ヘタリア大帝国
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TURN45 サフラン=ヴェーダその二
「ハワイでも善戦するあるな」
「そうなるあるか」
「南京奪還作戦も数は多く装備も整ってきたあるが」
ガメリカの兵器を買って中帝国軍もかなり整えては来ていた。だがそれでも中国は妹に対してこう言うのだった。
「それでもある」
「油断はできないあるな」
「日本はかなりの勢力になったある」
今太平洋軍の主力である彼等はだというのだ。
「下手な戦いはできないある」
「では南京奪還は」
「本気で。油断せずにいくあるよ」
中国は真剣そのものの顔で左手を拳にして動かしながら妹に話す。
「そうするあるからな」
「わかったある。しかし今はあるな」
中国妹は兄に応えながら微妙な顔も見せて語った。
「優秀な提督が少ないある」
「リンファとランファが日本軍に入ってしまったあるからな」
「それが痛いあるよ」
「全くある。しかしある」
中国は目を閉じて観念した様に述べた。
「それでもやるしかないある」
「言っても仕方ないことあるな」
「そうなるあるな」
こうした話もしてだった。中国兄妹は作戦の準備に入っていた。彼等もまたインド解放を見ながら動いていた。
当然ながらガメリカもインド独立を承認していた。ルースはその話を受けて目の前にいる四姉妹と自分の祖国達にこう言った。
「朗報ではあるがね」
「よかったじゃないか。インドは独立できたぞ」
アメリカはこのことを素直に喜んだ。
「日本についたのはまずいけれどな」
「ええ、独立自体はいいことよ」
それはハンナも認める。ルースを議長席に置いてホワイトハウスの会議室において話をしている。
ハンナはその中でアメリカンコーヒーを飲みつつこうアメリカに言った。
「エイリスの衰退はこれで確実になったわ」
「イギリスも災難だな」
「いいのよ。エイリスは所詮欧州の一国が相応しいのよ」
ハンナは自分で勝手にこう決めていた。
「インドだけでなくね」
「やがてはアフリカもだな」
「そう。エイリスの植民地は全部なくなるのよ」
ガメリカはそうなることを心から望んでいた。
「アジア方面は日本が解放してね」
「アフリカはどうなるんだ?」
「ドクツにやってもらうわ。ドクツはまずはソビエトを攻めるつもりらしいけれど」
「その情報は掴んでいるわ」
ドロシーがここで言ってきた。
「バルバロッサ作戦ね」
「バルバロッサ?赤髭だな」
アメリカはドロシーにバルバロッサと聞いてかつてドクツにいた君主の名前を出した。
「あの人の名前を使ったのか」
「バルバロッサはかつて東方に進出したわ」
「だからなんだな」
「そう。レーティア=アドルフもまた東に進出する」
ドロシーはアメリカにこう語る。
「そのつもりね」
「ソビエトがそれで潰れるならそれに越したことはないね」
アメリカ妹が右目をウィンクさせて明るく言う。
「正直あの国が一番厄介だしね」
「けれど。あれですよ」
クーがそのアメリカ妹に話す。
「ドクツがソビエトの力を手に入れてアフリカまで併合したら」
「とんでもない勢力になるね」
「それもまた問題だけれど」
「色々と手を打っておこうかしら」
クーの言葉を聞いてだ。ハンナは考える顔になって述べた。
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