元々洞窟に住み、石器から初めて文明を発展させてきました。例え、失ってもまた築いて行けばいいんですよ。私たち自身の手で。」

「侯爵・・・・・・・」

「みんなでやり直しましょう。機械任せではなく、助けてくれた彼らのように人とロボットが手を取り合って共存していく新しい社会を。」

幸い、イメコンの機能を破壊しただけのロボットたちは、少々の修理をすればまた動くようになる。数はそれほど多くはないが体力が衰えてしまった人間のサポートには十分なはずだ。

「儂らもまだ自分たちの世界が終わってはいませんができる限り協力しますぞい。」

ケインもアンラック王の元に歩み寄り、手を取りながら言う。

「う、うん・・・・・」

その光景を見ながらエックスたちはホッとした表情だった。

「これからさらに忙しくなりそうだな。」

「こちらもまだ復興作業がありますからね。」

「でも、よかったじゃない。あの王様名乗ってた敵はもう倒れちゃったんだから。」

「フン、そうだな。爺の方もあぁ言っているしな。」

「この世界もやっと新しく始まるのね。人間とロボットと生きて行く世界が・・・・・・・!」











その直後、大きな地震が周囲を襲った。

「な、なんだ!?この地震は!?」

エックスは、マーティを支えながら突然起こった地震に警戒する。

「違うよ、のび太君。これは地震じゃないよ!?」

「ねえ、見て!お城が!!」

その場にいた全員が王宮の方を見る。

王宮の方では王宮の城壁を崩しながら何か巨大な影が地上へと姿を現していた。

「あ、あれは・・・・・・・・・」

スネ夫は、その姿を見てあるロボットのことを思い出す。

正確には設定の都合上で見たことがあるのは頭部と左腕だけで全身像を見たことはなかったが、その姿は明らかに同じだった。

「スネ夫、お前何か知っているのかよ!?」

ジャイアンは、姿を露わにした巨大なロボットを見ながら聞く。

「僕の記憶が正しければだけど・・・・・あれはγ(ガンマ)だよ!」

「ガンマ?」

エックスは、ロボットを見ながら言う。ロボットの首元には何かがいた。

「充電完了!」

首元にいたロボット スパークマンは、ロボットの電力供給を終えると飛び降りてその場から離脱する。γは、頭部にヘルメット型の第二の頭部をかぶせるとその眼を光らせる。

『愚かな人間共!これで私を倒せたと思っているのか!!』

「その声は・・・・・もしや、ナポギストラー!?」

γの発する声を聴くなり、ガリオン侯爵は動揺する。

「バカな!?電子頭脳は既に破壊されたはず!?」

『貴様らが私の頭脳を破壊することを考慮して予備の戦闘用のボディにバックアップを作らせておいたのだ。この世界に君臨するためにはあの体では役不足だからな。』

γナポギストラーは、右腕の5連装バスターから発射される無数の電撃状ビームを発射して街を破壊し始める。街にはイメコンの破損により正常に戻ったロボットたちがパニック状態で逃げまどっていた。

『私はこれより、このボディを用いてこの星の人間を一人残らず皆殺しにする!!覚悟するがいい!!』

γナポギストラーは、ゆっくりとエックスたちのいる丘の方へと移動を開始した。

「全員、市民を急いでブリキン島方面へ避難を開始しろ!!各イレギュラーハンターは、あのロボットの足止めをせよ!エイリア、ここがあのロボットの攻撃の射程距離に入るのはどのくらいだ?」

状況を把握して指示を出すシグナスは、エイリアに計算を行わせる。

「あの強力なビーム砲はそこまで射程が長くないからここから3キロ圏内に入るまでは心配ないわ。でも、あの移動速度だとここに来るまで30分もかからないわ。」

「・・・・・・・何とか破壊できればいいのだが・・・・・・」

「上空から空爆を行うのはどうだ?我が軍と合わせれば・・・・・・」

エイリアの情報からシグナスが頭を抱える中、フクロウルは空爆作戦を提案する。

「・・・・・いや、あの巨体から推測しても現在の空中戦力では火力不足でしょう。それに現在市街地で空爆を行えば、逃げまどっているロボットたちまで巻き込んでしまいます。」

「だが、こうしている間にも奴はこちらに向かってきておるのだぞ?」

「なら、こういうのはどうかしら?まず、あのロボットの射程ギリギリのところから威嚇射撃を行わせて、目がいっている隙にエックスとゼロをロボットのすぐ近くにまで接近させて破壊させるというのは?」

「だが、危険があまりに大きすぎる。我々はあのロボットの弱点すら知らないんだ。二人を接近させるのは・・・・・・」

確かにエイリアの発案した作戦もリスクが大きい。それにナポギストラーが逆に接近してきたエックスたちを先に攻撃してくるかもしれない。

「いや、今は少しでも時間を稼ぐことが重要だ。シグナス、その作戦で行こう。」

「エックス。だが、この作戦の成功の確率は極めて低いぞ。」

「成功する作戦なんて俺たちは一度もやったことなんかないぜ。それにやることは時間を稼ぐことじゃない。奴を倒すことだ。」

「ゼロ・・・・・・お前たちの言う通りかもしれないな。」

二人に言われてシグナスは、何か吹っ切れたようだった。

「エイリア、市民の避難はそのまま継続してくれ。」

「了解。」

「これより、あの巨大なイレギュラーの排除にかかる!各隊は、エックスとゼロの援護を!負傷したものから戦線を離脱、この作戦は極めて時間が限られている。ライドチェイサー、ライドアーマーを駆使して奴を倒すんだ!諸君らの健闘を祈る。」

シグナスの指示で各ハンターたちは、その場を離れて作戦実行に移る。

「俺たちも急ごう。」

「あぁ。」

エックスとゼロもアディオンに乗り、γナポギストラーへと向かう。後方にはマーティ、ドラえもん、修理を終えたばかりのビートブード達も続いた。

更に上空ではホーネックとイーグルに乗り込んだアイリスたちがγナポギストラーへと向かう。

「行くぞ、みんな!ここでナポギストラーの暴走を止めるんだ!!」
 
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