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夢幻水滸伝

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第百四十話 波高しその四

「暴れ回るのよね」
「恐竜は最強の獣や」
 この世界にいる獣達の中で最も強い種族とされている。
「もう暴れ回られたら」
「それだけで恐ろしい災厄になる」
「ほんまに」
「恐竜いるってことも嬉しいけど」
 それでもというのだ。
「身近におったら」
「大変やさかいな」
「でかいし強いし」
「息や術はないけど」
「ドラゴン並の強さなのよね」
「そやから問題やね」
 恐竜達はというのだ。
「どうも」
「いて嬉しいですが」
 ヴォネガットは素直な気持ちも述べた。
「この世界に恐竜がいて」
「そうそう、恐竜ってね」
 まさにとだ、ミッチェルはヴォネガットのその言葉に応えた。
「皆大好きなのよね」
「そうですね」
「大きくて恰好よくて」
「ロマンですね」
「ロマンそのものね」
「そうですよね、ドラゴンに匹敵するまでに」
 そこまでのものがあるというのだ。
「ロマンがありますね」
「まことに」
「獣使いの人でも使いこなすことは難しいけれど」
 それでもとだ、ジェーンも応えた。
「オコナー兄さんでもね」
「兄さんですか」
「いい仇名やろ」
 ジェーンはヴォネガットに笑って獣使いである彼の仇名について話した。
「何かそんな感じするから」
「それで、ですか」
「兄さんやねん」
 オコナー、彼はというのだ。
「僕ちんとしては」
「まあお姉でもドワーフジャイアントで逞しくて大柄で」
「起きた世界でもでかいし」
「性格的にも頼りんなるので」
「それでな」
 だからだというのだ。
「兄さんやねん」
「そうですか」
「ほんまにな」
 そこはと言うのだった。
「僕ちんも」
「そういうことですね」
「本人もそれでええっていうしこのままいくで」
「いいんじゃないかしら」
 ミッチェルはジェーンのオコナーへの仇名についてこう述べや。
「本人がそれでいいなら」
「ほなそういうことで」
「そやね、ほな飲みもの飲んでカードやって」
「そうしてな」
「今はリラックスしましょう」
 ジェーンだけでなくヴォネガットも応えた、そうして三人でカードと飲みものを楽しんでいった。戦を前にしての一時のくつろぎだった。
 フォークナーはホイットマン、ガーランドとビリヤードをしていた。そこでその球達を見て二人に言った。
「不調ですね」
「そうか?」
「別にそうは見えんけどな」
「私としては」
 主観によるものだとだ、二人に話した。
「そう思うのです」
「主観かいな」
「それでか」
「いつもよりも」
 どうにもという口調での言葉だった。
「そう感じます」
「得点は」
 ホイットマンはビリヤードの得点表を見てフォークナーに応えた、見れば三人の得点がしっかり書かれている。 
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