飼い主募集
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第一章
飼い主募集
八条家具でインテリアデザイナーとして勤めている加藤寛はこの時スランプだった、実は彼はよくスランプになる。黒に近い茶色の髪の毛を右で分けた痩せた男だ。背は一七三程だ。
それで職場でも叫んでいた。
「スランプだーーーーーっ!」
「言わなくてもわかるわよ」
彼が務めている神戸の本社で働いている仲間天馬が応えた、父が日本人母がアメリカ人のハーフで金髪の地毛を右で分けた金髪の青年で中性的な感じがする。背は一七五位だ。
「あんたその時コーヒー飲む量増えるから」
「えっ、そうだったのか」
「普段の五倍ね」
「そういえばスランプの時トイレに行くこと多いな」
「今もそうだから」
「コーヒーも飲み過ぎるとよくないでござるよ」
同じく本社で働いている金子新次郎も言ってきた、黒髪を長く伸ばして左右は前に垂らし後ろは束ねている、背は一八七あり筋肉質で顎に少し髭がある。細面は色黒だ。
「どうしても」
「胃に悪いよな」
「あと尿道結石にもなるでござる」
「それは怖いな」
「だから控えるでござる」
「じゃあ紅茶にするか」
加藤はすぐにそちらにしようと思った。
「コーヒーが駄目なら」
「そっちの方がいいかも知れないでござるな」
「スランプならもう抜けるまで待ちなさい」
仲間は加藤にこうアドバイスした。
「いいわね」
「それしかないか」
「あんたすぐにスランプになるけれどすぐに出られるから」
だからだというのだ。
「そうしなさい」
「待つしかないか」
「コーヒーじゃなく紅茶に切り替えてね」
「お前もそう言うんだな」
「さもないと尿道結石になるわよ」
「滅茶苦茶痛いらしいな」
「そうなりたくなかったらね」
紅茶にしろというのだ、こうした話をしてだった。
加藤はとりあえずは働いた、スランプでも。そして仕事が終わると早くスランプ終われあとついでに彼女いないからリア充爆発しろと思いつつアパートに帰って風呂に入って夕食の時にビールをしこたま飲んで寝た。
翌日は仕事は休みだった、だが。
ビールを飲み過ぎ二日酔いになっていて酒を抜く為に痛い頭とだるい身体を引き摺って朝早くから散歩に出て身体を動かした、これが彼の酒の抜き方だ。
それで歩いていてアパートから少し離れた公園に入るとだった。
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