ヘタリア大帝国
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TURN43 インドカレーへその二
「そこが違うな」
「インドのカレーは野菜のみということが多いです」
「やはり宗教的な話からベジタリアンが多い」
「そういうものになっていますね」
「ああ。インドのカレーは違う」
そこからこうも言う東郷だった。
「他のことでもな」
「インドはかなり独特な国ですね」
「文化も風習もな」
「インドはそのまま文明です」
文化ではなくそれだとだ。秋山は言った。
「多くの人口がいてしかも」
「独自の文明がある」
「あの国を植民地にしているエイリスは確かに恐るべき国です」
「そうだな。しかしだ」
「そのインドを完全に独立させれば」
「もうエイリスは世界帝国ではいられなくなる」
それだけの力がなくなるからだ。
「欧州の一国になってしまう」
「エイリスにとっては負けられない戦いですね」
「これから行われるインドカレーでの戦いだが」
東郷は戦いの話もした。
「我々が勝てばエイリスはインドを完全に失う」
「これまでの東南アジア、オセアニア諸国だけでなく」
既にこれだけでもエイリスにとってはかなりのダメージになている。
「インドもですね」
「インドの人口は東南アジア、オセアニアを合わせたよりも多い」
「そしてその国力も」
「女王陛下の宝石箱という仇名は伊達ではない」
まさにエイリスを世界帝国たらしめているというのだ。インドの存在は。
「そのインドを失えばだ」
「後はアフリカだけですね」
「アフリカだけではエイリスは世界帝国の立場を維持できない」
「まさにインドがなれば」
「今度の戦いは世界帝国としてのエイリスに引導を渡す戦いでもある」
「そして太平洋軍は大きな味方を手に入れますね」
「大きな戦いだ」
まさにだ。戦局に大きく影響するまでの。
「我々が勝てばな」
「そうなりますね」
「その通りだ。そしてだ」
「エイリスが勝てばですね」
「これまで我々が解放してきたインドの諸星域もその手に戻る」
「インド自体が」
「エイリスは世界帝国としての立場を守ることができる」
そしてだった。
「我々の戦いもこれで終わりだ」
「すぐにガメリカと中帝国も来ますね」
敗戦のダメージに付け込む形で彼等が攻め込んで来るというのだ。
「そして我々は」
「太平洋経済圏はあの二国に牛耳られる」
ガメリカと中帝国、その二国にだというのだ。
「そして後はだ」
「ソビエトにけしかけられますか」
「絶対にそうなる」
「今ソビエトと全面衝突の状態になれば危険です」
今行っている戦争以上にだというのだ。
「我々は外で彼等と戦い」
「中では工作に苦しむな」
「ソビエトは工作を得意としています」
既にそのことは知っていることだった。日本側も。
「内外に泥沼の戦いとなります」
「国力を大きく消耗する」
「今行っている戦争以上に」
「その事態だけは避けたい」
「ですから」
それが為にもだった。今の日本帝国は。
「勝たなければなりません」
「そういうことだ。また決戦だ」
「ですがインドカレーにはエイリス東洋艦隊が集結しています」
エイリスの植民地を守ってきた彼等がだというのだ。
「その戦力は我々よりも春かに上です」
「何倍だった」
「五倍です」
そこまでの差があるというのだ。
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