八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二百六十九話 暴力を使わずにその十三
「もう誰も付き合いません」
「秋田県でもですか」
「そうです、この世に絶対のものはなく」
それでというのだ。
「権力も然りです」
「例え秋田県でどれだけ強い権力を持っていても」
「それは絶対ではないのです」
「警察も逆らえなくてもですね」
「議会や官界に強い力を持っていても」
秋田県の官界にというのだ、所謂地方政治である。
「それでもです」
「絶対ではないですね」
「元々裏社会とつながる様なら」
「それならですか」
「評判は決してよくはありません」
その時点でというのだ。
「それこそ」
「左様ですね」
「はい、そして」
「そこを衝けば」
「暴力団との交流が公のものになり」
そしてというのだ。
「他の汚職、収賄、脱税、恐喝、誘拐、密売、そして殺人等と」
「犯罪がどんどん出てきますね」
「そうしたものが明らかになれば」
「殺人とかは」
「しています、実は証拠もあります」
「そうですか」
「はい、私達はその証拠を掴んでいます」
僕にはっきりと答えてくれた。
「これを公に出します」
「それは大きいですね」
「死体遺棄も、そして」
「まだあります」
「違法薬物の密売もしていますし」
「まさかと思いますが」
「覚醒剤です」
今度はこれだった。
「それも扱っています」
「とんでもない家ですね」
「ヤクザ屋さんの元締めですから」
「だからヤクザ屋さんのする様なこともですか」
「全部していまして」
それでというのだ。
「そちらもです」
「していますか」
「はい」
まさにというのだ。
「表のお仕事以外にも」
「何か裏の方が熱心な感じですね」
「表も熱心ですが」
それだけでなくというのだ。
「裏もなのです」
「そうしたお家ってことですか」
「左様です」
「それで殺人とか違法薬物もですか」
「そうしたことまでしています、そして覚醒剤の件も」
こちらもというのだ。
「証拠を掴んでいます」
「殺人だけでなく」
「そちらもですか」
「そうです、これを公にします」
「殺人、覚醒剤となると」
「他の行為もですね」
「確実に警視庁の捜査が入りますね」
僕に言ってきた。
「そうですね」
「間違いなくそうなりますよね」
僕もそこはわかった。
「それであの家は」
「確実に壊滅しまして」
「僕達に何も出来なくなりますか」
「潰れるか」
若しくはというのだ。
「表だけでしかも力も殆ど失って」
「どちらにしてもですね」
「何も出来なくなります」
そうなるというのだ。
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