八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百七十七話 期末テストを前にしてその三
「勝たれていました」
「そうですか」
「ですが大抵の方はです」
「ギャンブルになるとですね」
「慾が出て」
そしてだ。
「ついです」
「勝とうと思って」
「そこで失敗します」
「それで負けますね」
「はい、そうならないならいいですが」
それでもというのだ。
「やはりです」
「慾は出さないことですね」
「ギャンブルには」
「儲けるものじゃないですね」
「ギャンブラーという職業はありますが」
それでもというのだ。
「このお仕事もです」
「また特別な世界ですよね」
「読みと勘、知識があり」
「もうじっくり勉強してですよね」
「トランプや麻雀では相手のことも知って」
そうしてというのだ。
「行っていくもので」
「勝負の世界ですね」
「そうです、過酷な世界です」
「そうですよね」
「雀士を見ればおわかりになられるかと」
「もう極限の勝負の世界みたいですね」
僕は福本先生の作品世界を思い出した、あの人の作品世界は独特な雰囲気が魅力だと僕は考えている。
「あちらは」
「はい、もう命を賭ける様な」
「そうした世界で」
「遊びではないですね」
「勝負です」
それだとだ、畑中さんは言い切った。
「ギャンブラーの世界は」
「それで生きようとすれば」
「慾があれば」
「もう勝負に勝つ」
「その意気込みでないとです」
「入ってはいけない世界ですか」
「左様です、ですが止様は」
親父はというと。
「最初からです」
「ギャンブルはしないですね」
「他の遊びをされますね」
「お酒に女の人ですね」
「その二つですね」
「旅行とかもしますが」
それでもだ。
「ギャンブルはしないですね」
「左様ですね」
「強いと思いますけれどね、ギャンブルは」
「そうした方ですね」
「勘はいいですし」
それにだ。
「ここぞって時の読みと判断も冷静で速いですから」
「そう考えますと」
「ギャンブル強いですよね」
「そうかと」
「それでもなんですよ」
「ギャンブルはされないですね」
「あれと薬は破滅するものだって言ってまして」
実際にこのことはいつも言っている、だから僕にもギャンブルと薬特に薬は止めておけと言っている。
「しないです」
「そうした方ですね」
「それは親父のポリシーの一つですね」
「ギャンブルで儲かるのはです」
「興行主ですよね」
「所謂親です」
この立場の人達だというのだ。
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