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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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生きている理由

 
前書き
最近作品を読み返しながら少しずつモチベーションを取り戻している山神です。
また大魔闘演武やりたいなぁとオリジナルでできないかと画策してますが、オリジナルやると感想欄が大罵倒演武になっちゃうので迷ってしまう今日この頃。 

 
ウェンディside

ここに来た時から、確かに違和感がありました。いつものシリルとは・・・明らかに違う何かが・・・

「シリ・・・ル?」

どんどん黒い何かに侵食されていく彼に恐る恐る声をかけます。変ですよね、大切な人のはずなのに・・・こんなにビクつきながら声をかけるなんて・・・

「ウェンディ!!」

呆然としている私の後ろから声が聞こえました。そちらに思わず振り返ると、そこには大慌てでカミューニさんとジェラールさんが走ってきていました。

「ここから離れるぞ!!」
「ティオスの目が離れている今しかない!!」

私の腕を掴むジェラールさん。その行動のおかげで、私は何とか正気を取り戻しました。

「イヤです!!シリルが頑張ってるのにーーー」
「そのシリルの足手まといになりかねないんだぞ!!」

大声を出したジェラールさんは思わず口を塞ぎました。でも、レオンは全然こちらに視線を向けようとはしません。

「ごめんなさい・・・私・・・」

焦る二人の気持ちがよく伝わってきます。レオンもシリルも今の私たちとは明らかにランクが違います。それなのに、私は冷静さを失い、こんな戦いの渦中に自ら入り込んでしまいました。

「いい!!謝ってる暇があるならすぐ離脱するぞ!!」
「了解」

私とカミューニさんの手を取り、魔力を溜めるジェラールさん。私は彼の魔力が溜まりきる前に、もう一度シリルに声をかけます。

「シリル!!絶対に勝ってね!!」

いつもだったら彼はここで必ず返事をしてくれます。でも、この時の彼はレオンを見たまま、微動だにしませんでした。

流星(ミーティア)!!」

シリルが返事をすることなくジェラールさんの魔法でその場から離れる私たち。対峙する二人から次第に離れていく私は、不安さを拭いきれずにいました。

















第三者side

「いいのか?ウェンディに返事しなくて」

三人の姿が見えなくなったタイミングで、ティオスが目の前の敵に問い掛ける。しかしそれは、決してシリルを甘く見ての行動ではない。一切の隙のない彼に、心の隙をわずかにでも生ませようとした結果だった。
それに対するシリルの回答は、本来の彼からすればあり得ないようなものだった。

「それをすれば何か俺にメリットがあるのか?」
「・・・」

仲間との絆を最も大切にしている妖精の尻尾(フェアリーテイル)の一員とは思えないような発言にイヤな汗が流れ出る。ティオスはそれを拭うことすらできず、彼の腕、足、呼吸にすら警戒心を高める。

「お前らしくないな・・・いつも仲間から力をもらっているんだろ?」

気付かれないように足場を作りながら相手の注意を引こうとするティオス。それに対しシリルもまた、同じように足場を作っていた。

「前は()()()()()()()()しれないな。だが、そんなものじゃどうにもならないんだよ」

明らかに今までの少年とは違う雰囲気に思わず笑ってしまうティオス。それを見たシリルは眉間にシワを寄せる。

「どうした?ずいぶんと楽しそうだな?」
「いや・・・もう楽しみすぎてな」

ティオスが笑ってしまったのは彼の変化があまりにも大きかったからではない。思わぬ進化を続ける彼に対して、楽しみな気持ちが強くなっているからだ。

「俺はお前ら全員を殺し、神になるための準備をして来た。そのためのプランも組み、その通りになるように調整しながらここまでやってきた。多少の誤差はあったがな」

自身が知る限りの歴史に近づけながら、この戦争が自らの思惑に沿うように進めてきたティオス。かなりのプラン変更も行わざるを得ない状況にもなったが、それでも元々のプランに近づけながらここまで来た。

「だが、今のお前を見たらそんなものはどうでもよくなった」

シリルがここにいる時点で大きな誤算ではあるが、そんなことどうでもよくなってしまっていた。それ以上の楽しみが、ここにあるのだから。

「最終的に俺が勝てば全てが丸く納まる。その後のことは、後回しにしよう」

目元の汗を拭うティオス。その瞳は水色に光り輝いていた。

「ここからは本気で行かせてもらう」















「ナツ!!」

荒れ果ててしまったマグノリアの街。その場所に飛んできた巨大な飛行船から降りた緋色の髪の女性は、建物の中に入ると座り込んでいる桜髪の青年に駆け寄る。

「エルザ・・・」

青年と少女の前に座り込んでいるナツはエルザにゆっくりと顔を向ける。彼女の後ろからは、続々とこの場に人が流れ込んできた。

「こっちはもう終わった」
「そうか・・・」

傷だらけの彼を見ればわかる。全く目覚める気配のないゼレフのケガを見れば、なおさらだ。

「ナツ!!」

さらに遅れてやってきたのはルーシィを抱えたグレイだった。

「おい!!どうしたんだルーシィ!!」

完全に意識を失っている様子のルーシィに駆け寄るラクサス。他の者たちも、皆彼女の方に目を向ける。

「気を失ってるだけだ」

シリルから魔力を持っていかれてしまったために一時的な魔力欠乏症に陥っているものの、特にケガなどの大きなダメージはないルーシィ。
無事であることを聞いた面々は、安堵の表情を浮かべた。

「ナツ、こっちにシリルは来なかったか?」
「来たよ。でも、どっかに行っちまった」

エルザの問いに淡々と答えるナツ。だが、彼のその回答に全員が目を細めた。

「シリルを追いかけなかったのか?」

シリルはここに来たことはナツの言葉から間違いない。それなのに、彼はこの場に留まり続けている。

「兄ちゃんと初代がいるからな・・・心配で・・・」

彼らしくない覇気のない言葉に顔を見合わせる面々。変な空気になっていると、倒れていた二人の体が小さく揺れた。

「兄ちゃん!!初代!!」

ゆっくりと目を覚ました二人に覆い被さるような勢いで飛び付くナツ。そんな彼を他の数人が引き剥がしていた。

「ナツ?」

うっすらと開けた目で弟の姿を捉えたゼレフは、心配そうに見つめる彼に違和感を持った。

「あれ・・・僕は生きているのか・・・?」

ナツとの戦いで力を使いきり、シリルにわずかながらの妖精の心臓(フェアリーハート)の力も持っていかれたゼレフは、まだ自らがこの世に生を受けていることが信じられないでいる。

「やっぱり僕たちは死ぬことができないんだね・・・」

しかし、それもすぐに納得することができた。不老不死であるが故に、死ぬことができなかったのだと。それを聞いたナツは苦虫を噛み潰したような表情になっていた。

「どうしたんだい?ナツ」

そんなナツを心配するゼレフ。彼が心配される立場なのだが、そんなことを気にするものはいない。

「・・・いや、なんでもねぇよ」

シリルが言っていたことを真実だとは思っていない。それでも、その事実を告げない方がいいと彼は悟り、そう答えた。

「そういえば・・・シリルはどこに行ったんだい?」

自分たちから魔力を取っていった少年がどこにいるのか、辺りを見渡しても当然のように彼はいない。ナツや他のものたちは、彼がどこにいるのかわからないため、首を横に振ることしかできない。

「そうか・・・いや、何をしてるかは大体分かるけどね」

痛む体をゆっくりと起こしていくゼレフ。それに同調するように、ここまで何も言葉を発してこなかったメイビスも起き上がる。

「おい!!まだ動いちゃダメだ!!」

安静にしていなければいけないであろう二人がフラフラとしながら立ち上がる。ナツはそれを制止しようとするが、逆にゼレフは彼の肩に手をかけ立ち上がった。

「きっと彼はティオスを止めに行ったんだろう・・・そうなると、僕たちは見届けなければ行けないね」
「シリルの言ってたことを気にしてるのか?」

シリルから無責任と言われたからそんなことを言い出したのかと思ったが、二人は小さく首を振った。

「皆さんには迷惑をかけました。それなのに、私たちは自分たちだけ勝手に終わらせようとしてしまいました」
「彼の言う通り、無責任だと思う。ただ、それ以上にやらなければいけないことがある気がするんだ」
「やらなければいけないこと?」

エルザの言葉にうなずいたゼレフは、ナツの手を借りギルドの外へと歩を進めていく。

「こうやって生き延びてこれたのは、まだやらなければいけない何があるはずだ。それが何かは、僕にもわからないけどね」
「それを見つけられるのは、きっと今戦っている二人を見なければわかりません」

彼らは姿こそ見えないが、どこかでぶつかり合っている二つの魔力をなんとなく感じていた。きっとその二人が何かを見出だすキーであるのだと、なんとなく感じていた。

「彼らがどこにいるか、わかるかい?」
「ティオスがあの場所に留まっているのなら・・・」

場所が変わっていたらまた見つけ出さなければならないが、今はそんなことは言ってられない。ゼレフとメイビスはナツたちの肩を借りながらクリスティーナへと乗り込んだのだった。




 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
この話では一切バトルを繰り広げないと言う・・・
今結末がいくつが候補があるのですが、どれになるのかまだ未定なためもう少し時間がかかっていきそうです。 
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