夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百三十二話 北西へその四
「見ててな」
「それでやな」
「通じんわ、しかも台風自体がない」
肝心のそれがというのだ。
「そもそもな」
「それやったらな」
「これはない」
台風を利用することはというのだ。
「今度は海を使うしな」
「海か」
「そや、そこをや」
芥川は中里に笑って話した。
「使ってな」
「それでか」
「今度は勝つで」
「海と言うが」
吉川、その海で戦う提督である彼が言ってきた。
「しかしだ」
「僕等は浮島を改造した移動要塞におるな」
「空船でもないな」
「それでもないで」
芥川は吉川にも笑顔で話した。
「そっちでもな」
「ほなどうする」
海をどの様に利用して戦うのか、吉川は芥川に問うた。
「一体」
「そこや、実はな」
ここで芥川は自分の今回の策を話した、その話を聞いてだった。吉川は笑っていないが会心の顔で芥川に言った。
「見事だな」
「そやろ」
「相変わらずな」
「敵の思いも寄らんことをする」
「兵とは軌道なりだな」
「こっちはほんま戦力が少ない」
芥川はこのことを念頭に置いて話すのだった。
「それで巨大な相手にどうして戦って勝つか」
「こちらの利点を活かしてだな」
「そしてや」
「敵の意表を衝く」
「そうして戦うもんやからな」
それ故にというのだ。
「この度もな」
「敵の意表を衝き」
「そうして戦う、移動要塞は空を飛ぶが」
それだけでなく、というのだ。
「その高低は変えられるしな」
「必要となれば海に着くことも出来る」
このことも可能だというのだ。
「今回は海には着かんけどな」
「それでもだな」
「このことも使って」
「海もだな」
「そうするで、まさかな」
「中国もだな」
「こうするとは思わんやろ、中国は確かに強いが」
それでもというのだ。
「絶対に無敵やない」
「そういうことだな」
「それでや」
「この度はそうして戦ってか」
「勝つで、ええな」
「わかった、ではな」
吉川は腕を組み冷静な顔になって芥川に答えた。
「今回も勝つか」
「絶対にな、ほなその様にやるで」
「兵や火器の数に」
今度は雅が言ってきた、軍師としてそうした。
「星の方は二十二人で」
「そのうちの二人が神星だがや」
坂口が雅のその言葉に応えた。
「羅と施だぎゃ」
「お二人も問題ですが」
「あいつ等はな」
芥川はまた笑って話した、そして話終わってからまた言った。
ページ上へ戻る