夢幻水滸伝
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第百三十八話 最強の勢力その十
「思う存分戦うで」
「そうするな」
「ああ、アメリカの勝利の為に」
「その意気や、ほなおいらもやるか」
「わいもな」
ホイットマンとホーソーンも応えた、そうして今は三人で食べつつ語るのだった。
セリューもステーキを中心とした昼食を食べている、その時に。
自分の向かい側にいるミニーにこう言われた。
「あんたも食欲あるわね」
「戦の前こそっすよ」
セリューはそのミニーに明るく笑って応えた。
「食べるべきっす」
「それでやね」
「おかわりするっす」
「ステーキを」
「そうするっす、あとっす」
「あと?」
「栄養バランスを考えてっす」
そしてというのだ。
「飲みものも飲むっす」
「飲みものは野菜ジュースかいな」
ルイーザもいる、そうして食べている。
「それかいな」
「そうっす、お父さんが言ってたっす」
海兵隊員である父がとだ、セリューはルイーザにも話した。
「食事は栄養バランスを考えて沢山っす」
「食べるべきやってか」
「そうっす、だからっすよ」
「ビタミン補給の為にか」
「野菜ジュースも飲むっす」
そうするというのだ。
「是非っす、しかも野菜ジュースも美味しいっすよ」
「ほんまにそやな」
「しかし」
ここでミニーはセリューにこうしたことを言った。
「セリューのお父さんの言うこと格闘家みたいやな」
「そうっすか?」
「食事は栄養バランス考えて沢山とか」
「海兵隊は常に戦闘態勢っすから」
「それでかいな」
「身体は常にっす」
それこそというのだ。
「鍛えてっす」
「それで食事もやな」
「しっかりと食べないと駄目らしいっす」
「あそこは大変やねんな」
「陸軍をお嬢さんと言うっすよ」
やはり強さに定評があるアメリカ陸軍をというのだ。
「それならっす」
「食事も大事かいな」
「そうっす、だから私もっす」
「しっかりと食べるんやな」
「そうする様に心掛けてるっす」
「そういうことやな」
「そうっすよ」
こう言ってステーキをおかわりする、そしてまた食べだす。ルイーザはセリューのその見事な食べっぷりと見てから。
彼女のすぐ傍で自分の食事を摂っているケルベロス、セリューの神具であるこの地獄の番犬を見て言った。
「一緒に盛大に食べてるな」
「はい、やはりです」
そのケルベロスが真ん中の頭を上げて言ってきた。
「しっかり食べないとです」
「栄養バランスよくたっぷりと」
「そうしてこそです」
「食べられるからやな」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「私もです」
「ご主人と一緒にやな」
「こうして食べています」
「そやな」
「ちなみに私は甘いものも好きでして」
ケルベロスはこうも言った、首の付け根に鬣の様に無数にある蛇達が蠢く様はまさにその素の様である。
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