ヘタリア学園
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第四百三十話 居候に切れています
第四百三十話 居候に切れています
こんな物凄い態度の居候のオーストリアさんですがこれに切れている人がいます。言うまでもなくドイツの相棒であるプロイセンです。
「あいつは何とかならねえのかよ」
「だから俺に言うな」
「御前に言わなくて誰に言うんだよ」
かなり理不尽な言葉です。
「上司に言ったらどうなるかわかってるんだろうが」
「まあゲシュタポに連れて行かれて拷問の後で強制収容所だな」
「だから言えねえんだよ」
そういうところはロシアと全く変わらないこの時のドイツの状況でした。口髭のおじさんへの反論なぞ考えられないことだったのです。
「それでだ」
「ああ。今度は何だ?」
「あいつがピアノとか独占して困ってるんだけれどよ」
実は音楽大好きなプロイセンなのです。彼のお家だったところからあのワーグナーが生まれていたりしますからそれは尚更です。
「俺が使いたくてもよ。どうしろってんだよ」
「ピアノなら俺の家にもあるから使え」
うんざりとした顔でプロイセンに言います。
「それで我慢しろ。いいな」
「おっ、悪いな」
「バイオリンやフルートもある」
ドイツもかなり音楽が好きです。
「だからだ。それ使って不満は抑えろ。いいな」
「わかったぜ。しかし何でこんな事態になっちまったんだよ」
「それ以上言うと黒い服の人達に連れて行かれるぞ」
やっぱりどうしても不平不満は言えないのでした。とにかく居候に不満を抱えまくっている二人、特にプロイセンなのでありました。
第四百三十話 完
2008・11・1
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