おぢばにおかえり
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第五十八話 入学前のその二十六
「誰かとお会いする時もね」
「ちゃんとメイクしてるの」
「そう、だからね」
「私もなのね」
「女の子というか女の人になるから」
「女の人になの」
「女の人はね」
女の子ではなく、という感じの言葉でした。
「お化粧も覚えていかないとね」
「絶対って感じの言葉ね」
「そうね、絶対ね」
お母さんも否定しませんでした。
「うっすらでもいいから」
「メイクしていくべきなの」
「そうよ、これからはね」
「メイクもしないといかないの」
「そうよ、けれど千里だと」
私のお顔を見てそうしての言葉でした。
「うっすらとでいいから」
「ナチュラルメイクね」
「そうよ、ナチュラルメイクをして」
そしてというのです。
「皆の前に出ればいいわ」
「そうなのね」
「ええ、それでお化粧をしたら」
そうしたらとです、お母さんは私にさらに言いました。
「きっとあの子も喜ぶわよ」
「あの子って誰よ」
「それは会ってわかるわ、とにかくメイクも」
こちらもというのでした。
「頑張っていくのよ」
「何か頑張るものばかりで」
私はこうも思いました。
「大変ね」
「大学に入ってから?」
「今そう思ったけれど」
「だから高校生までとは違うのよ」
「大学に入ったら。そういえば」
私は大学に入ることになりました、ですが高校を卒業してからの進路を考えるとそこは、なのでお母さんに言いました。
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