八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百七十四話 真実は一つその三
「それもですね」
「ないですね」
「この世に絶対のことはないですが」
それでもだ。
「このことはです」
「絶対ですね」
「ないです」
畑中さんに言い切った。
「それは」
「左様ですね」
「はい、ですが」
それでもとだ、僕は畑中さんに話した。
「それでもです」
「確かめる為に」
「DNA鑑定はです」
それはというのだ。
「したい方がいいです」
「左様ですね」
「僕は確信出来ました」
畑中さんの今のお話でだ。
「そのことが」
「それでもですね」
「詩織さんは違いますから」
親父のことをよく知らないからだ、息子の僕と違って。
「ですから」
「それ故に」
「詩織さんに安心してもらう為に」
「そうですね」
「はい、ただ」
「ただ、とは」
「今僕安心って言いましたけれど」
詩織さんにだ。
「どうして言ったのか」
「それは義和様でお確かめ下さい」
「僕で、ですか」
「はい、ご自身で」
僕自身でというのだ。
「そうされて下さい」
「そうすることですか」
「このことがご自身で確かめられて」
そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「そうしてですか」
「どうされるかをです」
そのことをというのだ。
「決められるべきことなので」
「だからですか」
「私からは申し上げられません」
「そうですか」
「そこはお願いします」
「わかりました」
何かわからなかった、だが。
このことがクリスマスまでのことに直接つながることには気付いていなかった、そのことを迂闊に思ったことにも。
だが今はそのことに気付かないまま畑中さんに答えた。
「それじゃあ」
「その様に」
「そうさせてもらいます」
「それでは」
「はい、ただ」
「ただ、ですか」
「人はです」
畑中さんは僕にこうも話してくれた。
「どうしてもです」
「どうしてもですか」
「はい、こうしたことはあります」
「今の僕みたいに」
「そうしたことがあって」
そしてというのだ。
「人は成長していくのです」
「成長ですか」
「そうです」
まさにというのだ。
「そうしていきます」
「そうしたものですか」
「人は多くのことを経験して」
そしてというのだ。
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