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ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
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第二十五話 モブ視点と嫉妬

 
前書き
今回の話で、少しの間…休ませてもらいます。

家族のことで少々問題が発生しまして…来週には復帰します!

だからこの作品を読んで下さっている人達には申し訳ありません…! 

 
俺はガーディアンベースで勤務しているメンバーの一人だ。

俺も昔、イレギュラーに襲われて死にかけたけど、ガーディアンの一員だったジルウェに助けられたことで何とか助かった。

まあ、俺はライブメタルの適合者じゃなかったけどな。

俺は自分みたいな奴をこれ以上出さないためにガーディアンに入った。

ジルウェみたいにライブメタルを持って戦えるわけじゃないし、セードルみたいに重火器が使いこなせるわけでも、副司令みたいに頭も良くねえ、トンみたいにでけえ体や馬鹿力があるわけでもねえ、だけど何かしたかったんだ。

そして一番の理由は…。

“司令官、イレギュラー掃討のミッションは終了しました。”

モデルZのアーマーを纏ったジルウェがミッションから帰ってきてガーディアンベースの司令官であるプレリー様にミッション終了の報告をしていた。

ジルウェはガーディアンベースでは最高戦力で、イレギュラー掃討ミッションでは確実にお呼びがかかる。

しかし、声には疲れが感じられる。

無理もねえ、イレギュラー掃討ミッションってことは当然被害者もいる。

きっと今回のミッションでも救えなかった人達がいるんだろう。

いくらライブメタルの力が強力でもジルウェは一人。

行動するにも限界があるし、せめてライブメタルの適合者がもう一人か二人いれば違うんだろうけどな。

“お疲れ様、ジルウェさん。今日もありがとうございます…ごめんなさい、あなたに保護した子供達のお世話をさせているのに、こんなことまでさせて”

プレリー様の麗しい顔が申し訳なさで翳る。

普段ならプレリー様になんて顔させてるんだと突っ掛かりたいところだが、状況が状況だ。

流石に理解出来ない程、俺はガキじゃない。

俺がガーディアンに入った理由はプレリー様だ。

美少女なのに組織の司令官。

司令官なのに俺達みたいな下っ端にも気をかけて下さる方だ。

惚れない方がおかしい。

あ、勿論イレギュラー関連のこともあるから勘違いするなよ?

“良いんですよ。最近あいつらも少し元気が出てきたみたいですしね”

ジルウェは初代司令官からの指示…正確にはその指示を引き継いだプレリー様からイレギュラー襲撃の被害にあった人物を保護してジルウェ・エクスプレスって言う自営業の運び屋を営んでいる。

保護するのが子供ばかりだからガーディアンベースに来る度に子育ての愚痴やら、少しずつ成長していく子供達のことでガーディアンのメンバーに話していた。

ジルウェは戦場よりどちらかと言えば保育所とかそういう所で働いてるのが似合いそうだよな。

子供達の成長を自分のことのように喜んでいるところにそういうのを感じる。

でもジルウェだって最初はこんな風に穏やかじゃなかったらしい。

ジルウェも俺みたいにイレギュラーの被害者で唯一の生き残りだったんだ。

だから最初は荒れていてイレギュラー狩りに誰よりも精を出していたらしい。

それが今ではこんな穏やかになってんだから保護した子供達との触れ合いはジルウェにとって良い方向に向かったらしい。

“それでは、俺はこの辺で失礼します。あいつらも腹を空かせてるだろうし、エール達だけじゃ大変ですから”

保護した子供達には幼いなりにジルウェを手伝おうとする健気なのもいるらしく、急いでジルウェは自分の会社に戻っていく。

あいつ絶対保育士向きだろ、仮就職先を間違えてるよ。

そしてあれから数年経ち、モデルZの対のライブメタル・モデルXが発見され、ジルウェがいつも話題にしていた一人の女の子を連れてきた。

名前はエール…イレギュラー襲撃で家族を失い、更に一年前に兄妹同然の幼なじみを喪った。

最初は自閉気味だったらしいのに今じゃあんなに元気なんて強い娘じゃねえか。

そしてエリアDへのイレギュラー襲撃事件。

エールがガーディアンベースを飛び出してエリアDに向かった。

気持ちは分からなくもないが、実戦経験が少ないあの娘が行くなんて危険すぎだ。

もし死んじまったらお袋さんや幼なじみの犠牲が無駄になっちまうぜ。

俺も地上部隊の一員として出撃したが、やっぱりライブメタルを持つ奴と持たない奴の実力差は大きく、ほとんどあの二人が持っていったから俺達は確実に連携を取って戦うことが出来た。

やっぱり凄えのなライブメタルって、何故にライブメタルは俺を適合者に選んでくれないのか……やっぱり顔か?

すると、俺達の前にモデルZよりも深い赤…真紅のアーマーを纏った子供が現れた。

何だこりゃ?何て言うかこいつから得体の知れない不気味さを感じられる。

傷だらけのジルウェとエールを連れてきて労るようにそっと地面に寝かせたことから悪い奴じゃねえんだろうけど。

“知り合いなのか?知り合いなら…二人を頼む”

隊長に二人を任せる子供…。

む、年上に対してタメ口とは礼儀がなってねえな。

いや、俺も礼儀正しいわけじゃねえけど。

そいつは俺達に二人を任せて今でもイレギュラーがいるポイントへ向かっていった。

俺達は改めて二人の状態を確かめる。

エールは酷い怪我だが、命に関わる程じゃねえ。

だけどジルウェはエールより酷え、どうやったらこんなダメージを受けるんだ?普通なら死んでるぞ。

二人をガーディアンベースに転送して、二人の状態を報告すると俺達はイレギュラーが暴れている次のポイントに向かった。

そしてイレギュラー襲撃からしばらくして、エールが再起して俺達の仲間になってくれた。

ジルウェが戦えなくなってしまったのは痛いが、エールがモデルXとモデルZのダブルロックオン…合体変身で新しい力へと目覚めた。

それからエールは危険度が最も高いミッションに身を投じることになった…。

チッ、あんなか弱そうな女の子が最後の希望だなんて俺達の方が情けないぜ。

でも、何でか最近のプレリー様は様子が変だ。

あの紅い奴の姿をモニターで見て以来様子がおかしいと、オペレーター達から聞いた。

おいおい、まさかプレリー様は赤系統の色が好きなのか?金髪が好きなのか?

するとミッションから帰ってきたエールが例の紅い奴…生きていたらしい幼なじみを連れて帰ってきた。

あの時のジルウェは大層喜んでいた。

そりゃそうだろうな、死んだと思っていた後輩が生きてたんだからな…気持ちは良く分かる。

それにしても顔色が悪い上に凄えボロボロだな…。

……もしかしてあの日からずっとセルパン・カンパニーの奴らと戦ってたのか?…たった一人で?

エールもそうだが、少しくらいは大人に甘えても良いだろうに。

そしてエールの幼なじみであるヴァンが仲間になったことでガーディアンの戦力は大きく増強。

しかし俺には捨て置けないことがある。

それはどことなくプレリー様と良い雰囲気だと言うことだ。

今まで副司令しか入室が許されなかった禁断の地であり、聖域でもあるプレリー様への部屋の出入りを許されたらしい。

何度も色とりどりのぬいぐるみを持ってベースの通路を歩き回るヴァンと時々エールの姿が目撃されたが、け、けしからん!実にけしからん!!

時々プレリー様はヴァン(とサルディーヌ)と一緒にお茶(しかもプレリー様お手製)をしてたりするそうじゃねえか!

しかもエリアFへと向かうミッション前にわざわざ髪ゴムを用意してヴァンの髪を纏めてやったそうだ。

そしてガーディアンベース襲撃の際にはヴァンは颯爽と現れて敵からプレリー様(ついでにジルウェ)を颯爽と助けたらしい。

何で俺の知ってる赤はこういう風に美味しいとこかっさらってくんだよ…。

そしてガーディアンの保養施設ではプレリー様が何と、初めての手料理をヴァンに振る舞ったらしい…プ、プ…プレリー様のて、手料理…っ!ち、畜生~~~っ…!!

血の涙を流す俺に周囲は引いているが知ったこっちゃねぇ。

それから時々施設やガーディアンベースのキッチンで謎の爆発が起こるものの、プレリー様がヴァンに…て、手料理を…振る舞う姿が…目撃…された…っ!!

「ねえ、セードル。どうしてあの人は目から血を出してるの?」

「ああ、気にすんじゃないよサルディーヌ。醜い男の嫉妬さ…あんたはあんな風になるんじゃないよ」

サルディーヌとセードルの会話を聞きながら俺は恨めしげにヴァンを見つめていた…。 
 

 
後書き
プレリーって結構美人だからベースでもファンの一人や二人はいそう。

雰囲気の幼さはありつつも、スタイル良し性格良しの人として悪い部分はないのでヒロインとして充分やっていける…そう言えばZXAのヒロインって誰なんだ?

ZXでは漫画版のこともあってプレリーなんだろうけど…復刊版の特別書き下ろしの二人の雰囲気…良いな 
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