おぢばにおかえり
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第五十九話 先輩と神戸でその二
「いいわよね」
「それでね」
「よくないわよ、何処がいいのよ」
また妹達に言い返しました。
「今日折角先輩と素敵な時間過ごせるのに」
「それがっていうのね」
「明日は」
「そうよ、せめてもう少しね」
心から思うことでした。
「先輩のことを考えていたいのに」
「あの人のことじゃなくて」
「先輩のことなのね」
「だって阿波野君は毎日会ってるし」
卒業するまで本当にそうでした、そして大学に入学してもそうなることがほぼ決まっています。同じ大教会でおぢばに一緒にいるからです。
けれど先輩は。
「毎日お会い出来ないから」
「それで久し振りにお会い出来るから」
「それでそう言うのね」
「そう、本当にね」
私にしてもです。
「今は先輩のこと考えていきたいのに」
「何かお姉ちゃんその先輩本当に好きなのね」
「尊敬してるっていうけれど」
「そんなによくしてもらったの」
「そうだったの」
「そうよ、高校一年生の時は」
一番心細かった時でした、親元を離れてこれからどうなるのかと思っていた時でした。
「どれだけよくしてもらったか」
「それでなのね」
「そう言うのね」
「そうよ」
実際にです。
「事実だから」
「この三年間ずっと言ってたけれどね」
「実家にいる時は」
「それだけ尊敬してるってことね」
「要するに」
「そうよ、尊敬してるから」
お父さんお母さんも尊敬していてです、一番尊敬しているのは教祖様です。
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