八条学園騒動記
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第五百六十八話 働き手その七
「連合の様にしました」
「あんたの基準にはしなかったの」
「はい、お茶やコーヒーの量は多くして」
「味を濃くしたのね」
「そして量もです」
それもというのだ。
「増やしました」
「連合の風にしたのね」
「はい、その様に」
「私達に合わせてくれたの」
「ここは連合ですから」
セーラは微笑んで話した。
「ですから」
「それでなのね」
「そうです」
まさにというのだ。
「そうしました」
「マウリアじゃないから」
「私はマウリア人ですが」
それでもというのだ。
「召し上がるのは連合の方ですね」
「ここ連合だしね」
「だからです」
「そこも考えているのね」
「商売の基本かと」
売る相手に合わせることはというのだ。
「まさに」
「そう言うのね」
「はい、商売はです」
それはというと。
「相手が買いたいものを売りますね」
「それはね」
その通りだとだ、ルビーも答えた。
「やっぱりね」
「そうですね」
「さもないとね」
それこそとだ、ルビーはさらに話した。
「売れないわよ」
「左様ですね」
「そして売れないとね」
「商売になりませんね」
「どうしてもね」
現実として、というのだ。
「そうなるわ」
「そしてものを売らないと」
どうかるかとだ、セーラは話した。
「商売をしているのなら生きていけないですね」
「それでお金貰ってそこから生活するからね」
「はい、ですから」
「やっぱり商売するならね」
「売れないと意味がありません」
「それが現実なのよね」
「そして連合で商売をしようと思えば」
その場合はというと。
「連合で売れるものをです」
「売らないといけないってことね」
「そうなりますね」
「現実はそうなのよね」
「それで、です」
だからだというのだ。
「私もです」
「連合に合う紅茶やコーヒーを選んだのね」
「そうしました」
「自分の口を優先させないで」
「私の好みはやはりマウリア人なので」
それ故にというのだ、セーラはルビーに対して微笑みいつもの穏やかで礼儀正しい口調と仕草で話していった。
「ですから」
「マウリアの味が好みよね」
「マウリアですと」
セーラの国ではというと。
「お砂糖をもう連合以上にです」
「入れるのね」
「そして香辛料もです」
「ああ、カレーいや」
ルビーは自分の言葉をすぐに訂正して述べなおした。
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