夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百四十話 波高しその十四
「どうしてもな」
「そやな、それがな」
「わいの至らんところやな」
「そや」
その通りだというのだ。
「そこは気を付けなあかん」
「子供はどうしてもっていうんやな」
「子供は純真でもな」
エリカはさらに言った。
「それでもな」
「そこにあるのはやな」
「そや、純真イコール善か」
「またちゃうな」
「そういうことや」
こう言うのだった。
「ええな」
「そやな、エリカの言う通りや」
デリーロもその通りだと述べた。
「ほんまにな」
「そう思うやろ」
「ああ、実際にな」
デリーロもだった。
「そう思うわ」
「そやな、ペドロも」
「実際にな、しかし」
「しかし?」
「それがまたな」
「ああ、クリスのええとこか」
「逆に冷徹になれてな」
そして外道dめお子供を殺せればというのだ。
「逆にな」
「クリスらしくないわ」
「そうも思うわ」
実際にというのだ。
「あたしは」
「そういうことやな」
「あたし的には」
そのスタインベックを見て言うのだった。
「それがクリスの短所でな」
「長所やな」
「そうでもあるからな」
だからだというのだ。
「あたしはそれでな」
「ええとやね」
「思うわ」
これがデリーロも考えだった。
「ほんまに」
「そういうことか」
「ああ、あたし的にはな」
「そう言われるとな」
「自分も思うわね」
「まあな」
エリカもまんざらではないという返事だった。
「そう言われると」
「そやね」
「そんなもんか」
こうも言った。
「長所が短所」
「そうやろ」
「そう考えると何かな」
「人を感じるな」
「ほんまにな、しかし」
ここでだ、エリカはこうも言った。
「日本との戦が近くても」
「それでもやな」
「皆リラックスしてるな」
「緊張し過ぎて勝つなら」
それならとだ、デリーロはエリカに話した。
「幾ら緊張してもね」
「ええな」
「そうでしょ、けれど緊張し過ぎると」
今自分が言った様にとだ、デリーロはエリカにお姐言葉で話した。
「かえってね」
「よおないな」
「そやで」
まさにというのだ。
ページ上へ戻る