八条学園騒動記
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第五百七十一話 差し入れその四
「お笑いだから」
「ギャグ漫画よね」
「そのままその展開だから」
最早というのだ。
「だからね」
「もう探偵やるよりも」
「少なくともね」
「パティシェやったら」
「大成功よ」
間違いなくという口調での言葉だった。
「少なくとも生きるだけはね」
「出来るわね」
「こっちの腕でね」
「私もそう思うわ」
レミにしてもだ。
「これはね」
「そうよね」
「これなら」
レミはさらに言った。
「間違いないわ」
「じゃあ二人にも言ってみるわね」
「探偵止めてこっちにって?」
「いや、あの二人に探偵止めろとか」
そうした言葉はとだ、七海はすぐに答えた。
「それはね」
「耳に入らないでしょ」
「只でさえ人の話は耳に入らないのに」
テンボとジャッキーは人の話を聞かないのではないのだ、人の話が耳に入らないのだ。そちらであるのだ。
「余計にね」
「探偵止めろとかは」
「もう絶対にね」
「探偵続けろってね」
「解釈するから」
七海もこのことはわかっている。
「それでね」
「言わないでしょ、あんたも」
「ええ、だからこの場合はね」
「何て言うか」
「探偵しながらね」
「ケーキ職人もっていうのね」
「やってみたらってね」
その様にというのだ。
「言うわ」
「カリスマ探偵兼っていうのね」
「ケーキ職人になったらって」
「そう言うのね」
「ええ、今度ね」
「けれどあの二人だと」
マルティは抹茶ケーキを食べつつ言った。
「そう言ってもね」
「探偵に専念するとか」
「言うんじゃないかな」
こう七海に言うのだった。
「あの二人のことだから」
「だからその言い方もね」
「工夫してだね」
「言うのよ」
「乗せるんだね」
「あの二人けなしても馬鹿にしても耳に入らないから」
「当然止めてもね」
「けれど褒める言葉は聞くから」
そうした耳の構造であるのだ。
「だからね」
「乗せてだね」
「探偵をしつつ」
「ケーキ職人だね」
「料理人でもいいわ」
そちらでもというのだ。
「そっちの才能もあるみたいだし」
「スイーツに限らないで」
「それでね」
そのうえでというのだ。
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