八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百七十話 神戸に戻ってその九
「返ってきます」
「そして自分が自殺することもですか」
「有り得ます」
そうなるというのだ。
「それもまた」
「迂闊な言葉は出さないことです」
「言葉は恐ろしいものです、そしてまた申し上げますが」
「自殺は、ですね」
「してはなりません」
「僕もですね」
「当然です、何かあればです」
どうしようもなく困った、その時はというのだ。
「私もいますし妻も。そして」
「親父やお袋もですね」
「頼りになるお友達もおられますね」
「それなりに」
「そして八条家の方々もです」
皆もというのだ。
「総帥様もおられますし」
「だからですね」
「決してです」
「諦めないことですね」
「まことに逃げられてもです」
「いいんですね」
「そうです、ただ」
畑中さんはこうもお話してくれた。
「人が危機の時に見捨てる様な人は」
「信用してはいけないですね」
「はい、世の中そうした人もいますが」
「そうした人と見れば」
「例え自分にそうしなくても」
人が危機の時、友人と言っている相手にそうする人はというのだ。
「決してです」
「信じるべきではないですね」
「関わりを持つこともです」
このこともというのだ。
「しない方がいいです」
「そうした人は誰でも裏切りますね」
「自分の都合が悪くなれば」
その時にというのだ。
「昨日友情を語っていても」
「その相手の人を切り捨てて」
「自分は逃げます」
「そうした人は本当に誰でも裏切りますね」
「自分の為に、ですから」
「信用してはいけない人ですね」
「関わることすらです」
信用する以前だというのだ。
「そうしてはいけないです」
「自分も裏切られるので」
「そうした人は誰でも裏切りそして」
畑中さんは難しいお顔をしていた、そうして僕に話してくれた。
「掌返しでその相手の人に冷酷に辛くあたります」
「余計に酷いですね」
「自分が切り捨てて」
「そんな人とは本当に」
僕にしてもだ。
「絶対に付き合いたくないですね」
「どういった立場の人でもですね」
「人間の屑ですね」
ヤクザ屋さん、秋田で戦った人達とは別にだ。そうした人については僕は思った。
「まさに」
「左様です、人間としてのレベルがです」
「屑ですね」
「そうです、友達と言うなら」
それならとだ、畑中さんは語ってくれた。
「自分がどうなろうとです」
「裏切ったら駄目ですね」
「自分の立場がまずくなって切り捨てるなら」
「最初から友達じゃないですね」
「友達はそんなことはしません」
絶対にという口調の言葉だった。
「間違っても」
「そうですよね」
「そんな人には最初から友達なぞ出来ないです」
自分の立場が危なくなるとすぐに切り捨てる様な人はだ。
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