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ヘタリア大帝国

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TURN45 サフラン=ヴェーダその五

「その二つでな」
「パーティーを開いてそのうえで」
「親睦を深めたいぞ」
「では今度お話しておきます」 
 イザベラは真面目な顔でアメリカに答えた。
「大王に」
「会ったらそうしてくれ。勿論フィリピンもだ」
「パーティーにはだね」
「一緒に来てくれよ」
 アメリカは友人を誘うことも忘れてはいなかった。
「是非共な」
「じゃあ僕も僕の料理を用意してね」
「一緒に楽しもう」
「その時はね」
 こうした話をしてだった。一同は今は海を見ながら話をしていた。その海とは違う海を見ながらだ。フランスは共にいるシャルロットにこう言った。
「暑くないか?」
「このマダガスカルがですか」
「ああ。そのドレスで暑くないか?」 
 シャルロットが着ている見事なドレスを見ての言葉だ。
「そうじゃないのか?」
「白で光を反射しますので」
 だからだと答えるシャルロットだった。
「特には」
「暑くないんだな」
「はい、そうです」
「だったらいいけれどな。ところでな」
「ところで?」
「インドのことは聞いてるよな」
 フランスは海を見ながらシャルロットに政治の話をはじめた。
「あそこが遂にな」
「独立しましたね」
「そうだよ。日本はインドまで来たよ」
「若しアラビアまで併合すれば」
「ここまで来るかもな」
 フランスはその顔をやや曇らせてシャルロットに話した。
「その場合はどうする?」
「日本との戦争ですか」
「さっきもビジー司令と話してたんだよ」
「司令は何と仰っていたのでしょうか」
「勝てないだろうって言ってた」 
 フランスはビジーの言葉もシャルロットに話した。
「ここの戦力じゃな」
「インドまで占領した日本には」
「ああ、絶対に勝てない」
 これがビジー、そしてオフランス軍の見解だというのだ。
「どうあがいてもな」
「ではここに日本軍が来れば」
「姫さんはどう考えてるんだ?」
 フランスは深刻な顔になってシャルロットに尋ねた。
「その時はな」
「日本軍、つまり太平洋軍が来るとなると」
 どうなるかとだ。シャルロットも考えてから答えた。
「このマダガスカルも戦場になりますね」
「間違いなくな」
「そうなってはビルメさん達にも迷惑がかかります」
 シャルロットは暗い顔になりやや俯いて述べる。
「そうしたことは」
「よくないっていうんだな」
「この戦争は私達連合国と枢軸国の戦争ですから」
「あの人達を巻き込むことはっていうんだな」
「してはならないと思います」
「じゃあ俺達だけで宇宙で戦って負けたら」 
 フランスはどうするか話した。
「降伏するか」
「では降伏のサインは」
「悪いけれど頼むな」
 フランスは申し訳なさそうな顔でシャルロットに述べた。
「その時はな」
「わかりました。若し敗れた時は」
 シャルロットも覚悟を決めた顔でフランスに答える。
「私が摂政として」
「俺も一緒にいるからな。それじゃあな」
「その時は」
 フランスは近い先に考えられることをシャルロットに話した。それからだった。
 
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