ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)
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フローズン・バッファリオ
ハンターベース 司令部
翌朝、ドップラー軍に占拠されたエリアを開放するべくエックスたちイレギュラーハンターは司令部に集まっていた。
「現在、ドップラー軍によって占拠されているのはこの八つのエリアです。」
女性オペレーターはマップを表示させて言う。
「この中で現段階で確認されているイレギュラーは、ジャングルエリアをシャイニング・タイガード。電力管理センターをエレキテル・ナマズロス。ドッペルタウンの近辺の都市をフローズン・バッファリオが占拠し、近辺の住民に被害を与えています。他にもドップラー軍の兵器生産工場で元イレギュラーハンター エクスプローズ・ホーネックらしき姿も確認されました。」
「何!?ホーネックだと!?」
オペレーターの言葉にゼロは思わず驚く。
「やっぱり、マック同様にイレギュラー化されていたのか・・・・」
「俺、行かなくてよかった・・・・・・」
「現在、最も被害が甚大になっているのはバッファリオの占拠しているエリアです。」
「よし、俺が行こう。」
エックスは自分から名乗り出る。
「エックス、いいのか?せっかく昔の仲間との時間を・・・・・」
「あぁ、一刻も早くドラえもんに関する情報が欲しいから。」
「・・・・・それなら、俺は兵器工場の方へ行く。もしホーネックの奴だったら連れ戻さなきゃいけないからな。」
「なら、ジャイアンたちをそっちに同行させてくれないか?」
「ん?また、どうしてだ?」
エックスの発言にゼロは聞く。
「兵器工場なら何かしら研究とかに関する情報が見つかりやすいかもしれない。ゼロがホーネックを探す一方でスネ夫たちに情報収集してもらう。これなら効率がいいだろ?」
「確かにな・・・・・・だが、イレギュラーに襲われたときはどうするつもりなんだ?俺がその場にいなかったら何もできないぞ?」
「心配ないよ。しずかちゃんに四次元ポケットを預けておくから。彼女なら管理もいいからうまく使いこなせるよ。」
「・・・・・・わかった。お前の方も気をつけてやれよ。」
「あぁ。」
ハンターベース 第17精鋭部隊隊長室
「・・・・・と言うわけでジャイアンたちはゼロと一緒に行ってくれ。」
エックスは四人の前で言う。
「のび太は一人で大丈夫なのかよ?」
「そのことに関してなんだけどマーティが何故か一緒に行くってしつこく言うから同行させることにしたよ。本当は本部をあまり手薄にしたくないから残ってもらおうと思ったけど・・・・・・」
「でも、大丈夫かな?」
スネ夫は心配そうに言う。
「スネ夫、心配しなくてもいいよ。イレギュラーは大方ゼロが破壊してくれるから。君たちは工場のデータバンクにドップラー軍に関する情報があったらこの端末にコピーして持って帰ってきてくれたらいい。危ない時に備えて俺の持っているポケットをしずかちゃんに預けるよ。」
エックスは机から四次元ポケットを取り出し、しずかに預ける。
「のび太さん、このポケット一体どうしたの?」
「最初のシグマの反乱の時に夢かもしれないけどドラえもんから受け取ったんだよ。」
「「ドラえもんから?」」
「まあ・・・・・ひょっとしたらどこかに隠してあったのをたまたま見つけたのかもしれないけど。これを使えば大抵の問題は何とか対処できるよ。」
エックスは玉美の方を見る。
「玉美にはもしもの時に備えてミニドラをつけとくよ。ミニドラ、玉美のことを頼んだぞ。」
「ドラララ!」
「俺とマーティは一足早く一番被害が甚大になっているエリアに向かう。みんなもゼロの準備が完了し次第出発してくれ。」
「おう!のび太、気をつけるんだぞ。」
「ジャイアン達も。」
「エックス、準備ができたわよ。」
「あぁ。出撃する!!」
ドッペルタウン近辺エリア シティ・シャーベット
ここは、ドッペルタウンからそれほど遠くない観光地として名高い「シティ・シャーベット」。
その名の通り夏は涼しく、冬はスキーやスケートなどウィンタースポーツを楽しむことができる場所である。
しかし、この都市はかつてこの街で働いていたフローズン・バッファリオの手により、氷が覆う死の世界へと変わり果てていた。
その街へとエックスはマーティと一緒に乗り込んでいた。
「ひどい有様ね・・・・・・」
マーティは白い息を吐きながら言う。
「来たことがあるのか?」
「レスキュー部隊に所属していた時、同僚と一緒にね。避暑地としてよかったっていう印象はあったけど・・・・・」
「うん・・・・・」
「それに・・・・・直接じゃなかったけどバッファリオを一度見たことがあるのよ。真面目でいい奴だったのは覚えているわ。」
「そうなのか。」
エックスたちは、落ちてくる氷塊を避けながら進んで行く。近くに何かの転送装置のようなものがあったが機能を停止しているようで動かなかった。
「マーティ、今回は大丈夫なのか?」
「えっ?何が?」
聞いてきたエックスにマーティは不思議そうな顔をする。
「だって、以前のカウンターハンターの基地に乗り込んだ時は氷漬けになりかけていただろう?」
「なっ!?・・・・・・そ、それは問題ないわよ!じいさんに頼んで耐寒性持たせてくれたから!!」
「そ、そうか。」
二人はそう言いながら街の中を歩いて行く。
凍り付いた床は滑りやすくなっていたものの、ダッシュする際には勢いがつくので気をつけて行けば移動がスムーズなものだった。
ダッシュでビルの壁に飛びつくとエックスはすぐ上から声が聞こえた。
『エックス・・・・エックス・・・・』
「!?この声は・・・・・」
エックスは、マーティを引っ張りながら壁をよじ登る。そして、建物の奥へと進むとカプセルがあった。二人がカプセルの前に立つとライトが姿を現した。
「ライト博士!」
『エックス、どうやらまた戦いが始まってしまったようじゃな。』
「はい。」
『前回のハッキング事件の時は突貫工事でアップデートしたアーマーしか渡せなかったが今回はヴァージョンアップした新しいアーマーを授けよう。』
「ありがとうございます。」
『このカプセルには前回から更に性能を高めたフットパーツを預けよう。このフットパーツは前回のエアダッシュを頭上にも移動できるようになった「ヴァリアブルエアダッシュ」が使用できるようになっておる。』
「上にもですか?」
『うむ、敵から逃れられないときはこれによって緊急回避することも可能じゃ。それとマーティ・・・・』
「えっ?アタシ?」
ライトに言われてキョトンとするマーティ。
『君にもサポートメカを与えようと思う。まだ完全ではないがエックス同様にすべてのカプセルを見つければ完成するはずじゃ。』
「サポートメカ?」
カプセルからライトの姿が消えるとカプセルから何かが出てきた。一見するとわかりづらいが狼や犬に見えないこともない。
『ワン、ワン!』
犬型メカニロイド?は、吠えながらマーティの方へと歩いてきた。
「何?このメカニロイド?」
『それは、“ラッシュヤークト”。わしがかつて作ったラッシュの後継機で君をサポートするために作ったんじゃ。生憎まだすべての機能が使える訳ではないが君のサポートをしてくれるはずだ。』
『ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。』
ラッシュと呼ばれたメカニロイドは尻尾を振りながらマーティの前に座る。その間にエックスはカプセルに入ってフットパーツを装着した。
「では、博士。俺たちは急いでいるんで。」
『今回のアーマーは前回の物に比べれば強力じゃがそれに反して癖が強くなってしまっておる。気をつけて使うんじゃぞ。』
「はい!」
『ラッシュ、2人を頼んだぞ。』
『ワン、ワン!』
ラッシュは、嬉しそうに二人の周りを走る。
「・・・・・・もう、邪魔なんかしたら捨てちゃうんだからね。」
『クゥウン・・・・・・』
「冗談よ、冗談。」
シティ・シャーベット 最深部
二人はラッシュを連れて最深部へと乗り込んだ。部屋の奥には氷の世界へと作り替えた張本人 フローズン・バッファリオが待ち構えていた。
「マタ・・・・・・エモノ・・・・・・・コレクション・・・・・来タ。」
その目は正気ではなく明らかに操られているようにも見えた。
「バッファリオ、もうこれ以上こんなことをするのはやめるんだ!」
エックスはバスターを構えながらバッファリオに言う。しかし、当のバッファリオは聞く耳を持たない。
「オ前タチデコレクションハ100体目。マタ、数ガ増エル・・・・・・・・」
「・・・・あれってもう、まともな目じゃないわよね?」
「仕方ない。できれば動けないようにして捕まえよう。そして、ケイン博士に診てもらうんだ。」
「了解。」
『ウ~!!ワン、ワン!!』
「オ前タチモコレクションニ加エテヤル!!」
バッファリオは、氷の塊を二人に向かって投げてくる。二人は攻撃を避けるが氷の塊は地面に着弾すると氷柱が発生し、逃げ場を減らしていく。
「くっ!」
エックスはバスターでバッファリオを攻撃する。しかし、巨体ゆえにバッファリオは怯む様子を見せない。
「フン!」
「うわぁぁあ!?」
バッファリオのタックルでエックスは後方へと吹き飛ばされていく。
「エックス!アンタよくも!!」
マーティは槍を展開してバッファリオの動力パイプの一つを切り裂く。切られたパイプからは冷凍ガスが流出し、バッファリオは顔色を変える。
「女ガ!!」
バッファリオは、彼女を捕まえるとエックス同様に壁に向かって投げ飛ばす。
「グッ!?」
壁に叩きつけられた衝撃で怯むマーティだったがバッファリオは更に冷凍光線を放つ。
「マーティ!!」
エックスは急いで彼女の前に立って庇う。
「エックス!?」
マーティも急いで動こうとするが冷凍光線自体でのダメージはなかったものの身動きが取れなくなってしまう。
「う・・・・・動けない。」
「ど・・・・どうして・・・・・」
「オマエタチハバラバラニシタ後、氷漬ケニシテヤル。」
バッファリオは身動きが取れなくなった二人に向かって突進して来る。
「く、くそ!!う、動いてくれ!!」
エックスは必死にバスターを構えようとするが身動きがとれない。抵抗している間にもバッファリオはどんどん迫ってくる。
「・・・・・マーティ、ごめん。これなら無理にでも置いて行くんだった・・・・・・」
「・・・・・・いいのよ、無理して付いてきたのはアタシなんだし。でもな・・・・・・・」
迫ってくるバッファリオを見ながらマーティはそっと口にした。
「死ぬ前にもう一度デートしたかったな・・・・・・・・・」
『ワオォォオオオン!!』
その矢先、ラッシュが吠えながら脚部を変形させてブースターへと切り替えて二人の目の前にまで飛んでくる。
「ラッシュ?」
ラッシュは胴体に備え付けられていたアンカーを二人に飛ばして付着させるとそのまま飛んで二人を運んだ。
「ナニッ!?」
目標を外したバッファリオはそのまま壁へと激突する。ラッシュは安全地帯まで運ぶとアンカーを外して二人を降ろす。
「危なかった・・・・」
『ワン、ワン!』
ラッシュは、尻尾を振りながら二人の前に座る。
「ラッシュ・・・・・」
『クゥン、クゥン。』
マーティはラッシュを優しく撫でる。
「ごめんなさいね。あたし、アンタのこと本当に役に立つのかってバカにしてたわ。おかげで助かったけど・・・・」
『ワン、ワン!』
「・・・・フッフフ。これからはアンタもうちの部隊の一員だからね!」
『ワオォン!』
ラッシュは嬉しそうに吠える。
「ブ、ブモォ・・・・・・・・カ、壁ニメリ込ンデ動ケナイ・・・・・・・」
一方のバッファリオは壁にめり込んでしまって動けなくなっていた。エックスはバッファリオの方へ近寄ると密かに機能を停止させた。
「ブ・・・・・・モ・・・・・・」
「これでもう動けないはずだ。後はケイン博士のところへ持ってって原因を見てもらおう。」
エックスは、マーティたちの方へと向き直る。
「ありがとうな、ラッシュ。おかげで助かったよ。」
『ワォン?』
「これからもっと大変なことがあるかもしれないけどお互い頑張ろうな。」
エックスはラッシュの頭を撫でる中、ラッシュはじっとエックスを見ていた。
『・・・・・・・・』
(よくやったね、ラッシュ。これからも一緒に頑張ろうね!)
『ワン!ワオォオオオオオン~!!!』
何かの面影を感じたのかラッシュは勢いよく吠えた。
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