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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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ドッペルタウン

エックスは、ピアノの伴奏に導かれるままに歩き、シグマの居城に辿り着く。

「・・・・・・」

無言でバスターを展開し、壁を破壊するとピアノの音が聞こえる方へと向かって行く。

本拠地なのにもかかわらず防衛用のメカニロイドすら見当たらない。

シグマが余裕を見せているのか、それとも油断させるための罠なのか・・・・。

そんなことはエックスにとってどうでもいい事だった。

歩いているうちにエックスはピアノの伴奏が聞こえてくる部屋の前に辿り着くとドアをブチ破って中へと入って行く。

部屋の奥では、ピアノを伴奏しているイレギュラーの姿があった。

「・・・・・・ピアノ・・・・・というものらしいな。音の組み合わせ次第で人はそれを“芸術”と称賛するらしいが、その観念は絶対的多数の中にしか自分を見出せない奴の戯言に過ぎない。己に自信を持つ者は、そんな戯言に惑わされることはない・・・・・これの俺がそうである様にな。」

VAVAは、そう言うとピアノを閉じ、エックスを見る。

「・・・・・いい顔をするようになったな、エックス。だが、楽しい命のやり取りの後に立っていられるのは、『死』という地獄を掻い潜ってきた真の『鬼』に目覚めたこの俺だ。」

「VAVA・・・・・・」

「さあ、決着を着けようじゃないか・・・・・俺とお前の戦いを・・・・・・・・『鬼』同士の死闘をな。」






次の瞬間、城の一角が爆発した。

エックスがバスターを撃てば、VAVAは腕部の武装で迎え撃つ。

「容赦のないこの攻撃・・・・・・いいぞ。これが俺が求めていた戦いだ!!」

VAVAは左肩のミサイルポッドと腕部の武装を切り替えてミサイルを連射する。エックスは高速で回避しようとするがミサイルは方向転換し、エックスを包囲して着弾する。

「!?」

「当然だがホーミングなんだよ!!」

VAVAは、腰からコントローラを取り出し、後方からライドアーマーを呼び寄せる。

「簡単にくたばるんじゃないぞ。この新型ライドアーマー『ブラウンベア』の性能を試すまではな。」

VAVAは、ブラウンベアに乗り込むとエックスに向かって腕を振る。

「ん?」

ところがエックスがいた辺りでブラウンベアの腕が止まった。爆煙が晴れるとそこには氷の盾で受け止めていた。

「フロストシールドか。そう来なくてはな!」

VAVAは、ブラウンベアの腕を何度もエックスにぶつける。何回か攻撃を受け止めるとエックスは、ヴァリアブルエアダッシュで空中へと逃れ、瞬時にクロスチャージショットを放った。

「くっ!」

VAVAは、コックピットから離れ攻撃から逃れる。代償としてブラウンベアは一瞬で爆発したが。

「・・・・・・ブラウンベアを一瞬で破壊するとは。だが、それでいい。お前も十二分に『鬼』に目覚めたようだな!」

VAVAは、キャノン砲をエックスに放ちながら言う。

「・・・・・お前みたいな奴が・・・・・・そんな狂ったことしか考えられないから戦いは終わらないんだ・・・・・VAVA!お前のような奴が!!」

「だから俺を倒すか・・・・・・・だが、今やお前も俺と同じ『鬼』に目覚めし者。何の変りもないんだよ!!」

VAVAは、一斉発射をしてエックスを追い込む。

「クッ・・・・・・ドリルファング!!」

エックスは右腕にドリルを装填させ攻撃を受けながらもVAVAに向かって突進する。

「フン。」

VAVAは、命中する瞬間に背中に装備されてある盾でエックスの攻撃を防ぐ。

「グウウウウ!!」

エックスは最大出力でドリルを回転させるがVAVAの盾に穴が開く様子はない。

「ファイヤーマーレイン!」

「グワアァ!?」

肩のキャノン砲から放たれた爆炎にエックスは吹き飛ばされる。燃えながらもエックスは態勢を変えてVAVAにバスターを向ける。

「アシッドラッシュ !!」

強酸の塊二発は、VAVAのボディに命中するが特殊加工でもされているのかVAVAの装甲が溶ける様子はない。

「お前の『鬼』とはこの程度かエックス!」

VAVAは、キャノン砲のオプションを変更してレーザーでエックスを攻撃する。

「・・・・・クッ!」

エックスは一瞬目を赤くし、高速で避けて一気にVAVAの背後に回り、チャージショットを放つ。しかし、VAVAは紙一重にしゃがんで攻撃を回避した。

「!?」

「パワーアップした俺の性能の中で一番強化されたのは攻撃力でも防御力でもない。即座に反応して行動することができるスピードなんだよ!!」

「グッウゥ!?」

VAVAの拳がエックスの顔面に炸裂する。怯んだエックスの隙を見てVAVAは、ジャンプをして距離を取り、脚部の武装を展開する。

「ドラゴンズワース !」

脚部から放たれる炎でエックスは全身炎に包まれる。

「スピードこそが俺の最大の武器・・・・・・いや、違うな。」

VAVAは、燃えているエックスに急接近し、その頭を掴むと城の壁にぶつけながら引きずって行く。

「俺の最大・・・・・本当の武器は・・・・・」

壁にぶつけ続けながらVAVAは、目の前にある塔の壁を破壊し、エックスを部屋に壁に投げ飛ばす。

「俺の中に巣食う『鬼』そのものよ!!」

エックスを投げ終えるとVAVAは、ブースターを全開にして外に出るとオプションを即座に切り替え、砲口を向ける。

「ネクロバースト!!!!」

キャノン砲から放たれた一撃によりエックスは部屋ごと大爆発に飲み込まれる。建物が崩壊する中、VAVAはゆっくりとその場に着陸した。燃え盛る塔を見ながらVAVAは、今の攻撃に手ごたえを感じた。

「所詮は地獄を見ずに目覚めた『鬼』、本当の地獄を見て来た俺の『鬼』に敵うわけがないのだ・・・・・・ん!?」

VAVAは、崩れゆく塔を見ながら異変を感じた。

燃えている炎がどんどん小さくなり、塔が完全に崩壊すると焼け跡に火の粉すら残らなかったのだ。

「何が起こった?」

VAVAは、煙がまだ晴れていない中エックスがいた辺りに移動する。

「そうか!ビートブードのバグホールを使ったのか。奴の小型ブラックホールなら炎と瓦礫が消せても不思議はない・・・・!」

その直後、VAVAは、背後から凄まじい殺気を感じ取った。後ろを向く暇のなく彼は、姿勢を低くするが飛んできた光弾により、右肩のキャノン砲を破壊された。

「くっ!」

後ろを振り向くとそこにはバスターを展開しているエックスの姿があった。

「この悪視界の中で・・・・・らしくなってきたじゃないか・・・・・・ん!?」

彼が意識を目の前のエックスに戻した瞬間、彼の姿はなくなっていた。

「奴は!どこへ行った!?・・・・・・はっ!」

VAVAが気付いて間もなくエックスは上空からVAVAに向かって殴りつけた。そして、倒れたVAVAに馬乗りする。

「御託は・・・・いらない!!」

エックスは、かつてシグマパレスのときのようにVAVAを殴る。

「『鬼』だろうが『イレギュラー』だろうが関係ない・・・・・・・・どれもがこの世にいてはいけないんだ。かけがえのない物を奪う存在は。」

「グッ・・・・ならば・・・・お前はなぜ存在する!?」

うまくブリッジの態勢を取り、VAVAは、エックスを振り飛ばす。

「『鬼』がいてはいけないというのなら・・・・・・・・くっ!・・・・・・・何故、『鬼』に目覚めてまでお前は戦う!?」

VAVAは、頭を押さえながらエックスに向かって叫ぶ。どうやら鎮静剤の効果が切れかけているらしい。

「俺が・・・・・『鬼』になった理由?」

エックスはゆっくりと起きあがる。

「そうだ!お前も最強の力を手に入れるために『鬼』に目覚めたんだろう!・・・・・・・!?」

「お前たちのような『鬼』を滅ぼすためだ・・・・・」

エックスの顔を見てVAVAは、一瞬こわばった。その顔は目が赤く充血し、体からは赤黒いオーラが立ち籠っていた。

「お・・・・鬼?」

近づいてくるエックスに対してVAVAは、更に動揺する。

(奴の言う『鬼』・・・・・・・俺の『鬼』とは何かが違う・・・・奴の『鬼』は強さを求める一方で何をしようとしている・・・・・・)

「う・・・うぅ・・・・・・その目で俺を見るなぁあああああ!!!」

動揺しているVAVAは、ミサイルポッドのミサイルでエックスを攻撃する。

しかし、ミサイルはVAVAのようにエックスを恐れているのかまるで逃げるように別の場所へと飛んでいく。

「うおぉぉおおおおおおおおお!!!!」

ミサイルは次々と発射され、全く目標とは違うところへと飛んでいき、遂に全弾を撃ちつくしてしまう。

「くう!」

VAVAは、ミサイルが切れたことに気づくとエックスの方を見直す。

エックスは依然と同じ場所で立ち尽くしていた。

「ク、クックックックッ・・・・・・」

最早考えるのをやめたのかVAVAは、急に笑い出す。

「砕いてやる!!」

武装をほぼ使い果たしたのか、彼はエックスに向かって走って行く。対するエックスも身構え、VAVAへの反撃に備える。


双方の拳が両者の頭部にぶつかろうとする。

「・・・・・・・」

VAVAは、その一瞬に右腕をワザと外し前転してエックスの攻撃を回避する。同時にエックスの拳は攻撃を外し、VAVAの右腕がエックスの頭部に命中する。

「これならどうだ!」

VAVAはかかとで自分の右腕を釘のように打ち付ける。追加の力が加わり、エックスの額に高エネルギーの液体が血のように流れ出す。

「頭が砕けたな!俺の勝ちだ!!」

「・・・・・・・」

「なっ!?」

自分の方を睨みつけたかと思いきやエックスは、VAVAの足を掴み、すぐわきの塔へと昇り始める。

「馬鹿な!?手ごたえはあったはずだ!」

VAVAが驚いているのも他所にエックスは塔のてっぺん目指してさらに昇って行く。

「それに何故死なない!?頭部は砕けたはず・・・・・なのになぜ!?」

エックスは頂上に着くとヴァリアブルエアダッシュでさらに上昇し、そこからVAVAを地面に打ち付ける態勢で落下を始める。

「俺は復讐するために・・・・・・お前という存在を超えるために『鬼』なった!!だが、エックス!お前の『鬼』はなんだ!?何故『鬼』となりながら『鬼』を否定する!?お前は一体何を・・・・・・!?」

VAVAは、エックスの目を見て言葉を止める。その目はまるで魂が抜けたかのようにすべてを悟り、終わりを迎えようとしている目だった。

(そうか・・・・・そういうことか・・・・・・・シグマは愚か俺も認めない、『鬼』を滅ぼすつもりだというのか。すべての『鬼』を滅ぼした後、『鬼』と化した自らも滅ぼす・・・・・・破滅の『鬼』に・・・・・だが)

その瞬間、2人は地面に激突。地面に巨大なクレーターを作り上げた。エックスは立ち上がり、すでに瀕死となったVAVAを見下ろす。

「これで・・・・・・・勝ったと思うなよ・・・・・お前がそうだと決めたとしても俺は・・・・・・・何度でも・・・・・よ・・・・・・・み・・・・・・・・」

最後に何かを言いかけたVAVAは、そのまま機能を停止しこと切れた。

「・・・・・・待ってろよ、シグマ。」

エックスは、再びシグマの居城へと向かって行く。


自分も含めたすべての『鬼』を滅ぼすために。



 
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