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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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皇帝ナポギストラー

ブリキン島

翌日になり、ブリキン島は未だにチャモチャ星へワープをしていたため、エックスたちはホテルの庭に出てサピオからチャモチャ星のことについて話を聞いていた。

「昔はチャモチャ星もいい星でした。恵まれた自然の中で高い文明を育ててきたのです。争いを好まず、子供のように無邪気で明るい人々でした。遊ぶのが大好き、楽しいことが大好き、いつものんびり遊んで暮らすのが夢でした。」

「俺も昔考えたことがあるよ、そんなこと。」

「俺たちの世界では遊ぶどころかのんびりも早々していられないことが多いからな。明日になれば事件が起き、終わってもまた次の事件が起きる。やる奴もやる奴でよく懲りずにやるもんだ。」

サピオの話を聞きながらエックスたちは羨ましそうに聞いていた。

「だから、科学技術もその方向へどんどん進んで行ったんです。いろんな働きをするロボットが開発されました。農業用、工業用ロボットはおろか役所や商店、医者とありとあらゆる仕事がロボットに任されるようになってきました。そして、警察や軍隊までもがロボット化されていったのです。」

「俺たちの世界で言うイレギュラーハンターやレプリフォースに当たりますね。」

「次から次へと便利なロボットが発明されましたけどそのうち発明することさえもめんどくさくなってしまったのです。」

「いかんことじゃのう。」

ケインは、険しい表情をして言う。

「そこで科学者たちは、発明用ロボット ナポギストラー博士を開発しました。全身がほとんど高性能のコンピューターで構成されているナポギストラー博士は、人間をさらに楽にするための発明を次々と生み出していき、人間は働く必要がなくなったのです。毎日が日曜日になって・・・・・」

「毎日が日曜ですって!?それって羨ましいわね!!アタシたちなんか休めない時もあるのに。」

「ハア・・・・・・働く必要がないなんて・・・・・」

マーティとホーネックは驚きながらも羨ましそうに言う。しかし、ゼロと話しているサピオの表情は少し険しかった。

「博士の最大の発明は『イメコン』と呼ばれる超高性能小型イメージコントローラーでした。イメージコントロール・・・・つまり、心に思うだけでロボットに伝えるシステムでこれでチャモチャ星の人間は、指一本動かさず暮らせるようになりました。」

「天国じゃねえか!!」

「いいな~!僕たちもそんな星で生まれたかった!」

「そう思う?」

「「「「うん!もちろん(です)!!」」」」

サピオの言葉にジャイアンとスネ夫はともかくホーネックまでも答えた。

「・・・・・ところがそれが天国どころか・・・・・・」

サピオは、表情を暗くする。






















チャモチャ星 国王 アンラック王宮殿


『イメコンの可能性と同時に重大な危険性を誰よりも真っ先に感知したのは僕の父であるガリオン侯爵でした。父は、科学者の一人であり、イメコンが現在使用されている全ロボットに組み込まれると聞き、急いで宮殿へと向かいました・・・・・・・。』






「アンラック王!アンラック王はおられますか!?」

宮殿に到着するなり、ガリオン侯爵は急ぎ足で王のいる執務室へと行った。突然の訪問にアンラック王は驚きの様子だった。

「ガリオン侯爵、一体どうしたのだね?そんな顔をして?」

拍子抜けの顔をするアンラック王とは裏腹にガリオン侯爵は緊迫した表情だった。

「アンラック王、イメコンの使用をすぐに中止してください!」

「ん?突然何を言い出すんだね?」

イメコンの使用中止を求める侯爵に対してアンラック王は首を傾げた。

「人間の体は使わなければどんどん衰えていくのです!このままでは我々はロボットなしでは動けなくなってしまいます!!それにすべてのロボットにイメコンを組み込めば、間違った指示を行った場合取り返しのつかない事態になりかねません!!軍隊や警察のものならなおさら、ですから・・・・・・・・・」

「御心配には及びませんよ、ガリオン侯爵。」

「!?」

ガリオン侯爵が後ろを振り向くとそこにはナポギストラー博士が背後に不気味なドクロロボットを数機連れて来ていた。そのロボットたちに不気味さを感じたガリオン侯爵とは反対にアンラック王は、親し気にナポギストラー博士に声をかける。

「おぉ、博士。今回も何か新しい発明を?」

「はい、国王。今回は侯爵のおっしゃった問題を解決すべく新たな発明品をお見せに上がりました。ご覧ください。」

ナポギストラー博士が言うとドクロロボットたちは道を開け、その間からカプセル状の乗り物が部屋に来た。

「このカプセルに入れば体を無理して動かすことなく自由に動かせます。」

「おぉ、それは素晴らしい。全国民に一台ずつ与えるよう工場に手配しておくれ。」

「いかん!そんなものに乗っていると人間は・・・グゥウ!?」

勢いよく言いかけたガリオン侯爵は突然の体の痛みに膝をつく。

「どうしたんだね?侯爵。しっかりしたまえ。」

「だ、大丈夫です・・・・・・急いで駆けつけたもので・・・・・」

「早速カプセルが役に立ちますな。」

ナポギストラー博士が言うと同時にカプセルは作動し、アームでガリオン侯爵をカプセルに入れ始める。

「や、やめろ!?誰がこんなものに乗るか!?やめろ!ナポギストラー博士!!博士!!!」

「お前たち、侯爵をお見送りしろ。」

「「「・・・・・」」」

ナポギストラー博士の指示でドクロロボットたちはノソノソと歩きながらガリオン侯爵に同行する。

「ほっほっ~これは便利なものだのう。ところで博士、あの気味の悪いロボットたちも新しい発明かね?」

「あちらは私の助手ロボットが製作した最新タイプの軍隊ロボットです。あらゆる環境にほんの少しのパーツの換装で行動することができ、敵味方の判別もできる判断回路を組み込んでおり国王の護衛としても十分に役に立ちます。見た目が不気味なのは玉に瑕ですが。直に配属させる予定です。」

「ほっほっほっ、でもじっくり見ると可愛く見えるかもしれんのう。ほっほっほっほっほっ・・・・・・」

アンラック王が笑っている中、ナポギストラー博士は、頭脳コンピューターで自分を警戒し始めているガリオン侯爵のことを考え始めていた。

(・・・・・あの男、感づいたか。こちらも警戒せねばならんな・・・・・・)


























メカポリス ガリオン侯爵宅

「私が王宮へ行って僅か数日。アンラック王がカプセルの普及を声明してからあっという間にカプセルの使用は広まってしまった・・・・・・」

自宅からガリオン侯爵は、窓から見える街の姿を見て頭を抱える。同時に邸の周囲にいた警官ロボットたちのうち何人かが例のドクロロボットに入れ替わっている。おそらく自分に目を付け始めたのかもしれない。

「私は、今まで道具としてしか見てこなかったロボットたちとの関係を改めるために研究を続けてきた。だが、このままではその研究が実る前に人類は滅びてしまうかもしれん。」

既に後ろでは妻である夫人が荷造りをしていた。

「あの研究を一刻も完成させねばならん。荷造りはできたか?」

「えぇ。私もできる限りお手伝いしますわ。」

「すまない・・・・・。サピオ。」

侯爵に呼ばれてサピオは部屋に入ってきた。

「なんですか?お父さん。」

「すぐ別荘へ行くぞ。」

「ブリキン島へ?」

「そうだ。」

「すぐに支度なさい。」





その後、サピオと家族は、町の港から船へ乗り、別荘のあるブリキン島へと向かった。事態が重くなるとはこの時知るすべはなくサピオは母と会話を弾ませていた。

「この間は結局できなかったけど僕、今度こそラビリンスを攻略してみせるんだ!」

「まあ、サピオったら・・・・・」



























現在 ブリキン島

「ラビリンス?もしやあの地下にあった不気味な顔か?」

「見たんですか?」

ケインが思い出したかのように言うとサピオは驚いた。

「もしかして中へ入りましたか?」

「いやいやいや・・・・その時はビビッてしもうて玉美ちゃん抱えて逃げ出してしまったわい。」

ケインは顔を赤くして言う。その様子を見てサピオはホッとする。

「よかった、入らなくて・・・・・。あのラビリンスは僕の先祖が趣味で作った大迷路で全長184キロもある。右へ左へ、上へ下へ、これまで何百人も挑戦したけど制覇した人は誰もいないんだ。ただ、一人父だけは中央ホールまでの順路を知っている。」

「184キロ・・・・・・・シグマパレスが優しく見えてきそうな長さだな・・・・・」

今まで多くの敵の本拠地を叩いてきたエックスはその広さを聞き思わず背筋をゾッとする。

「そこで父は中央ホールに研究室を作り、ほぼ一年間、母と地底暮らしをして研究の何かを完成させたらしいんです。」


























ラビリンス 中央ホール研究室

「やったぞ!遂に完成したぞ!」

「やりましたね、貴方。」

「大至急、王様に報告せねばならん。」

研究が完成し、侯爵は一刻も早く街へ戻ろうと考えた。

「サピオはどうしますか?」

「うむ・・・・・・私たちが島に籠って一年、行き先で何が起こるかわからん。サピオには辛いかもしれんが島に残ってもらおう。万が一に備えてこの部屋への順路と鍵を残して。」

























船出時

「僕も行く!」

事情を知らされながらも両親とともに行こうとするサピオを侯爵は止める。

「サピオ、わかってくれ。今回ばかりはお前を一緒に連れていくことはできん。危険な旅になるかもしれん。お前にはラビリンスの研究室を護っててほしい。」

「万一のことはブリキンに話してありますからね。」

「ブリキン、サピオたちと共に留守を頼む。」

「かしこまりました旦那様。」

そう言うと侯爵は夫人とともに船を出して、ブリキン島から離れていく。

「お父さん!お母さん!」

離れていく船から見える両親の姿を見送りながらもサピオは叫び続けた。




















ところがそれから数日後・・・・・・

「・・・・・・・・」

サピオはホテルのリビングで寂しそうな表情で座っていた。

「サピオ様、旦那様方ならきっと大丈夫です。すぐに戻ってこられますよ。」

「そうそう、王様に知らせたら」

「きっと帰ってきます!!」

寂しがるサピオにブリキン達三人は何とか励まそうとする。

「・・・・・・ありがとう、ブリキン。みんな。」

「たまにはテレビをご覧になるのはいかがでしょうか?丁度、面白い番組が始まる頃でしょうし。」

「うん。」

サピオたちは気を紛らわせるために四人でテレビを見ることにした。しかし、番組の途中突然画面にノイズが生じ、画面が切り替えられ、そこには今までと違った服装をしたナポギストラーが映された。

『全国民の皆さん、吾輩はチャモチャ星皇帝 ナポギストラー一世である!』

「なにっ!?」

「どういう事だ?」

突然のナポギストラーの声明にサピオはおろか、同じロボットであるはずのブリキンすら動揺していた。

『我々を扱き使い、道具同然に扱ってきた愚かな人間の時代は終わった。これからはロボットの世紀が始まるのだ。役立たずの人間どもに代わって、我々が世界を支配する!!』

























ブリキン島 現在

「ロボットたちの反乱ということか・・・・・・・」

一通りの話を聞いてエックスたちは腕を組みながら言う。

「じゃあ、王宮へ出かけたご両親は・・・・・・・」

「多分、他の人たちと一緒に・・・・・・捕らえられて・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「ケイン氏?」

「すまん・・・・・・・・少し休んでくる。」

ケインは複雑な表情をしてその場から離れていった。

「どうしたんでしょうか?」

「・・・・・・」

「ゼロ?」

「悪いが俺も席を外す。」

そう言うとゼロもその場から離れた。

「一体どうしたんですか?あの二人・・・・・」

「多分、あの時のことを思い出したんだと思うわ・・・・・。」

「あの時?どういう事ですか?」

「・・・・・実は俺たちの世界でも同じ反乱があったんだ。その首謀者がシグマ・・・・・・ケイン博士の最高傑作だったレプリロイドであると同時に・・・・俺たちの上司でもあったんだ。」

「あなた方の!?」

エックスの発言にサピオは驚く。

「シグマが何故イレギュラー化したのか、それについては色々な仮説が組まれたのですが一説にはゼロ隊長もかかわっているのではないかと言われているんです。」

「・・・・・・・・・」

エックスたちは知っている限りのことを話した。



シグマがイレギュラーハンターだった頃の話。

ゼロが初めて発見されたときイレギュラー化していた時のこと。

シグマが大破寸前まで追いやられて止めたこと。

その後のゼロの変化。

最初のシグマの反乱を含める数々の戦い。

最近のレプリフォース大戦の出来事。




その話を聞かされてサピオ自身も何とも言えない顔になった。

「・・・・・・いろいろ戦われていたんですね。」

「あぁ、今になってはどうしてシグマがそこまで歪んでしまったかについてはわからない。でも、レプリフォース大戦で聞かされたことでゼロも俺も考えるようになったんだ。自分もいずれはイレギュラーになってしまうのではないかと・・・・・・・・」

「エックスさん・・・・・・」

「俺の死んだ兄貴もマンドリラーも、ここにはいないイーグリード隊長も元は最初の反乱でシグマに従っていた身です。最初はシグマにそそのかされる形で反乱に加わったイレギュラーもいましたが後に洗脳された者、時にはやむを得ずイレギュラーとして扱われた者、そして・・・・・・・アイリスさんのお兄さんであるカーネル含めるレプリフォースも・・・・・」

「すみません、皆さんのことを気にせず話してしまって。」

サピオは自分の話がかえってエックスたちの傷口に塩を刷り込んでしまったように感じて全員に謝罪した。

「いや、俺たちも今までの戦いに関しては仕方のないことだと認めているよ。サピオ、両親のことについて心配なのはわかるが俺たちがチャモチャ星について、もしナポギストラーを倒したとしたら・・・・・どうしようと思うんだ?」

「どうしようと?」

「君の話を聞く限り、君はナポギストラーのことを倒したら平和が戻ると思っている。でも、そう簡単な理屈じゃないんだ。君たちチャモチャ星人の考えが変わらなければ、おそらく第二、第三のナポギストラーを生み出し、同じことを繰り返してしまうのかもしれない。そうならないためにも君もお父さんのようにロボットたちとの関係を見直すべきかもしれない。」

「お父さんのように?」

「君のすぐ傍にいるブリキンやピエロにはイメコンは組み込まれていない。つまり、君のお父さんはロボットととの関係をただの機械としてでなく、同じ世界を生きるものとして見直したかったんじゃないかな?」

「同じ世界を生きるものとして・・・・・・・・・」

エックスの言葉にサピオは、自分は根本的な何かを間違えて考えていたのではないかと思った。

自分はチャモチャ星でのナポギストラーの反乱の影響でロボットに対して不信感を抱いていた。しかし、エックスたちのようなロボットを見て、同じロボットでありながら彼らには自分たち人間と同じ心があり、強引な手段で連れてきたことに関しても無暗に責めたりせず、自分の星を助けようと手を差し伸べてくれた。そんな心優しい彼らのようなロボットもいることを知り、同時にロボットも完ぺきな存在ではないという事を理解した。

「僕は・・・・・・・・・」

「そんなに結論を急がなくてもいいさ。ただ、ロボットがみんなナポギストラーのようなものばかりじゃないという事は頭に入れておいてくれ。ブリキン達も君のことを大事に思っているから。」

そう言うとエックスたちも休むべく、ホテルの中へと戻って行く。

サピオは、しばらくその場にとどまるがそのままケインが行った場所へと向かう。



ケインはホテルのソファーに腰を下ろしていた。

「・・・・ふう。」

「少しお話してもいいですか?」

「ん?」

カプセルから出てサピオはケインの隣に座った。ケインは別に嫌がる様子もなく、サピオに対してニコッと笑った。

「何かあったのか?」

「いえ、その・・・・・エックスさんたちから貴方のことも聞かせてもらって・・・・・」

「・・・・・・」

「その・・・・・・シグマという人のことに関しては・・・・・・・なんといえばいいのか・・・・・」

「気にせんでもいいぞ。シグマのイレギュラー化を止められなかった儂にも非があったんじゃ。」

複雑に感じているサピオに対してケインは言う。

「若い頃のことを思い出しておったんじゃよ、エックスを発見するそれよりも昔のことを。あの頃は、君の星同様にロボットをただの機械のような扱いじゃった。」

「でも、どうしてエックスさんには感情があったんですか?」

「一つは伏せておくが、もう一つは、ロボット工学の父と呼ばれている伝説の科学者 トーマス・ライトの最後の作品だからじゃ。彼の生きていた時代はどういうものかほとんど資料が失われてしまっているが彼はエックスに極めて人間に近いものを与えた。何のためだと思う?」

「何のため・・・・・・」

「彼の遺言では『機械が人間や他の生物と同じように進化できる可能性をもたらす』と言っておった。現にエックスは、極めて人間に近く時には悩み、深く考え、他のレプリロイドたちとは違う結論へ辿り着いた。現にアイツの周りはその影響でよく悩んだり、考えたりするようになってきた。」

「そうなんですか・・・・・・」

「それ故にシグマもその可能性の一つを考えておったのかもしれん。ただ、何度も蘇っていくうちにその答えが歪んでしまったのはやるせないが・・・・・」

「・・・・・・・」

「サピオ君、ロボットは人間が作った未来への可能性であると同時に危険性も孕んでおる。現にナポギストラーは君たち人間の怠惰が生み出してしまったイレギュラーじゃ。だが、それを反省して乗り越えていくのが君たちに課せられた試練なのかもしれん。」

「はい・・・・・父もおそらくそのことに気づいていたのかもしれません。僕自身も、あなた方のことを見て自分が間違っていたんじゃないかと感じるようになってきました。」

「・・・・・それで、君は星に着いたらどうしたいんじゃ?」

「僕は・・・・正直まだ悩んでいるところもあります。でも、まずは両親や他の人たちを助け出したい。後は、ナポギストラーの暴政を食い止めて、父と同じく、チャモチャ星の人間とロボットの関係を見直していきたいと思います。」

「・・・・・そうか。」

ケインはサピオの頭を撫でる。

「君はまだまだ若い。その長い人生の中でその関係を見直して考えていけばいい。」

「ケインさん。」

「ホッホッホッホッ・・・・・さて、ここにいるのも寂しいからエックスたちの所へ戻ろうかのう。」

「はい。・・・・あっ、ゼロさんにも言わなくちゃ・・・・・」

「なあに、あいつは逆に言ったら余計言わなくなってしまうから堂々としていればいいんじゃ。」

そう言いながら、二人は部屋から出て行った。





「・・・・・・旦那様、サピオ様はどうやらまた一段と大きくなられたようです。私たちもうれしい限りです。」

その部屋の物陰でブリキン達がちゃっかり会話を盗み聞きしていたとは知らずに。
 
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